乾燥性湿疹(皮脂欠乏性湿疹)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乾燥性湿疹は、皮膚のうるおいや油分が不足して、かゆみをともなう湿疹が出る病気です。乾燥で皮膚のバリアが弱くなると、刺激や細菌が入りやすくなり、炎症が起こります。特に寒く乾燥した季節に、お年寄りや乾燥肌の方に多く見られます。
重要な事実
- 乾燥性湿疹はうつりません。
- 毎日の保湿とお風呂の習慣を見直すことで、改善しやすくなります。
- 冬の乾燥時期に悪化しやすく、春になり湿度が上がるとよくなることもあります。
とてもよくある湿疹です。とくに冬の乾燥した時期に、皮膚科を受診する方のなかでも多い症状のひとつです。
高齢者やもともと乾燥肌の方に多く見られます。また、毎日何度も熱いお湯で体を洗う方や、寒冷で乾燥した環境で働く方にも起こりやすいです。
症状
- 皮膚の赤みが急に広がり、熱を持つ
- 患部から膿(うみ)や黄色い汁が出る
- 高熱(38度以上)や悪寒(ふるえ)が出る
- ⚠かゆみが非常に強く、眠れない・日常生活に支障がある
- ⚠ひび割れが深く、出血が止まらない
- ⚠市販の保湿剤や生活習慣の見直しを試しても、1週間ほどでよくならない
一般的な症状
- 皮膚がカサカサして、粉をふいたように白く見える
- ひどいかゆみ(特に夜間や入浴後に強くなりやすい)
- すね、太もも、腕、背中などに細かいひび割れ(磁器のような網目模様)が出る
- ひび割れの周りが赤くなったり、軽く腫れたりする
- ひどくなると皮膚がぱりぱりに割れて、ヒリヒリ痛む
子供の症状
- 子どもでも起こりますが、大人より軽いことが多いです。
- ほっぺたや腕・脚の外側がカサカサとかゆくなります。
- かき壊すと小さな水ぶくれや傷になることもあります。
高齢者の症状
- 年齢とともに皮脂や汗の量が減るため、症状が出やすく、長びく傾向があります。
- 特にすねや背中、腰など全身に広がりやすいです。
- 乾燥が進むと、深めのひび割れができて出血したり、痛みをともなったりすることもあります。
原因
主な原因
- 皮膚の水分や油分(皮脂)が不足して、バリア機能が低下すること
- 冬の冷たく乾燥した空気や、室内の空調による低湿度
- 熱いお湯や強い石けんの使いすぎで、必要な油分まで落としてしまうこと
- 加齢によって皮脂を作る力が弱くなること
リスク要因
- 高齢であること
- アトピー性皮膚炎や乾燥肌の体質
- 頻繁な入浴・過剰な洗浄(特にスクラブやナイロンタオル)
- 湿度が低い環境(冬の暖房のきいた室内など)
- 一部の薬(利尿薬など)の使用や、水分が不足しがちな体調
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 皮膚が腫れて熱を持ち、強い痛みがある
- 赤い線が皮膚の上に広がって見える(リンパ管炎の可能性)
- 発熱や倦怠感をともなう
定期受診を予約すべき場合:
- かゆみが強く、長く続く
- 保湿を続けても改善しない、または悪化する
- ひび割れが深くなって出血しやすい
- 睡眠や仕事に支障が出る
診断
皮膚科の医師が、皮膚の見た目や症状、日ごろの洗浄・保湿習慣を確認して診断します。特別な検査はほとんど必要ありません。
行われる可能性のある検査
- 視診(皮膚の状態を直接見る)
- 問診(かゆみの程度や、お風呂の入り方、石けんや保湿剤の使用状況など)
- 必要に応じて、かゆみの原因が他にないかを調べるための血液検査や、アレルギーのパッチテストが行われることもあります
診察で予想されること
診察では、まず「どんなときに症状が出るか」「どの部分がかゆいか」をゆっくり尋ねられます。診断後は、保湿の仕方や入浴方法のアドバイスとともに、症状に合わせた治療(外用薬など)が提案されます。不安なことは何でも質問してください。
治療
治療の中心は、皮膚の乾燥を防ぐ保湿と、お風呂・洗浄の習慣を見直すことです。症状が強い場合は、医師が炎症を抑える外用薬やかゆみを抑える薬を処方することがあります。
自宅でのセルフケア
- 入浴後すぐに、全身に保湿クリームやワセリン(市販品で可)を塗ります
- お湯はぬるめ(38〜40度)にして、長風呂を避けます
- ナイロンタオルや石けんの使いすぎをやめ、やさしく洗うことを心がけます
- 部屋の湿度を50〜60%に保つため、加湿器を使います
- 肌に直接触れる下着や衣類は、綿など刺激の少ない素材を選びます
医療治療
医師は、炎症やかゆみを抑えるための外用薬(ステロイド外用薬など)を処方することがあります。広い範囲の症状や強いかゆみには、かゆみを抑える内服薬(抗ヒスタミン薬など)が使われることもあります。ステロイド外用薬には強さのランクがあるため、医師の指示に従って正しい量・期間を守って使うことが大切です。
この病気と共に生きる
毎日の保湿が何より大切です。お風呂上がりの3分以内に塗ると、うるおいをキープしやすくなります。乾燥を感じたら、日中もこまめに塗り直しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 加湿器を使って部屋の湿度を保つ
- 空気の乾燥する風にあたらないようにする
- かき壊さないよう、爪を短く切り、かゆいときは冷たいタオルで冷やす
- 喫煙は皮膚の乾燥や血行不良の原因になるため、控える・やめる
食事と運動
特別な食事制限はありません。水分をしっかりとり、バランスのよい食事を心がけましょう。運動は血行をよくし、皮膚の健康にも役立ちますが、汗をかいた後はやさしく洗い流し、保湿を忘れずに。
精神的健康と心の健康
かゆみが続くと睡眠不足になったり、イライラしたり、見た目が気になってストレスを感じたりすることがあります。ストレスはかゆみを悪化させることもあるため、無理せずリラックスする時間を持ってください。
予防
乾燥性湿疹は、日ごろの保湿と生活習慣を整えることで予防・改善しやすくなります。特に冬場は、お風呂の温度と洗浄方法、加湿に気をつけましょう。
合併症
治療しない場合
- かきこわして皮膚が傷つき、細菌感染を起こすことがある
- 感染が広がると、蜂窩織炎(ほうかしきえん)という皮膚の深い炎症や、リンパ管炎を合併することがある
- かゆみが続くと、睡眠不足や体のだるさ、日常生活の質の低下につながる
長期的な見通し
きちんと保湿して治療すれば、多くの方は数週間で改善します。一度よくなっても、乾燥する季節や環境で再発することがありますが、毎日のケアを続けることで症状をうまくコントロールできます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年8月14日
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