妊娠中の動脈と血圧の健康
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
妊娠すると、体の中で血液の量が増え、血管(動脈)への負担が変わります。このため、妊娠中に血圧が高くなったり、血管に問題が起きることがあります。これは「妊娠高血圧症候群」と呼ばれ、動脈や全身の血液の流れに影響を与える特別な時期です。
重要な事実
- 妊娠中は血圧が変化しやすい時期です。
- 高血圧は自覚症状があまりなくても、母子に影響することがあります。
- 定期的な妊婦健診で血圧と尿をチェックすることが大切です。
妊娠中の女性のうち、およそ10人に1人程度が高血圧を経験すると言われています。多くの場合は軽症で、経過観察となります。
妊娠中は誰でも起こる可能性があります。特に初めての妊娠、35歳以上での妊娠、持病がある方に多いとされていますが、どの妊娠でも注意を払うことが大切です。
症状
- 激しい頭痛
- 視界がぼやける、または見えにくい
- 強いみぞおちの痛み
- 息苦しさ
- けいれん発作
- 意識がもうろうとする
- ⚠1日で急に体重が増える(例:1週間で数キロ以上)
- ⚠むくみが急にひどくなる
- ⚠血圧が高めと言われたが、何となく調子が悪い
- ⚠胎動がいつもより少ない
一般的な症状
- 高血圧(健診で指摘されることが多い)
- むくみ(特に手や顔)
- 急な体重増加
- 目のかすみやチカチカする感じ
- みぞおちの痛み(強い場合)
子供の症状
- おなかの赤ちゃんに直接症状はありませんが、胎盤の血流が悪くなると、胎動(赤ちゃんの動き)がいつもより少なく感じることがあります。
- 胎動の変化に気づいたら、すぐに相談してください。
高齢者の症状
- この病気はお母さんの妊娠中の体に影響するものです。
- 年齢が高い出産(特に35歳以上)ではリスクが高まりますが、妊婦健診をしっかり受けることで多くの場合、安全に管理できます。
原因
主な原因
- 妊娠高血圧症候群の原因は完全には解明されていません。
- 妊娠中に胎盤から出る物質が母体の血管に変化をもたらし、動脈が収縮しやすくなることで血圧が上がると考えられています。
- 血管の内側が傷つきやすくなったり、免疫の変化も関係していると言われています。
リスク要因
- はじめての妊娠
- 前回の妊娠で高血圧になった
- 家族に高血圧の人がいる
- 多胎妊娠(双子など)
- 慢性の高血圧や腎臓病がある
- 妊娠前の肥満(体重が多め)
- 35歳以上での妊娠
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 緊急症状の項目に挙げたような症状が現れた場合は、待たずにすぐに救急車(119番)を呼ぶか、産科の緊急外来に連絡してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 妊婦健診を必ず受けてください。
- 血圧が高いと言われても、指示された診察日を待つのは避け、早めに受診しましょう。
診断
妊婦健診での血圧測定と尿検査(たんぱく尿の有無)を中心に診断を進めます。必要に応じて血液検査や超音波検査(エコー)を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 血圧測定:上の血圧が140mmHg以上、下が90mmHg以上の場合に高血圧とされます(ただし診断基準は医師が判断します)
- 尿検査:尿にたんぱく質が混じるかどうか
- 血液検査:肝臓や腎臓の働き、血小板の数などを確認
- 胎児の健康状態を調べる超音波検査や胎児心拍数モニタリング
診察で予想されること
医師や助産師から検査の目的や結果について丁寧に説明があります。心配なことがあれば、そのときに質問しましょう。
治療
治療の目標は、お母さんの命と健康を守りながら、赤ちゃんが少しでも大きく育つことです。軽症の場合は、日常生活の調整と定期的な診察で経過を見ます。症状が強い場合や赤ちゃんへの影響が心配な場合は、入院してお母さんと赤ちゃんの状態を管理することもあります。
自宅でのセルフケア
- 十分な休養と睡眠をとる
- 左側を下にして横になると、おなかの中の大動脈への圧迫が減り、血流がよくなることがあります
- 塩分を控えたバランスの良い食事を心がける
- ストレスをためないようにする
- むくみや頭痛など、自分の体の変化に気を配る
医療治療
医師の判断で、妊娠中でも使える薬を使って血圧を安全な範囲に保つことがあります。薬には種類や飲む量があり、お母さんの状態や赤ちゃんへの影響を考慮して、担当医が慎重に選びます。薬の名前や用量はここでは示しませんので、医師の説明を受けてください。また、入院中には点滴や安静管理を行うこともあります。
手術が検討される場合
重症の場合、お母さんの安全のため、または赤ちゃんがおなかの中で十分に成長する前に危険が迫っている場合、早めに赤ちゃんを取り出すために帝王切開による出産が検討されることがあります。これは最終手段ではなく、母子を守るための大切な治療の一つです。
この病気と共に生きる
妊娠中は無理をせず、自分と赤ちゃんのしるしに耳を澄ませましょう。毎日、決まった時間に自分の体調を確認する習慣を作ると安心です。血圧計を自宅で使う場合は、測定方法を医師や看護師に教えてもらいましょう。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休息
- 飲酒や喫煙はしない
- カフェイン(コーヒーや緑茶など)は飲みすぎない
- 重い荷物を持ったり、長時間の立ち仕事はなるべく避ける
- 温泉やサウナなど急に温まる場所は避ける
食事と運動
塩分を控えめにし、野菜や果物、良質なタンパク質を意識した食事をとりましょう。軽い運動(歩く、マタニティヨガなど)は血流をよくするのに役立つことがありますが、血圧が高い場合は医師に相談してから行ってください。
精神的健康と心の健康
妊娠中に血圧が高いとわかると、子どもに影響がないか心配になるのは自然なことです。不安で眠れない、気分が落ち込むなどがあれば、一人で悩まずに医師や助産師に話してください。必要に応じて、妊娠中のこころのケアを専門とする医療機関を紹介してもらうこともできます。
予防
妊娠高血圧症候群を完全に予防する方法はまだ確立されていません。しかし、定期的な健診で血圧や尿の変化を早く見つけ、早めに対応することで、重症化を防ぐことができます。妊娠前から健康的な生活を心がけておくことも大切です。
ワクチン
この病気の予防に直接関係するワクチンはありません。妊娠中のワクチン接種(インフルエンザなど)については、医師と相談のうえ検討します。
検診プログラム
妊婦健診では毎回、血圧測定と尿検査が行われます。これらの検査は妊娠高血圧症候群の早期発見を目的としたもので、とても重要です。指示された通りに健診を受けてください。
合併症
治療しない場合
- 子癇(けいれん発作)を起こすことがある
- 脳卒中など脳の血管が傷むことがある
- 胎盤の血流が悪くなり、赤ちゃんの発育が遅れる
- 早産になり、赤ちゃんが未熟な状態で生まれることがある
長期的な見通し
妊娠高血圧症候群は、多くの場合、出産後に血圧が改善します。妊娠中も医師の指導を守り、適切に管理すれば、お母さんも赤ちゃんも健康に過ごせる可能性が高いです。もし不安なことがあれば、いつでも医療者に相談してください。あなたの妊娠は、多くの専門家のサポートを受けられる安全なプロセスです。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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