狭心症と食事:毎日の食事で心臓をいたわるために
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
狭心症(きょうしんしょう)は、心臓の筋肉に十分な血液が届かず、一時的に酸素が不足することで、胸の痛みや圧迫感が起こる病気です。多くは冠動脈(心臓に血液を送る血管)が狭くなったり詰まりかけたりすることが原因です。食事は、その血管の状態に大きく影響するため、狭心症の管理にとても大切な役割を果たします。
重要な事実
- 狭心症は、心臓の血管が狭くなって起こる「心臓からのSOSサイン」です。
- 食事内容を見直すことで、症状の悪化を防ぎ、心臓への負担を減らせる可能性があります。
- 減塩・健康的な脂肪の選択・野菜や果物を多くとることが、食事療法の基本です。
狭心症は日本でもよく見られる病気です。特に中高年の男性や閉経後の女性に多く、生活習慣病(高血圧や糖尿病など)を持つ方ではリスクが高まります。
主に40代以降の働き盛りから高齢者に多く見られます。男性では50代以降、女性では閉経後に増加する傾向があります。喫煙習慣や運動不足、肥満、ストレスの多い生活を送っている方にも見られやすい病気です。
症状
- 胸の痛みが15分以上続く
- 冷や汗を伴う激しい胸の痛み
- 呼吸ができないほどの息苦しさを伴う胸の痛み
- 痛みが腕やあごまで広がり、吐き気やめまいがある
- 意識が遠くなるような感覚がある
- ⚠胸の症状が以前より頻繁に出る、長く続く、または休んでも治まらない
- ⚠今までにない強い胸の痛みを感じた
- ⚠日常生活での活動量が急に減ってしまった
一般的な症状
- 胸の中央や左側が締め付けられるような痛み・圧迫感
- 痛みが左肩や腕、あご、背中に広がることがある
- 階段を上る、早歩き、重い荷物を持つなどの労作で症状が出る
- 冷たい風に当たったときや、食事の後、感情の高ぶりで症状が出ることがある
- 数分間(通常5分以内)休むと楽になる
原因
主な原因
- 冠動脈が動脈硬化(血管の壁にコレステロールなどがたまり、血管が硬く狭くなること)によって狭くなること
- 血管が一時的にけいれん(縮んでしまうこと)を起こすこと(冠攣縮性狭心症)
- 心臓の筋肉が必要とする酸素の量が増えても、血管がそれに応えられないこと(例:激しい運動、ストレス、貧血など)
リスク要因
- 高血圧(血圧が高い状態が続くこと)
- 脂質異常症(血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎる状態)
- 肥満(特に内臓脂肪が多い状態)
- 運動不足
- 過度の飲酒
- ストレス
- 狭心症や心筋梗塞の家族歴があること
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の痛みが5分以上続く、または繰り返し起こるときは、その日のうちに受診してください。
- 胸の痛みに伴って冷や汗、吐き気、息苦しさがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 症状の出方が以前と変わった(強くなった、長くなった、休んでも治まらない)場合はすぐに受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 胸の痛みを時々感じるが、休むと治まる場合
- 健康診断で血圧・血糖・コレステロールの異常を指摘されたことがある場合
- 家族に心臓病の人がいる場合で、心配な症状がある場合
診断
狭心症かどうかは、医師の問診(症状の特徴や出るタイミングなど)と、検査の結果を合わせて診断します。症状について詳しく伝えることが大切です。
行われる可能性のある検査
- 心電図検査:安静時と運動中の心臓の電気的な活動を調べます。
- 運動負荷試験:トレッドミルや自転車で運動しながら心電図や血圧を測定します。
- 血液検査:心臓に負担がかかった際に上昇する物質や、コレステロール・血糖値などを調べます。
- 心エコー検査:超音波で心臓の動きや弁の状態を映します。
- 冠動脈CT検査:心臓の血管の石灰化や狭さを詳しく調べます。
- 心臓カテーテル検査:細い管を血管に入れて、冠動脈の内部を直接確認する検査です。必要に応じて行われます。
診察で予想されること
まずは問診と心電図、血液検査などをからだへの負担が少ない順に行います。狭心症が疑われる場合、さらに詳しい検査が行われます。診断を受けるまでに数週間かかることもありますが、一つひとつの検査は痛みを伴わないものがほとんどです。不安なことは医師や看護師に遠慮なく尋ねてください。
治療
狭心症の治療の目的は、症状を抑え、心臓の血管の悪化を防ぎ、心筋梗塞(心臓の血管が完全に詰まること)などの重い出来事を予防することです。治療は、薬による方法、カテーテルで血管を広げる方法、手術による方法、そして食事や運動などの生活習慣の改善を組み合わせて行います。
自宅でのセルフケア
- 禁煙をする(喫煙は血管を強く縮め、狭心症の大きなリスクになります)
- 医師から指示された飲酒の適量を守る
- ストレスをため込まず、趣味や十分な休息で心身をリラックスさせる
- 寒い日の早朝の屋外での活動は避け、暖かくして出かける
- 症状が出やすい活動の前には無理をせず、休憩をこまめにとる
医療治療
薬物療法では、狭心症の発作を抑える薬や、血管を広げ血流を改善する薬、心臓の負担を減らす薬、コレステロールを下げる薬などが用いられます。どの薬を使うかは、症状のタイプや原因、動脈硬化の進行度によって医師が個別に決めます。薬の種類や飲む時間は必ず医師の指示に従い、自己判断で止めたり変えたりしないでください。
手術が検討される場合
薬で症状が十分に改善しない場合や、血管の狭さがひどく、心筋梗塞のリスクが高い場合には、カテーテル治療(風船や金属の網で血管を広げる方法)や、冠動脈バイパス術(自分の血管を使って、狭くなった部分のバイパス路を作る手術)が検討されます。治療方法の選択は、病変の場所や数、年齢、合併症などを考慮して、医師とよく相談して決めます。
この病気と共に生きる
狭心症と診断されたら、無理のない範囲で普段の生活を続けることが大切です。階段や坂道など症状が出やすい場面を把握し、ゆっくり休みながら行動しましょう。また、毎日の体重記録や血圧測定を習慣にすると、体調の変化に気づきやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を徹底する
- 医師と相談したうえで、ウォーキングなど有酸素運動を週に数回、無理のない範囲で行う
- 睡眠時間をしっかり確保し、過労を避ける
- 血圧・血糖値・コレステロール値を定期的にチェックする
- 処方された薬を忘れずに飲む
食事と運動
食事では、塩分を控える(1日6g未満が目安とされています)、野菜や果物・全粒穀物を積極的にとる、魚や大豆製品を上手にとり入れる、動物性脂肪やトランス脂肪酸を含む食品を控えることが大切です。適度な運動は血流を改善し、狭心症の予防や悪化防止に役立ちます。ただし、運動を始める前には主治医に相談して、安全な運動量を決めましょう。
精神的健康と心の健康
狭心症の diagnosis は「心臓の病気」という不安を感じるものであり、抑うつや不安を抱える方も少なくありません。ストレスは血管を収縮させ、狭心症の症状を悪化させることがあります。つらい気持ちを一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に話すことが大切です。
予防
狭心症の多くは、動脈硬化が原因です。動脈硬化の進行は生活習慣で大きく変わるため、食事・運動・禁煙・ストレス管理などの生活習慣の改善によって、狭心症のかなりを予防できる可能性があります。すでに狭心症を持つ場合でも、悪化を防ぐことができます。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌などの感染症は、心臓に負担をかけることがあります。特に高齢者や基礎疾患を持つ方は、予防接種について医師に相談することをおすすめします。
検診プログラム
健康診断では、血圧・血糖・コレステロール値などを定期的にチェックしましょう。検診で異常を指摘されたら、放置せずに医療機関を受診し、必要に応じて心電図検査などを受けることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 不安定狭心症(症状が急に悪化し、安静時にも起こる状態)
- 心筋梗塞(血管が完全に詰まり、心臓の筋肉が壊死すること)
- 不整脈(心臓のリズムが乱れ、めまいや失神を起こすことがある)
- 心不全(心臓のポンプ機能が低下し、息切れやむくみが起こる)
- 突然死のリスク
長期的な見通し
狭心症は適切な治療と生活習慣の改善によって、多くの場合、症状をしっかりコントロールし、心筋梗塞などの重い合併症を防ぐことができます。毎日の食事や運動を少しずつ見直し、医師とともに治療を続けていけば、仕事や趣味を楽しむ生活を長く維持できる可能性が高い病気です。希望を持って、一歩ずつ取り組んでいきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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