高齢者の喘息(ぜんそく)について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
喘息は、空気の通り道(気道)が敏感になり、炎症を起こして狭くなる病気です。その結果、せきや息苦しさ、ゼーゼーという呼吸音などが起こります。高齢者の場合、症状が典型的でないこともあり、注意が必要です。
重要な事実
- 喘息は気道の炎症が原因で起こる病気です
- 高齢者では典型的な症状が出にくいことがあります
- 適切な治療と生活管理で、多くの症状をコントロールできます
日本では喘息は決して珍しい病気ではありません。高齢者でも、若い頃からの喘息が続く場合や、高齢になってから初めて発症する場合があります。
65歳以上の高齢者に多く見られます。特に喫煙歴がある方や、他の呼吸器疾患・心臓病をお持ちの方に起こりやすい傾向があります。
症状
- 息をすることができないほど苦しい
- 話すことも難しいほど呼吸が速い・苦しい
- 唇や爪の色が青白い、または紫色
- 意識がもうろうとしている
- ⚠吸入薬を使っても症状がよくならない
- ⚠横になれないほどの息苦しさ
- ⚠せきに加えて高熱や激しい胸の痛みがある
一般的な症状
- せきが続く(特に夜間や早朝)
- 息切れや呼吸困難
- 胸のゼーゼー・ヒューヒューという音
- 胸の締め付け感
子供の症状
- 夜にせき込む
- 運動をするとせきや息苦しさが出る
- 風邪をひいたときにぜんそくのような症状が起こる
高齢者の症状
- せきだけが長引く
- 疲れやすい、食欲がないなど、呼吸以外の症状も見られる
- 息苦しさをあまり感じず、だるさや動きにくさとして現れることもある
原因
主な原因
- ダニやほこり、花粉などのアレルゲン
- タバコの煙や大気汚染
- 風邪やインフルエンザなどの感染症
- 冷たい空気や急な温度変化
- ストレスや過度の運動
リスク要因
- 加齢による呼吸機能の低下
- 長年の喫煙歴
- 逆流性食道炎
- 心臓病やCOPDなど他の呼吸器・循環器の病気
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- ふつうの動作で息切れがひどい
- 夜間にせきや息苦しさで目が覚める
- 市販の風邪薬や市販のぜんそく薬を使っても症状が改善しない
定期受診を予約すべき場合:
- せきや息切れが2週間以上続く
- 階段を上るだけで息切れする
- のどや胸の違和感が続く
診断
医師が問診と聴診を行い、必要に応じて呼吸機能検査やアレルギー検査などを実施します。高齢者では心臓や他の肺の病気との区別が重要です。
行われる可能性のある検査
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー)
- 気道の炎症を調べる検査(呼気一酸化窒素検査など)
- アレルギー血液検査
- 胸部X線検査
診察で予想されること
診察では、症状の経過や生活環境、喫煙歴、持病の有無などを詳しく尋ねられます。検査は体に負担の少ないものが多く、結果をもとに治療方針が決まります。
治療
治療の目標は、症状をなくして普段の生活を快適に送ることです。薬物療法に加えて、日常生活での工夫も大切です。
自宅でのセルフケア
- 禁煙をし、家族や同居者の喫煙も避ける
- ダニやほこりを減らすため、掃除や換気をこまめに行う
- 寒い日はマスクや衣服で冷たい空気を避ける
- 痰を出しやすくするために、十分に水分を取る
医療治療
医師は、気管支を広げる薬(短時間作用性気管支拡張薬)と、炎症を抑える薬(吸入ステロイド薬など)を組み合わせて治療します。症状や重症度に合わせて薬の種類や吸入方法が選ばれ、高齢者には吸入の仕方を丁寧に指導しながら進めます。
手術が検討される場合
喘息自体に手術を行うことはほとんどありません。ただし、重症で薬の効果が十分でない場合には、生活の質を改善するための専門的な治療(気管支熱形成術など)が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
毎日決まった時間に薬を使い、呼吸の状態やせきの回数を記録すると、変化に早く気づくことができます。体調がよいときも自己判断で薬をやめず、医師の指示に従いましょう。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活と十分な睡眠
- ストレスをためない工夫
- 無理のない範囲で体を動かす
- インフルエンザや肺炎球菌などの予防接種を受ける
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、食べ過ぎには注意しましょう。運動は医師と相談しながら、ウォーキングなどの軽い有酸素運動から始めると安全です。
精神的健康と心の健康
息苦しさが続くと、不安や気分の落ち込みを感じやすくなります。つらい気持ちを一人で抱え込まず、家族や医師に相談してください。不安が強い場合には、心のケアの専門家につなぐこともできます。
予防
喘息そのものを完全に予防する方法はありませんが、発作を防ぐことはできます。誘因(引き金)となる環境や習慣を避け、薬を正しく使うことが予防につながります。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌などの予防接種は、感染症をきっかけとする喘息の悪化を防ぐために勧められています。接種についてはかかりつけ医に相談しましょう。
検診プログラム
健康診断で呼吸機能の検査が行われることがあります。せきや息切れなどの症状がある場合は、受診時に医師へ伝えましょう。
合併症
治療しない場合
- 発作を繰り返すと気道の壁が厚くなり、元に戻りにくくなることがあります
- 肺炎や呼吸不全を起こすことがあります
- 活動量が減ることで筋力低下や要介護状態につながることがあります
長期的な見通し
適切な治療と生活管理により、多くの高齢者が安心して日常生活を送っています。喘息は「付き合い方」を学ぶことが大切な病気です。医師と相談しながら、自分に合った管理方法を見つけていきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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