Atrial flutter
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
心房粗動(しんぼうそどう)は、心臓の上の部屋(心房)が速く規則正しく動く不整脈の一種です。正常なリズムでは心房は1分間に60~100回拍動しますが、心房粗動では150~350回に達することもあります。速い拍動は心臓のポンプ機能を弱め、脳や体に十分な血液を送れなくなることがあります。
重要な事実
- 心房粗動は心房細動(AFib)とは異なる不整脈ですが、似た症状やリスクがあります。
- 治療すればコントロール可能で、多くの人が普通の生活を送れます。
- 脳卒中(脳の血管が詰まること)のリスクを高めるため、血液をサラサラにする治療が必要な場合があります。
心房細動ほど一般的ではありませんが、高齢者や心臓病のある人では珍しくありません。
主に65歳以上の人、高血圧や心臓病、糖尿病、肺疾患のある人に多く見られます。まれに若い人や子どもにも起こります。
症状
- 胸の痛みや圧迫感
- 意識を失った(失神)
- 激しい息切れで横になれない
- 脈が速すぎて止まらない(1分間に150回以上)
- ⚠動悸が数時間続く
- ⚠安静にしても息苦しい
- ⚠めまいやふらつきがひどい
一般的な症状
- 動悸(心臓がドキドキする、飛ぶ感じがする)
- 息切れ(軽い運動でも息が上がる)
- 疲れやすい、だるい
- めまい、立ちくらみ
子供の症状
- 動悸や胸の違和感を訴えることがありますが、無症状のことも多いです。
高齢者の症状
- 疲れやすさや息切れが目立つ
- ふらつきや転倒の原因になる
- 症状がはっきりしない場合もあり、健康診断で偶然見つかることが多い
原因
主な原因
- 心臓の病気(冠動脈疾患、心臓弁膜症、心筋症など)
- 高血圧が長期間続く
- 肺の病気(慢性閉塞性肺疾患など)
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
- アルコールやカフェインの過剰摂取
リスク要因
- 年齢(65歳以上)
- 睡眠時無呼吸症候群
- 心臓手術の既往
- ストレスや過労
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 動悸に加えて胸の痛みや呼吸困難がある
- 失神した、または意識がもうろうとする
- 脈が速すぎて1時間以上続く
定期受診を予約すべき場合:
- 動悸があるが他の症状がない
- 疲れやすさや息切れが気になる
- 健康診断で脈の異常を指摘された
診断
医師が症状の確認と身体診察を行い、心電図(心臓の電気活動をグラフに記録する検査)を取ることで診断が確定します。
行われる可能性のある検査
- 心電図(ECG)
- 24時間ホルター心電図(携帯型の心電計で1日分の心拍を記録)
- 心臓超音波検査(心臓の形や動きを調べる)
- 血液検査(甲状腺機能や電解質をチェック)
診察で予想されること
医師はまず問診で症状や生活習慣を聞き、聴診で心音や脈を確認します。通常は数分の心電図で異常リズムがわかります。発作が短い場合は、長時間記録するホルター心電図を数日間装着する場合があります。
治療
治療の目的は、心拍数を正常に戻す、正常なリズムに回復させる、そして脳卒中を予防することです。方法は症状や持続時間、原因によって選びます。
自宅でのセルフケア
- アルコールやカフェインの摂取を控える
- 喫煙をやめる
- 十分な睡眠とストレス管理
- 血圧や血糖値を適正に保つ
医療治療
医師は心拍数を落ち着かせる薬(ベータ遮断薬など)や、リズムを正常にする薬を用いることがあります。また、血液をサラサラにする抗凝固薬で脳卒中リスクを下げます。まれに電気ショック(電気的除細動)でリズムを戻す治療を行うこともあります。薬の名前や用量は医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
薬でコントロールできない場合や、発作が頻繁な場合に、カテーテルアブレーション(心臓の異常な電気信号を焼く治療)が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
心房粗動があっても、治療を続ければ多くの人が日常生活を変えずに過ごせます。定期受診と服薬を忘れずに、体調の変化(動悸、息切れ)があったらすぐ医師に相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 医師の許可がある範囲で運動を続ける(ウォーキングなど)
- 急に激しい運動をしない
- 脈が速くなったら安静にする
- 体重を適正に保つ
食事と運動
心臓に良い食事(野菜、果物、全粒穀物、魚、脂肪の少ない肉)を心がけ、塩分を控えましょう。運動はウォーキングや軽いジョギングから始め、医師と相談して負荷を調整します。
精神的健康と心の健康
動悸や発作への不安、治療の継続にストレスを感じることがあります。そうした気持ちを医師や家族に話すことが大切です。必要なら心療内科やカウンセリングも利用しましょう。
予防
完全に予防することはできませんが、高血圧や心臓病などの原因を治療することでリスクを減らせます。健康的な生活習慣も重要です。
検診プログラム
定期健康診断で心電図を取ることが推奨されるのは、特に65歳以上や心臓病のリスクがある人です。自覚症状がなくても、一度検査を受けると良いでしょう。
合併症
治療しない場合
- 脳卒中(心房の中の血液が固まってできた血栓が脳に飛ぶ)
- 心不全(心臓のポンプ機能が低下する)
- 頻脈による心筋症(心臓の筋肉が弱くなる)
長期的な見通し
心房粗動は適切に治療すれば予後は良好です。多くの人は薬やカテーテル治療で症状が改善し、通常の生活に戻れます。しかし放置すると脳卒中や心不全のリスクが高まるため、早期の受診と治療継続が大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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最終更新: 2026年7月16日
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