アナボリックステロイドの誤用(不適切な使用)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
アナボリックステロイドは、男性ホルモン(テストステロン)をもとにつくられた薬です。医師の指示にしたがって、特定の病気の治療に使われることもあります。しかし、医師の処方なしに、筋肉を大きくしたり運動能力を上げる目的で使うことは「誤用(ふてきせつなしよう)」とよばれ、心臓や肝臓などの深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。
重要な事実
- アナボリックステロイドの誤用は、筋肉を大きくする見た目や運動能力を高める目的で行われることが多いですが、体と心に大きな危険をおよぼします。
- 日本では、この薬は医師の処方が必要で、無断で売買したり使うことは法律に違反する場合があります。厚生労働省も注意を呼びかけています。
- 使用をやめれば、多くの健康問題は回復の可能性があります。早く助けを求めるほど、安全に回復できます。
日本では、筋肉を増強する目的でアナボリックステロイドを誤用する人が一定数います。正確な人数はわかりませんが、インターネットを通じて簡単に手に入れてしまうことが問題になっています。
10代から30代の男性が最も多く、アスリートやボディビルダー、体形を変えたいと強く思う人に多く見られます。ただし、女性や中高年でも起こりうることで、誰もが注意が必要です。
症状
- 突然の強い胸の痛みがある
- 息ができず、ぐったりする
- 片方の手足に力が入らない、言葉が話せない、顔がゆがむ
- 自分を傷つけたい、死にたいという考えが強く、止められない
- ⚠強い腹痛、はき気が続いている
- ⚠皮膚や白目が黄色くなった
- ⚠眠れない、混乱している、幻覚が見える
- ⚠めまいや失神がおきる
一般的な症状
- にきびが増える
- 気分の変動が激しくなる
- 攻撃性が高まり、すぐに怒り出す
- 男性で胸が張る、精巣が小さくなる
- 女性で声が低くなる、体毛が濃くなる
- 頭髪が抜ける
- 血圧が高くなる
- 性欲の変化
原因
主な原因
- 筋肉を大きくしたい、体形を変えたいという強い願望
- 競技でよい成績を残したい、相手に勝ちたいという気持ち
- 周囲の人からのプレッシャーや憧れ
- インターネットや SNS で、効果が強調された誤った情報を見る
リスク要因
- 10代・20代の男性
- アスリート、ボディビルダー
- 自分の体形に強いコンプレックスがある
- 摂食障害や気分障害(うつ病など)の経験がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- ステロイドをやめたあと、気分がひどく落ち込んだり、自分を傷つけたいと感じるようになったら、すぐに医療機関を受診してください。
- 動悸、息切れ、胸の痛み、皮膚や白目が黄色いなど、体の異変がある場合は、今日中に受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- アナボリックステロイドを使っている、または使おうと考えている
- 使用をやめたいが、やめられない
- 家族や友人から使い過ぎを指摘された
- 体と心の変化が気になる
診断
医師はまず、使用している薬の種類、量、期間、使い始めたきっかけについて詳しく尋ねます。その後、身体の診察や血液検査などを行い、心臓や肝臓、ホルモンバランスへの影響を調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(肝機能、腎機能、電解質など)
- ホルモン検査(テストステロン値など)
- 血圧測定
- 心理状態の評価(気分、不安、睡眠など)
診察で予想されること
医師はあなたの話を丁寧に聞き、どのような支援が必要かを一緒に考えます。必要に応じて、心療内科や精神科、専門のカウンセラーを紹介することもあります。
治療
治療の第一歩は、ステロイドの使用を安全にやめることです。ただし、急に止めると離脱症状(気分の落ち込み、倦怠感、不眠など)が出ることがあります。医師や専門家の支援を受けながら、無理なく減らす方法を選びます。
自宅でのセルフケア
- 信頼できる家族や友人に話す
- 利用している違法な入手経路を断ち切る
- 睡眠をしっかりとる
- ストレスをためないための方法(深呼吸、散歩、趣味など)を見つける
- 使用を続けたいという気持ちがわいたら、医療機関や相談機関に連絡する
医療治療
医師は、ホルモンバランスの回復を助けたり、気分の不調をやわらげる治療を行うことがあります。また、心臓や肝臓などにダメージが出ている場合は、その治療を行います。使用する薬は症状や体の状態に応じて医師が選ぶため、自己判断での服用は絶対にやめてください。
手術が検討される場合
手術が治療の中心になることはありません。
この病気と共に生きる
ステロイドの誤用をやめたあとも、体と心の回復には数か月から数年かかることがあります。まずは睡眠、食事、運動を整え、無理のない小さな目標を立てて毎日を積み重ねていきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起きて、十分な睡眠をとる
- 飲酒を控えめにする
- タバコやその他の違法薬物を避ける
- 定期的に医療機関を受診し、体と心の状態をチェックする
食事と運動
バランスのよい食事を三食きちんととり、たんぱく質を偏りすぎずに摂りましょう。運動は医師と相談しながら、急に強度を上げず、自分の体力に合った内容で続けることが大切です。サプリメントや薬に頼らず、食事と休養を基本にしてください。
精神的健康と心の健康
ステロイドの誤用は、気分の落ち込み、不安、攻撃性など心の健康に大きく影響します。特に使用をやめた直後は気分が落ち込むことがあります。もし「死にたい」という気持ちがわいたら、ひとりで抱えず、すぐに119番に連絡するか、医療機関へ相談してください。
予防
アナボリックステロイドの誤用は、正しい知識を身につけることで予防できます。筋肉や運動能力の向上を目指すなら、医師やトレーナーなどの専門家の指導のもとで、栄養管理やトレーニング、休息を組み合わせることが安全で効果的です。
ワクチン
ワクチンはアナボリックステロイドの誤用を予防するものではありません。
検診プログラム
定期的な健康診断は、ステロイド使用による心臓や肝臓の障害を早期に見つけるために役立ちます。使用を検討している人も、すでに使ってしまっている人も、まずは健康診断を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 心臓発作や脳卒中
- 肝臓の障害や肝不全
- 男性の胸の発達、女性の男性化
- うつ病、不安障害、自殺のリスクの増加
- 骨密度の低下による骨折
長期的な見通し
アナボリックステロイドの誤用による健康被害は、使用をやめて早く適切な治療を受ければ、回復する可能性が十分にあります。体と心が元の状態に戻るまでには時間がかかるかもしれませんが、医師や周囲の支援を受けながら、一歩ずつ健康的な生活を取り戻すことはできます。希望を持って、今日から支援を求めてください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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