男性ホルモン不足(アンドロゲン低下症)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
アンドロゲンは男性ホルモンの総称で、特にテストステロンというホルモンが代表的です。加齢や病気などでこのホルモンが減り、体と心にいろいろな不調が現れる状態を、アンドロゲン低下症(男性ホルモン不足)と呼びます。
重要な事実
- 中高年の男性に多く見られますが、年齢だけで決まるものではありません。
- 血液検査でホルモンの値を調べ、症状と合わせて医師が判断します。
- 生活習慣の見直しと、医師の管理のもとでの治療で改善が期待できます。
40歳以降の男性では、ある程度の割合で見られます。ただし、症状がはっきり出る人は限られており、加齢による自然な変化と病気の境界は人によって異なります。
主に中年から高年の男性に多いですが、若い男性でも、精巣や脳(下垂体)の病気、がん治療の影響などで起こることがあります。
症状
- 突然の強い胸の痛み
- 意識の低下やけいれん
- 激しい頭痛と嘔吐
- 突然の視力の低下
- ⚠突然の精巣の強い痛みや腫れ
- ⚠尿が出ない、または激しい痛みを伴う
- ⚠強い疲労感で日常生活が送れない
一般的な症状
- 性欲(関心)の低下
- 勃起しにくくなる
- 疲れやすさ、気力の低下
- 筋肉量の減少、体毛の減少
- 気分の落ち込み、集中力の低下
子供の症状
- この状態は本来、成人男性の話題です。子どもでは思春期の遅れや成長の問題として現れることがありますが、まれです。子どもの場合は必ず専門医の診察が必要です。
高齢者の症状
- 高齢者では、筋力低下による転びやすさ、骨密度の低下による骨折、物忘れや意欲の低下として現れることがあります。ただし、これらは加齢だけでも起こるため、他の病気との区別が大切です。
原因
主な原因
- 加齢による自然な低下
- 精巣の病気やケガ
- 脳の下垂体や視床下部の病気(ホルモンの調節部分)
- がん治療(化学療法や放射線療法)の影響
- 一部の薬の影響
リスク要因
- 肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病
- 過度のアルコール摂取
- 慢性的なストレスや睡眠不足
- ステロイド薬など一部の医療薬の長期使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい精巣の痛み(すぐに病院へ)
- 突然、歩けないほどのふらつきや動けなさ
- 強い息苦しさや胸の痛み
定期受診を予約すべき場合:
- 性欲や勃起の状態が気になって生活に支障がある
- 数週間以上続く疲れや気力の低下
- 気分の落ち込みが続く
- 精巣にしこりを感じる
診断
医師が詳しく話を聞き、症状を確認したうえで、血液検査を行います。早朝の空腹時に採血し、テストステロンの値を測定します。必要に応じて追加の検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 総テストステロン値(血液検査)
- 遊離テストステロン値(血液検査、場合により)
- LH・FSH(脳から精巣への指令ホルモン)
- プロラクチン(場合により)
- 精巣の触診や超音波検査(原因を調べるため)
診察で予想されること
医師が症状と血液検査の結果を合わせて総合的に判断します。検査は1回で終わることが多いですが、結果によっては再検査や追加検査があります。
治療
治療の基本は、症状を和らげることと、原因となる病気を改善することです。不足した男性ホルモンを補う治療(ホルモン補充療法)が中心となりますが、すべての人が治療を受けるわけではありません。症状、検査値、年齢、持病などを考慮し、医師と相談して決めます。
自宅でのセルフケア
- 十分な睡眠と休養をとる
- 適度な運動(ウォーキング、軽い筋力トレーニング)を週に数回行う
- バランスのよい食事を心がける
- アルコールを控えめにする
- ストレスをため込まない(趣味や人との交流を持つ)
医療治療
医療機関で行われる治療には、男性ホルモンを補充する方法があります。注射、貼り薬、ジェルなどいくつかの形がありますが、どの方法を選ぶかは、年齢や生活スタイル、他の持病などを考えて医師が説明します。必ず医師の管理のもとで行ってください。また、下垂体や甲状腺などに原因となる病気があれば、その治療も行います。
手術が検討される場合
通常、男性ホルモン不足の治療に手術は必要ありません。精巣や脳(下垂体)に腫瘍などが見つかった場合にのみ、その治療の一環として手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
この状態は生活の質に影響しますが、適切な診断と治療で改善が期待できます。焦らず、医師と一緒に長い目で付き合っていくことが大切です。パートナーや家族に伝えて、理解してもらうことも助けになります。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起き、朝日を浴びるなど、規則正しい生活リズムを作る
- 無理のない範囲で体を動かす習慣をつくる
- 喫煙は控える(禁煙が難しい場合は医師や薬局に相談)
- 睡眠時無呼吸が疑われる場合は、睡眠の検査も検討する
食事と運動
筋肉や骨を保つために、たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)を毎食とり、野菜や果物も意識しましょう。運動は、ウォーキングなどの有酸素運動と、スクワットなどの軽い筋力トレーニングを組み合わせると効果的です。ただし、持病がある人は医師に相談してから始めてください。
精神的健康と心の健康
男性ホルモンの低下は、気分の落ち込みやイライラなど心の状態にも影響することがあります。自分を責めず、一人で抱え込まないでください。もし、気分の落ち込みが長く続いたり、消えたい気持ちがある場合は、すぐに医療機関や地域の相談窓口に連絡してください。
予防
加齢による低下を完全に防ぐことはできませんが、生活習慣の改善(適度な運動、バランスよい食事、十分な睡眠、適正体重の維持)でリスクを下げられる可能性があります。また、糖尿病などの生活習慣病を予防・治療することも大切です。
ワクチン
この状態を直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
特定の年代で男性ホルモン不足を一律に調べる健診は確立されていません。気になる症状があるときに、医療機関で検査を受けるのが一般的です。
合併症
治療しない場合
- 骨粗しょう症による骨折のリスクが高まる
- 筋力低下による転倒・要介護のリスク
- 気分障害(うつ状態)の悪化
- 生活の質(QOL)の低下
長期的な見通し
適切な診断と治療により、多くの症状は改善します。特に原因がはっきりしている場合は、その原因を治療することで良くなります。加齢に伴う低下では、治療で症状をコントロールしながら、無理なく付き合っていくことが大切です。治療にはリスクや副作用もありますので、医師とよく相談し、定期的なフォローアップを受けることで、安全に管理できます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年8月1日
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