閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
閉塞隅角緑内障は、目の内部を流れる水分の出口がふさがって、眼圧(目の圧力)が急激に上がる病気です。この状態が続くと視神経が傷つき、視野(見える範囲)が欠けていきます。特に「急性閉塞隅角緑内障」は、目の強い痛みや見えにくさが突然現れ、すぐに治療が必要な緊急の状態です。
重要な事実
- 眼圧が急に上がると、目の痛みや頭痛、吐き気をともなうことがあります。
- 症状が突然現れた場合は、すぐに119番へ連絡するか、救急外来を受診してください。
- 早く治療すれば、視神経へのダメージを最小限に抑えられます。
- 眼科での定期的な検査が、この病気の早期発見に役立ちます。
閉塞隅角緑内障は緑内障全体の一部で、日本人を含むアジア人に多くみられますが、それほど頻度は高くありません。ただし、急性に発症すると重い視力障害を起こすことがあるため、注意が必要です。
40歳以上、特に女性に多く、遠視(遠くは見えやすいが近くが見えにくい)の人や、家族に緑内障の人がいるとリスクが高まります。また、アジア系の人に多いことも知られています。
症状
- 突然の激しい目の痛み
- 視力が急に低下した、またはほとんど見えなくなった
- 吐き気や嘔吐をともなう頭痛
- 目の充血と激しい痛みが同時にある
- ⚠目の痛みやかすみが続く
- ⚠光の周りに虹の輪が見える
- ⚠頭痛と吐き気があるが、救急車を呼ぶほどではない場合
- ⚠これらの症状が数時間続く場合は、すぐに眼科を受診してください
一般的な症状
- 目の強い痛み
- 目の充血
- 視界がかすむ、または急に視力が落ちる
- 光の周りに虹のような輪が見える(光の輪)
- 吐き気や嘔吐
- 瞳(ひとみ)が開きっぱなしになる
子供の症状
- 閉塞隅角緑内障は子どもにはほとんどみられませんが、まれに先天的な緑内障の場合は、目が大きい、涙が多い、光をまぶしがるなどのサインがあります。
- 子どもが「目が痛い」「よく見えない」と訴える場合は、早めに眼科を受診してください。
高齢者の症状
- 高齢者では、症状がはっきりしないことがあります。
- 急に歩きにくくなったり、転びやすくなったりするのは、視野が狭くなったせいかもしれません。
- 目のかすみや痛み、頭痛、吐き気が続く場合は、眼科の受診を検討してください。
原因
主な原因
- 虹彩(こうさい)と呼ばれる、瞳の色のついた部分が前に盛り上がり、目の内部の水が流れ出る「隅角(ぐうかく)」が狭くなったりふさがったりすることが原因です。
- 眼圧が急激に上がると、視神経が圧迫されて傷みます。
- 暗い部屋で目を長時間使う、強いストレス、ある種の薬の影響などで発症することがあります。
リスク要因
- 加齢(特に40歳以上)
- アジア系
- 家族に閉塞隅角緑内障の人がいる
- 眼圧が高めである、または以前に検査で指摘されたことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 目の痛みや視力の低下が突然現れた場合は、すぐに眼科または救急外来を受診してください。
- 吐き気や嘔吐をともなう激しい頭痛と目の症状がある場合は、ためらわずに119番に連絡してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 40歳を過ぎたら、症状がなくても1〜2年に1回は眼科で検査を受けましょう。
- 遠視や家族歴などリスクがある人は、眼科医に相談して定期的な検査の間隔を決めてください。
診断
眼科医による診察と、いくつかの検査を組み合わせて診断します。急に症状が出た場合は、その場で眼圧を測り、隅角がふさがっているかどうかを顕微鏡で確認します。
行われる可能性のある検査
- 眼圧検査(目の圧力を測る)
- 隅角鏡検査(専用のレンズで目の隅角を直接観察する)
- 前眼部OCT(光を使って目の断面を調べる検査)
- 視野検査(見える範囲を確認する)
- 眼底検査(視神経の状態を調べる)
診察で予想されること
診察と検査は通常30分から1時間程度です。急性の場合は、すぐに眼圧を下げる治療が始まります。急性期を過ぎてから、詳しい検査と治療方針の説明を受けます。
治療
閉塞隅角緑内障の治療の目的は、まず眼圧を安全な範囲に下げ、視神経をこれ以上傷めないようにすることです。急性期には、緊急で眼圧を下げる処置が行われます。
自宅でのセルフケア
- 処方された点眼薬や内服薬を、指示されたとおりに使ってください。
- 症状があっても、目をこすったり強く押したりしないでください。
- 暗い場所を避け、明るい環境で過ごしましょう。
医療治療
医療機関では、眼圧を下げるための点眼薬や内服薬、点滴などでまず眼圧を下げます。その後、レーザーで虹彩に小さな穴を開けて隅角を広げる「レーザー虹彩切開術」という治療が行われることがあります。さらに必要に応じて、眼科の専門医が手術(濾過手術など)を検討します。治療法は一人ひとりの目の状態や重症度によって異なります。
手術が検討される場合
レーザー治療や薬で眼圧が十分に下がらない場合、または隅角が閉じるリスクが高いと判断された場合に手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
治療後も、眼科での定期的なフォローアップが欠かせません。眼圧や視野の状態を継続的にチェックし、変化があれば早めに対応することで、視力の維持が期待できます。
生活習慣のアドバイス
- 目に強い力をかけないように注意しましょう。
- うつ伏せで寝ることを避け、頭を少し高くして休むと眼圧が上がりにくいことがあります。
- カフェインのとり過ぎは眼圧に影響することがあるため、ほどほどにしましょう。
- タバコは眼圧を上げる可能性があるため、禁煙を検討しましょう。
食事と運動
特にこれといった特別な食事はありませんが、バランスのよい食事と十分な水分補給を心がけましょう。激しい運動や逆立ちなどは眼圧を上げることがありますが、ウォーキングなどの軽い運動は血行を良くし、健康に役立ちます。
精神的健康と心の健康
視力が変わることへの不安や、治療への心配は自然な気持ちです。焦らずに、医師や家族に相談しながら治療を続けることが大切です。
予防
完全に予防することは難しいですが、定期的な眼科検診でリスクを早期に知り、もしもの時に備えることができます。特にリスクのある人は、眼科医に相談して検診の間隔や方法を決めておくと安心です。
ワクチン
この病気に直接関係するワクチンはありません。
検診プログラム
40歳を超えたら、目の症状がなくても定期的に眼科で検診を受けましょう。眼圧検査や隅角のチェックは簡単で、発症前のリスクを発見するのに役立ちます。
合併症
治療しない場合
- 視神経が傷み続け、視野が徐々に欠けていきます。
- 特に急性の場合は、数時間のうちに強い視力障害を起こすことがあります。
- 見える範囲が狭くなり、日常生活での転倒や事故の危険が高まります。
- 最終的には失明に至ることもありますが、適切な治療で防げる可能性があります。
長期的な見通し
閉塞隅角緑内障は、早く見つけて治療すれば、視力を保てることがほとんどです。急性発作でも、すぐに救急対応を受ければ視神経へのダメージを抑えられます。治療を続けながら、眼科医と一緒に目の健康を守っていきましょう。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月2日
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