成人の喘息(ぜんそく)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
喘息(ぜんそく)は、空気の通り道(気道)が炎症を起こして狭くなり、息苦しさやせきが繰り返し出る慢性の病気です。気道が過敏になり、ちょっとした刺激でも反応して発作が起きることがあります。正しく治療すれば、普通の生活を送れる病気です。
重要な事実
- 喘息は、気道の慢性的な炎症が原因で起こります。
- 治療は、発作を予防する薬と、発作を抑える薬の2本柱が基本です。
- タバコを避け、環境を整えることで、発作の回数を減らせます。
喘息は成人でもよくある病気です。日本では、成人の約2~3割がアレルギー性の病気を持つともいわれ、喘息はその中の一つです。
子どもに多いと思われがちですが、大人になってから初めて発症する人も少なくありません。特に、喫煙者やアレルギー体質の方に多く見られます。
症状
- 呼吸が止まりそうなほど苦しい
- 息をすることができず、話せない
- 唇や爪の色が青っぽく見える
- 意識がもうろうとしている
- 吸入薬を使っても症状が改善しない
- ⚠夜間や明け方に息苦しさで目が覚める
- ⚠いつもより多くの吸入薬が必要になっている
- ⚠せきや息苦しさが2週間以上続いている
- ⚠日常生活に支障が出るほど症状が強い
一般的な症状
- せきが続く(特に夜や早朝に出ることが多い)
- 呼吸するときにゼーゼー、ヒューヒューという音がする
- 胸が締め付けられるような感じがある
- 息を吐くのが苦しく、息切れする
子供の症状
- 夜になるとせき込む
- 運動をするとせきや息苦しさが出る
- 風邪を引いた後に症状が長引く
高齢者の症状
- 息苦しさを感じにくく、「息が切れる」「疲れやすい」といった症状が出やすい
- せきが長く続き、体力の低下を感じる
- 心臓の病気なども合併していることがあるため、注意が必要
原因
主な原因
- 気道に慢性的な炎症がある
- アレルギー(ダニ、ほこり、花粉、動物の毛など)がきっかけになる
- 風邪やインフルエンザなどのウイルス感染が引き金になる
- 運動、冷たい空気、タバコの煙、ストレスなどで発作が誘発される
リスク要因
- 喫煙(本人の喫煙や受動喫煙)
- 家族に喘息・アレルギー疾患の人がいる
- 職場で化学物質や粉じんを吸う環境
- 赤ちゃんの頃に重症の呼吸器感染症をした
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 症状が強く出て、市販薬や処方薬を使っても改善しない
- せきや息苦しさが長く続き、日常の活動に支障が出ている
- 発作の回数が増えている
定期受診を予約すべき場合:
- 喘息と診断された人は、症状が落ち着いていても定期的に受診する
- 吸入薬の使い方や治療計画を確認してもらう
診断
喘息の診断は、医師があなたの症状の話を詳しく聞き、呼吸の音を聴診器で聴くことから始まります。また、息の強さや気道の反応を調べる検査を行って、確定していきます。日本では、厚生労働省の指針に基づいて標準的な診断と治療が行われています。
行われる可能性のある検査
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー):大きく息を吸って、勢いよく吐き出してもらう検査です
- ピークフロー測定:自宅でできる息の強さの測定道具を使い、日々の変化を記録します
- 血液検査:アレルギーの原因を調べます
- 気道の炎症を調べる呼気検査
診察で予想されること
診断後、医師から治療方針や薬の使い方について説明があります。発作の準備についても一緒に確認します。症状は経過とともに変化するため、定期的に治療内容を見直すことが大切です。
治療
喘息の治療の目標は、発作を起こさずに、症状のない状態で日常生活を送ることです。治療の中心は吸入薬です。発作を予防する吸入薬と、おさまらないときに使う吸入薬の2種類を使い分けます。処方された薬を継続して正しく使うことが、喘息コントロールの基本です。
自宅でのセルフケア
- 医師から処方された薬を、自己判断でやめない
- ピークフローを毎日測定して記録する
- 発作のきっかけとなるアレルゲン(ダニ、ほこり、花粉など)やタバコの煙を避ける
- 部屋をこまめに掃除し、換気をする
- 体調の変化や症状をメモしておく
医療治療
治療薬は、気管支を広げて息苦しさを和らげる吸入薬と、気道の炎症を抑えて発作を予防する吸入薬に大別されます。症状や重症度に合わせて、医師が使用方法を指導します。症状が長く安定している場合は、薬の減量を相談することができます。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
喘息そのものを手術で治すことはありません。ただし、重症の場合に気管支の特殊な治療を検討することがあります。詳しくは専門医にご相談ください。
この病気と共に生きる
喘息と付き合うには、自分の状態をよく知ることが大切です。発作が出やすい時間帯やきっかけを把握し、早めに行動できるようにしましょう。かかりつけ医を見つけ、継続して相談できる関係をつくることも、安心につながります。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を心がける(周囲の受動喫煙も避ける)
- 掃除をまめにし、室内のほこりやダニを減らす
- 寒い日はマスクやマフラーで冷たい空気を避ける
- ストレスをためない工夫をする
- 睡眠を十分にとり、体調を整える
食事と運動
バランスのよい食事は、免疫の働きを支えます。運動は、呼吸機能の維持に役立ちます。ただし、運動が発作のきっかけになる人もいるため、準備運動をして、無理のない範囲で行いましょう。運動について不安がある場合は、医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
息苦しさや発作への不安は、気分を落ち込ませることがあります。特に夜間の発作は恐怖を感じることもあります。不安やつらさを抱え込まず、かかりつけ医や心の健康の専門家に相談してください。つらい気持ちが強くなったときも、一人で抱えずに助けを求めましょう。周りの人の理解とサポートも回復の助けになります。
予防
喘息そのものを完全に予防することはできませんが、発作を予防し、悪化を防ぐことはできます。特に禁煙は最も効果的な対策の一つです。また、風邪やインフルエンザにかからないようにすることも重要です。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌の感染症は喘息を悪化させることがあるため、予防接種を検討しましょう。かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
特別な検診はありませんが、健康診断や人間ドックの問診、呼吸機能検査で気づくことがあります。症状がある場合は、我慢せずに医療機関を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 発作を繰り返し、呼吸機能が徐々に低下する
- 日常生活や仕事、睡眠に支障をきたす
- 重症発作で入院が必要になることがある
- 不安が強くなり、心の健康に影響が出ることがある
長期的な見通し
きちんと治療を続ければ、喘息のない人と同じように生活できる人がほとんどです。新しい治療薬や管理方法も進歩しています。希望をもって、医師と一緒に自分に合った管理を続けていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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