喘息発作の応急処置
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ぜんそく発作(喘息発作)は、気道が急に狭くなって、息がしづらくなる状態です。空気の通り道である気道に炎症があって敏感になっているところへ、さまざまな引き金が加わると、息を吐くときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がしたり、せきや息苦しさが強くなります。
重要な事実
- 発作が起きたときは、まず「楽な姿勢」と「ゆっくり呼吸」を心がけます。
- 処方された発作を和らげる吸入薬があれば、医師の指示どおりに使います。
- 重い発作では、ためらわずに119番へ救急車を呼びます。
喘息は日本でも多くの人がかかる、よくある呼吸器の病気です。発作は突然起こることがあり、強い症状が出る場合もあります。
子どもから大人まで、どの年齢でも起こる可能性があります。特に、小学生くらいまでの子どもと、60歳以上の高齢者では、重症化しやすいことがあるため注意が必要です。
症状
- 話すことも息をすることもつらく、ほとんど話せない
- 唇や爪が青紫色になっている
- 意識がもうろうとしている、または呼びかけに反応しにくい
- 呼吸が止まっている、または止まりそうになっている
- 処方された発作用の吸入薬を使っても症状が改善しない
- ⚠発作が続き、通常の活動や睡眠ができない
- ⚠数時間以上、症状がよくならない
- ⚠救急外来を受診する目安の症状。かかりつけ医に相談し、すぐに受診する。
一般的な症状
- 息を吐くときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がする(喘鳴)
- せきが出る、またはせきがなかなか止まらない
- 息苦しい感じがする
- 胸が締め付けられるような感じがする
- 呼吸が速くなる
子供の症状
- ゼーゼーという呼吸音や、せきが続く
- 息を吸うときに、肋骨の下や鎖骨の上がくぼむ
- のどぼとけの下が大きくへこむ
- 顔色が悪い、唇が青っぽい
- 遊びたがらない、元気がない、ぐずることが多い
高齢者の症状
- ゼーゼーいう音が聞こえないのに苦しそう(呼吸音が弱くなることがある)
- ぼんやりしたり、会話がまとまらない
- 疲れやすく、動作がゆっくりになる
- せきや息切れが長く続く
- 食欲が落ちる
原因
主な原因
- 気道の慢性の炎症に加えて、ウイルスやアレルゲンなどの引き金が加わる
- 運動、寒い空気、たばこの煙、ストレス、気圧の変化などが発作のきっかけになる
- 風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症
リスク要因
- アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を合併している
- 両親や兄弟姉妹に喘息やアレルギー疾患がいる
- たばこの煙(喫煙・受動喫煙)を吸う環境にある
- 過去に重い発作を起こしたことがある
- 定期的な治療を受けず、自己判断で薬を中断している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発作が続く、または悪化している
- 夜間にせきや息苦しさで目が覚める
- 発作の回数が増え、持っている吸入薬の使用が増えている
定期受診を予約すべき場合:
- 喘息の治療を受けている場合は、症状が落ち着いていても定期的に医師の診察を受ける
- 発作の後は、治療計画を見直してもらう
- 季節の変わり目や旅行の前など、体調が変わりそうなときに受診する
診断
医師は、今の症状や経過を聞き、胸の音を聴いて、必要に応じて呼吸機能の検査を行い、喘息かどうかを総合的に判断します。
行われる可能性のある検査
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー): 大きく息を吸って吐く力や、1秒間に吐き出せる空気の量を測ります。
- ピークフロー測定: 家庭でできる簡易的な呼吸機能のチェック。毎日測ることで、発作のサインがわかります。
- アレルギー検査: 血液検査で原因となるアレルゲンを調べます。
- 呼気中一酸化窒素(FeNO)検査: 息に含まれる気道の炎症の程度を表す物質を測ります。
診察で予想されること
診断後、医師や看護師が吸入薬の正しい使い方や、発作を予防するための生活の工夫を説明します。また、症状に合わせて「ぜんそくアクションプラン」を作ることもあります。
治療
喘息の治療は、発作を予防する長期管理と、発作が起きたときの緊急対応の大きく2つに分かれます。薬は、吸入薬や一部の内服薬などが使われますが、必ず医師や薬剤師の説明を聞き、指示どおりに使いましょう。
自宅でのセルフケア
- 発作のサイン(せき、息苦しさ、ぜいぜいする音)を早めに気づく
- 処方された発作用の吸入薬を常に携帯する(未使用のものと期限の確認も)
- 発作が起きたら、落ち着いて楽な姿勢をとる(前かがみになり、両手を椅子や机に付くなど)
- ゆっくりと口をすぼめて息を吐き、呼吸を整える
- 周囲の人に伝え、具合が良くならない場合は119番を呼ぶ
医療治療
医療機関での治療には、気道の炎症を鎮めるための長期的に使う吸入薬(長期管理薬)と、発作が起きたときに吸入して気道を広げる薬(発作治療薬)があります。発作の程度によっては、酸素を吸ったり、入院して点滴などが必要になることもあります。薬の具体的な名前や使い方は、担当の医師や薬剤師があなたの症状に合わせて決めます。
手術が検討される場合
喘息自体に対して手術が行われることはほとんどありません。発作を予防する治療が基本で、手術が勧められる場合は非常にまれです。
この病気と共に生きる
日頃から自分の症状の傾向を理解し、毎日ピークフローを測るなどして、発作の前触れを見逃さないことが大切です。かかりつけ医と治療計画を共有し、薬を忘れずに使いましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙し、たばこの煙を避ける(家族や周囲の人にも禁煙への協力をお願いする)
- 部屋のほこりやカビ、ペットの毛など、アレルゲンを減らす
- ハウスダストを避けるために、掃除や換気をこまめに行う
- 寒暖差が激しいときはマスクや服装で調整する
- 十分な睡眠と休養を取り、無理をしない
食事と運動
喘息の症状に特効のある食事はありませんが、バランスのよい食事と十分な水分補給が大切です。運動は、医師に相談して適切な準備運動を行い、発作を誘発しにくい運動を選ぶとよいでしょう。運動中に症状が出たときの対応も、あらかじめ決めておきます。
精神的健康と心の健康
発作への不安や、喘息の管理にストレスを感じることは自然なことです。ストレスがたまると発作の引き金になることもあります。つらい気持ちは一人で抱え込まず、かかりつけ医や家族、友人に相談しましょう。
予防
発作を完全に防ぐことは難しい場合もありますが、予防薬(長期管理薬)を正しく使うこと、発作の引き金を避けること、発作のサインに早く気づくことで、多くの発作は予防できます。
ワクチン
風邪やインフルエンザは発作の引き金になるため、インフルエンザの予防接種など、定日内の感染症予防が勧められることがあります。接種について不安がある人は医師に相談してください。
検診プログラム
喘息的の可能性がある人では、早期に診断して治療を始めることが大切です。持続するせきや息苦しさがある場合は、早めに医療機関を受診してください。
合併症
治療しない場合
- 発作を繰り返し、気道の炎症が治まりにくくなる
- 重症発作では、呼吸不全になることがある
- 酸素が体に十分に行き渡らず、意識障害など危険な状態になることがある
長期的な見通し
適切な治療と自己管理により、患者さんの多くは通常の生活を続けることができます。発作を起こしても、落ち着いて対応し、早めに医療機関を受診すれば、回復は十分に可能です。あきらめずに、かかりつけ医と一緒に自分に合った管理方法を見つけていきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年8月1日
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