アンジオイド・ストリーク(血管線条)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
アンジオイド・ストリーク(血管線条)は、目の奥にある網膜(もうまく)の下にある「ブルッフ膜」という非常に薄い膜に、ひび割れができる病気です。このひび割れが見られるだけでは視力に影響しないことがほとんどですが、将来、視力に関わる異常な血管が発生するもとになることがあります。
重要な事実
- ブルッフ膜という薄い膜がもろくなり、放射状にひび割れることが特徴です。
- 初期には自覚症状がないことが多く、眼科検診で偶然見つかることがあります。
- まれな病気ですが、全身の病気(例:弾性線維性仮性黄色腫)と関連することがあります。
とてもまれな病気で、数千人から数万人に1人程度と言われています。日本での正確な患者数はわかっていませんが、決して多くはありません。
成人、特に中年期以降に診断されることが多いです。性別による差はあまりなく、家族性に現れる場合もあります。
症状
- 突然、片目または両目の視力がほとんど失われる
- 視野が急に欠ける
- 目の激しい痛みを伴う視力低下
- ⚠物の形がゆがんで急に気になり始めた
- ⚠視界にかかる大きな影や黒い点が急に増えた
- ⚠数日間続くかすみや視力低下
一般的な症状
- 初期には多くの場合、自覚症状がありません。
- 進行すると、視力の低下や物がゆがんで見える(変視症)ことがあります。
- 異常な血管が出血すると、突然の視力低下や視野の欠けが起こることがあります。
子供の症状
- 子どもではほとんど症状が現れませんが、家族に同じ病気の人がいる場合などに眼底検査で偶然見つかることがあります。
高齢者の症状
- 加齢に伴い病変が進行しやすく、ゆがみや視力低下に気づくことがあります。加齢黄斑変性と似た症状をきたすこともあります。
原因
主な原因
- ブルッフ膜のもとになる弾性線維がもろくなり、ひび割れが起こる
- 原因がはっきりしない特発性のものもある
- 全身の病気(弾性線維性仮性黄色腫など)に伴って起こる
リスク要因
- 弾性線維性仮性黄色腫(PXE)という病気
- パジェット病、鎌状赤血球症、エーラス・ダンロス症候群などの全身性疾患
- 眼に強い衝撃を受けたことがある
- 家族にアンジオイド・ストリークの人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の視力低下や歪みが出たとき
- 視野が欠けたり、黒い影が急に増えたとき
定期受診を予約すべき場合:
- 定期健診で眼底異常を指摘されたとき
- ぼんやりかすむなどの気になる症状が続くとき
診断
主に眼科で行う眼底検査で診断されます。医師が瞳孔を広げる目薬を使い、目の奥を詳しく観察します。
行われる可能性のある検査
- 眼底検査(散瞳薬を使って網膜全体を観察します)
- 光干渉断層計(OCT)という機械で網膜の断面を調べる検査
- 蛍光眼底造影/インドシアニングリーン造影(色素を使って血液の流れや異常血管を詳しく調べる検査)
診察で予想されること
検査は外来で行われ、通常は30分から1時間程度です。散瞳薬でまぶしく感じることがあるため、サングラスを持って行くとよいでしょう。
治療
アンジオイド・ストリークそのものを取り除く治療はありませんが、視力に影響する合併症に対しては、症状に応じた治療が行われます。特に、異常血管ができて出血する「脈絡膜新生血管」の治療が中心になります。
自宅でのセルフケア
- 目を強くぶつけるようなスポーツは避けるか、保護メガネを着用する
- 定期検査を欠かさず受診する
- 急な視野の変化やゆがみに気づいたらすぐに受診する
医療治療
脈絡膜新生血管がある場合、眼の中に薬を注射する抗VEGF療法(血管の成長を抑える薬)が一般的に行われます。また、レーザー治療や光線力学療法が検討されることもあります。具体的な治療法は、病状や目の状態に合わせて医師が決定します。
手術が検討される場合
通常、手术が第一選択になることはありませんが、目の出血が続いて濁りが強い場合などには、硝子体手術が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
アンジオイド・ストリークと診断されたら、まずは定期的な眼科通院を続け、自分の視力の変化に敏感になりましょう。急な変化を感じたら、待たずに眼科を受診してください。
生活習慣のアドバイス
- 強い日光を避けるためにサングラスをかける
- 転倒や衝突を防ぐため、生活環境の安全を整える
- 禁煙・節酒を心がける
食事と運動
食事のバランスを整え、緑黄色野菜や果物を積極的に摂りましょう。運動は循環に良いですが、激しいコンタクトスポーツや頭部への衝撃を伴う運動は避けたほうが安全です。具体的な運動の可否は医師に確認してください。
精神的健康と心の健康
視力という大切な機能を失う不安はとても大きいものです。気持ちが沈んだり、眠れないなどの変化を感じた場合は、遠慮なく医師や家族に相談してください。気分を支える専門家のサポートもあります。
予防
アンジオイド・ストリークそのものを確実に予防する方法はまだありません。ただし、関連する全身疾患をしっかり管理すること、目に外傷を与えないこと、そして定期的な眼科検診を受けることで、視力障害のリスクを下げられる可能性があります。
検診プログラム
自覚症状がなくても、家族歴がある方や関連する全身疾患を持つ方は、年に1回程度の眼科検診(眼底検査)を受けることが勧められます。
合併症
治療しない場合
- 脈絡膜新生血管の発生による網膜のむくみや出血
- 中心視野の欠け、永続的な視力低下
- まれに網膜剥離(もうまくはくり)を起こす
長期的な見通し
治療の進歩により、異常血管があってもほとんどの場合、視力を維持・改善できるようになってきました。早期発見と早期治療が何より大切です。すべての人が重症化するわけではなく、軽度なまま一生を過ごす方もいます。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月2日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。