心房中隔瘤(しんぼうちゅうかくりゅう)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
心房中隔瘤は、心臓の左右の部屋(心房)を隔てる壁(心房中隔)の一部が、風船のように膨らんだ状態です。多くは生まれつきの心臓の構造の特徴であり、それ自体がすぐに問題を起こすわけではありません。
重要な事実
- 心房中隔瘤は、心臓を隔てる壁の一部がたわんで膨らむ状態です。
- 多くの場合、無症状で、健康診断や心エコー検査で偶然見つかります。
- 脳梗塞(のうこうそく)のリスクを高めることがあるため、医師の継続的なチェックが大切です。
心房中隔瘤は、心エコー検査を受けた人のおよそ1~2%に見られるといわれ、決してまれな状態ではありません。
どの年齢でも見られますが、特に若い人や女性に多く見られる傾向があります。多くは先天的なものですが、後になって見つかることもあります。
症状
- 突然の激しい頭痛
- 言葉が話せない、相手の言葉が理解できない
- 体の片側が動かない、力が入らない
- 顔の片側が垂れ下がる
- 意識がもうろうとする、突然倒れる
- 胸の激しい痛み、強い息苦しさ
- ⚠動悸や息切れがひどくなった
- ⚠めまいやふらつきが続く
- ⚠失神した(気を失った)
- ⚠症状が急速に悪化している
一般的な症状
- 多くの場合は、症状がありません。
- 動悸(どうき)を感じることがあります。
- 運動したときに息切れがすることがあります。
- 疲れやすさを感じることがあります。
原因
主な原因
- はっきりとした原因はわかっていませんが、胎児の心臓が発達する過程で形作られると考えられています。
- 他の心臓の構造異常(心房中隔欠損、卵円孔開存など)を伴うことがあります。
- 結合組織の弱さが関与する場合があります。
リスク要因
- 家族に心臓の構造異常を持つ人がいる
- 結合組織が弱い病気(マルファン症候群など)がある
- これまでに原因不明の脳梗塞を起こしたことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 脳梗塞を疑う症状(片側のまひ、言葉の障害、激しい頭痛など)がある
- 胸の激しい痛みや呼吸困難がある
- 突然、失神した
定期受診を予約すべき場合:
- 動悸や息切れが気になる
- 健康診断で心雑音や心電図異常を指摘された
- 心房中隔瘤と診断されたが、どのように生活したらよいか相談したい
診断
心房中隔瘤は、主に心エコー検査(心臓の超音波検査)で診断されます。
行われる可能性のある検査
- 経胸壁心エコー(胸の上から超音波を当てて心臓の動きや構造を見る検査)
- 経食道心エコー(食道から超音波を当てるので、より詳しく観察できる検査)
- 心電図(心臓の電気的な動きを調べる検査)
- 必要に応じて、頭部MRIやCTで脳梗塞の有無を調べることがあります。
診察で予想されること
心エコー検査は痛みを伴わず、通常は30分ほどで終わります。経食道心エコーはのどに軽い違和感がありますが、鎮静剤を使って眠っている間に受けることができます。
治療
心房中隔瘤そのものに対する特別な治療はありません。重要なのは、一緒にある心臓の異常や脳梗塞のリスクを見つけて、必要に応じて予防的な治療を行うことです。
自宅でのセルフケア
- 血圧を健康な範囲に保つ
- 水分をしっかりとり、脱水を避ける
- 禁煙する
- 定期的に循環器科で検診を受ける
医療治療
脳梗塞の予防として、血液をさらさらにする薬(抗血小板薬など)が処方されることがあります。また、心房中隔欠損や大きな卵円孔開存を伴う場合には、カテーテル治療や手術で栓をすることもあります。使用する薬の種類や治療法は、あなたの年齢や状態、合併症に合わせて医師が決めます。
手術が検討される場合
心房中隔欠損が大きくて心臓に負担がかかる場合や、原因不明の脳梗塞を繰り返す場合、また血栓ができやすいと判断された場合などに、手術やカテーテル治療が検討されます。
この病気と共に生きる
多くの人は、普段の生活になんの制限もなく過ごせます。大切なのは、定期的に循環器科で経過を観察してもらうことです。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活を心がける
- 激しい運動は医師に相談してから行う
- ストレスをためすぎない
- 十分な睡眠をとる
食事と運動
心臓に負担をかけないバランスの良い食事(野菜、果物、魚を中心に、塩分や脂肪を控えめに)を心がけましょう。適度な運動(ウォーキングや軽いジョギングなど)は、心臓の健康を保つのに役立ちます。
精神的健康と心の健康
「心臓に瘤がある」と聞くと不安になるのは自然なことです。しかし、多くの人は無症状で、適切な管理で合併症を予防できます。不安や疑問は遠慮なく医師に話してください。
予防
心房中隔瘤自体を予防する方法はありません。しかし、脳梗塞や心不全などの合併症を予防することは可能です。
ワクチン
心臓の状態によっては、インフルエンザや肺炎球菌の予防接種が勧められることがあります。どの予防接種が適切かは、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
心臓の構造異常は、症状がなければなかなか見つかりません。健康診断で心雑音や心電図の異常を指摘されたら、循環器科で詳しい検査を受けることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 心房中隔瘤の部分に血栓ができ、それが脳に飛んで脳梗塞を起こすリスクがあります。
- 心房細動などの不整脈を合併することがあります。
- 心房中隔欠損を伴う場合、心不全を起こすリスクがあります。
長期的な見通し
心房中隔瘤は、多くの方に症状がなく、合併症をきちんと予防すれば、健やかに過ごすことができます。治療法も進歩しており、リスクを大幅に減らせます。希望を持って、医師と一緒にあなたに合った計画を立てていきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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