動脈の炎症とその再燃(フレアアップ)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
動脈とは、心臓から全身に血液を送る血管のことです。動脈の壁に炎症が起こる病気があり、炎症が強く出て症状が現れる時期を「フレアアップ(再燃)」と呼びます。炎症が落ち着いている時期と、症状が悪化する時期を繰り返すことが特徴です。
重要な事実
- 動脈炎は、血管の壁に炎症が起こる病気の総称です。
- フレアアップは、症状が落ち着いている寛解期と、悪化する再燃期を繰り返すことがあります。
- 早期に診断して治療を続けることで、多くの場合、症状をうまくコントロールできます。
動脈の炎症そのものはまれな病気ですが、高齢者に多い側頭動脈炎などは、一定の年齢層では珍しくありません。全体としては女性にやや多くみられます。
高齢の女性に多いタイプのほか、若い女性に多いタイプもあります。男性や子どもでも発症することがあり、どの年代でも可能性があります。
症状
- 突然の視力低下や失明
- 胸の痛みや圧迫感
- 突然の片側の手足のまひ、言葉が出ない(脳卒中の可能性)
- 意識を失う
- これまでにない激しい頭痛
- ⚠こめかみの強い痛みや圧迫感
- ⚠視力に異変を感じる(ぼやける、二重に見えるなど)
- ⚠原因不明の高熱が続く
- ⚠腕や足の脈が弱い、または触れない
一般的な症状
- 頭の片側がズキズキと痛む
- 食事のときなどにあごが痛む・疲れる
- 原因不明の発熱や、全身のだるさ
- 肩や腰、関節のこわばりと痛み
- 腕や脚の痛み、しびれ、冷え
- めまいやふらつき
子供の症状
- 高熱が続く
- まだらな発疹が出る
- 腹痛や関節痛
- 原因のはっきりしない元気のなさ
高齢者の症状
- 新しく始まった頭痛(特にこめかみの痛み)
- 視力の低下や物が二重に見える
- 噛むときのあごの痛み
- 体の痛みやこわばり
原因
主な原因
- 自己免疫の異常(免疫が自分自身の動脈を攻撃してしまう)
- 感染症(まれに細菌やウイルスの感染がきっかけになる)
- 原因がはっきりと特定できない場合もある
リスク要因
- 年齢(高齢者に多い側頭動脈炎)
- 女性であること
- 喫煙(血管に負担をかける)
- 動脈硬化や高血圧などの血管の病気
- 家族歴(血管の炎症を起こしやすい体質)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 頭痛が強く、こめかみが張って痛い
- 物が二重に見える、視力が急に落ちた
- 発熱とともに体の痛みが強い
- 動悸や息切れが続く
定期受診を予約すべき場合:
- 原因不明の微熱やだるさが数週間続く
- 食事のときにあごが痛む
- 左右の腕で血圧や脈に差がある
- 筋肉や関節の痛みが続く
診断
医師が問診と身体診察を行い、血液検査や画像検査を組み合わせて総合的に判断します。動脈炎の種類によっては、専門的な検査が必要になることもあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(炎症の程度を調べる)
- 超音波(エコー)検査
- CTやMRIなどの画像検査
- 動脈造影(造影剤を使って血管の状態を調べる検査)
- 側頭動脈の生検(組織の一部を採取して顕微鏡で調べる)
診察で予想されること
診断には時間がかかることがあります。気になる症状を具体的に医師に伝えることが大切です。検査の内容や不安な点は、遠慮なく医師に質問してください。
治療
治療の主な目的は、血管の炎症を抑えて症状を早く和らげ、血管の障害や合併症を防ぐことです。循環器内科やリウマチ科の医師が中心となって治療を進めます。
自宅でのセルフケア
- 処方された薬を医師の指示どおりに服用し、自己判断でやめない
- 十分な休息をとり、体を冷やさない
- 熱や痛みがあるときは無理をしない
- 禁煙する(喫煙は血管に大きな負担をかけます)
医療治療
炎症を抑える薬が治療の中心になります。病気のタイプや症状に応じて、免疫の働きを調整する薬を組み合わせて使うこともあります。治療中は血液検査などで炎症の程度を定期的に確認しながら、医師が最も適切な方法を選びます。
手術が検討される場合
炎症による血管の狭まりや閉塞が強く、血流が保てない場合には、血管を広げる手術やバイパス手術が行われることがあります。ただし、多くの場合は薬による治療が中心になります。
この病気と共に生きる
動脈炎は、よくなったり悪くなったりを繰り返すことがあります。体調の変化を記録し、定期的に医師の診察を受けながら、無理のない生活を心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を続ける
- ストレスをためず、上手に発散する
- 十分な睡眠と休息を取る
- 体調がよいときは軽い運動を習慣にする(医師に相談して)
食事と運動
血管の健康のために、塩分を控え、野菜や果物、魚を中心にしたバランスのよい食事を心がけましょう。ウォーキングなどの軽い運動は血流を改善しますが、症状が強いときは無理をせず、医師の指示に従いましょう。
精神的健康と心の健康
慢性的な病気を抱えると、不安や気分の落ち込みを感じることがあります。無理に我慢せず、症状や気持ちの変化を医師や看護師に伝えることも大切です。必要に応じて、心理的なサポートを受けられることもあります。
予防
動脈炎自体を完全に予防することは難しいですが、禁煙や健康的な生活習慣を続けることで、血管に余計な負担をかけず、再燃のリスクを減らせる可能性があります。
合併症
治療しない場合
- 視力の低下や失明
- 脳卒中(脳の血管が障害される)
- 大動脈の瘤(血管の壁が膨らむ)や解離
- 心臓や腎臓などへの血流障害
長期的な見通し
早期に診断し、適切に治療を続ければ、動脈の炎症は多くの場合コントロール可能です。症状が落ち着いている時期には、普段どおりの生活に戻れることも少なくありません。長い経過を見通しながら、主治医と一緒に治療を続けていくことが大切です。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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