新型コロナ後遺症(ロングコビッド)についてのQ&A
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
新型コロナウイルス感染症にかかった後、数週間から数か月以上続く症状をまとめて「新型コロナ後遺症」と言います。正式には「SARS-CoV-2感染後症状」とも呼ばれます。多くの人では時間とともに良くなりますが、日常生活に影響が出ることもあります。
重要な事実
- 感染した人の一部に、疲れやすさや息切れなどが長く続くことがあります。
- 症状は時間とともに変化したり、よくなったり悪くなったりすることがあります。
- ワクチン接種や基本的な感染対策が後遺症のリスクを下げる可能性があります。
どれくらい多いかは調査によって異なりますが、感染者の数%から10%前後に症状が続くと言われています。症状の定義や調べる時期によって差があります。
大人から子どもまで誰にでも起こり得ます。女性や、糖尿病・高血圧などの基礎疾患のある方にやや多く見られるという報告もありますが、健康だった人にも起こります。
症状
- 胸の強い痛みや圧迫感がある
- 安静にしていても激しい息切れが続く
- 唇や顔色が青ざめる
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- 突然、片方の手足に力が入らない、ろれつが回らない
- ⚠高熱が続く
- ⚠息切れや動悸がひどくなっている
- ⚠めまいや立ちくらみが頻回で倒れそうになる
- ⚠強い頭痛や吐き気が続く
- ⚠気分の落ち込みが強く、自分を傷つけたい気持ちがある
一般的な症状
- 強い疲労感(疲れやすさ)
- 息切れ、呼吸のしにくさ
- 集中力や記憶力の低下(いわゆる「ブレイン・フォグ」)
- 味覚や嗅覚の異常
- 関節や筋肉の痛み
- めまいや立ちくらみ
- 眠れない、眠りが浅い
- 動悸(心臓がドキドキする)
- 気分の落ち込みや不安
原因
主な原因
- ウイルス自体が体内に残っている可能性(ウイルスの断片が残るという説)
- 免疫システムが過剰に反応したり、混乱したりすること
- 炎症が続くことによる体への影響
- 感染時の重症度や、安静が十分にとれなかったこと
リスク要因
- 女性であること
- 感染したときに症状が重かったこと
- 糖尿病、高血圧、喘息など基礎疾患があること
- 喫煙していること
- ワクチン接種を受けていないこと
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 息苦しさが、日常生活が難しくなるほど強い
- 胸の痛みや動悸が繰り返し起こる
- 意識がぼんやりする、けいれんがある
- 自分を傷つける考えが浮かぶ場合は、ためらわず救急(119番)を呼ぶか相談する
定期受診を予約すべき場合:
- 症状が数週間以上続いている
- 症状によって仕事や学校に支障が出ている
- 症状が悪化したり、新しい症状が出たりしている
- つらさを一人で抱え込んでいると感じる
診断
長引く症状の原因を、他の病気で説明できないか問診や検査で確認し、「新型コロナ後遺症」と診断されます。特定の検査はなく、症状の経過と、ほかの病気を除外することが大切です。かかりつけ医や内科・総合診療科の受診から始めましょう。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(貧血や炎症の有無、甲状腺や腎臓のチェック)
- 胸部X線やCT(肺の状態を確認するため。必要な場合に)
- 心電図や心臓の超音波検査(動悸がある場合)
- 認知機能や心理状態を評価する質問票
診察で予想されること
診察では、症状の経過や日常生活への影響を詳しく聞かれます。検査でほかの病気がないことを確認した上で、症状に合わせた対処法を提案されます。
治療
現時点で「これを飲めば治る」という特効薬はありません。症状ごとの対処と、無理のない活動(ペーシング)による生活調整が中心になります。多くの人は徐々に回復していきます。
自宅でのセルフケア
- 自分のペースを守り、疲れすぎないように活動する(ペーシング)
- 疲れをためないために、短い昼寝や休憩を取り入れる
- 睡眠のリズムを整える(同じ時間に起きる、寝る前のスマホを控えるなど)
- ストレスを減らすためのリラックス法を見つける
- 飲酒や喫煙を控える
医療治療
医療機関では、症状に応じて、痰を切りやすくする薬や吐き気を抑える薬などが処方されることがありますが、どの薬も医師の判断によるものです。また、呼吸リハビリテーション、運動療法、認知行動療法、カウンセリングなどの薬を使わない治療も重要です。薬の種類や内容について詳しくは、医師または薬剤師にご相談ください。
手術が検討される場合
新型コロナ後遺症自体に手術が必要になることは原則ありません。ただし、心臓や肺などの合併症が見つかった場合は、その病気に対して治療が行われることはあります。
この病気と共に生きる
症状が強い日は休み、調子の良い日は少しだけ活動する、というように1週間のリズムを作りましょう。症状の記録をつけると、自分の体の傾向がわかりやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 無理のない範囲で少しずつ体を動かす(軽いウォーキングなどから)
- 睡眠時間を確保し、起床時間を一定に保つ
- 社会とのつながりを保つ(電話やオンラインでもよい)
- カフェインを夜遅くにとらない、寝る前にリラックスする時間を作る
食事と運動
栄養のバランスが取れた食事を、できる範囲で1日3食とりましょう。運動は、息切れが強くなりすぎない程度の軽い活動から始め、医師や理学療法士と相談しながら強度を上げるのがおすすめです。
精神的健康と心の健康
長く続く症状は、不安や気分の落ち込み、孤独感を引き起こすことがあります。これは決して「気のせい」ではなく、病気の一部として現れることがあります。もしつらさが強い場合は、遠慮なく医師に話してください。
予防
新型コロナウイルスに感染しないこと、また感染しても重症化させないことが、後遺症の予防につながります。後遺症を完全に防ぐ方法はまだ研究中ですが、ワクチン接種やマスク・手洗いなどの感染対策がリスクを下げる可能性があります。
ワクチン
新型コロナワクチン接種は、後遺症のリスクを減らす可能性があるという報告があります。厚生労働省の情報を確認し、接種を検討しましょう。
検診プログラム
特に、後遺症を早期に見つけるための集団検診は一般的ではありません。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 適切な対処がないまま無理を続けると、疲労や息切れが悪化しやすくなる
- 体力や筋力の低下、寝たきりに近い状態になることもある
- 仕事や学業の離脱、人間関係の変化につながることがある
- うつや不安などの心の健康問題を起こしやすくなる
長期的な見通し
多くの人は、発症から6か月から1年程度で改善します。一部の人は症状がさらに長引くこともありますが、治療や生活の工夫で良くなる可能性は十分にあります。焦らず、自分のペースで回復を目指しましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月14日
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