非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)
概要
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)は、体内の小さな血管で血の塊ができやすくなる、とてもまれな病気です。血の塊ができると、主に腎臓のろ過機能が傷つき、腎不全になることがあります。また、血液中の赤血球や血小板が減ることもあります。
重要な事実
- 補体という免疫の一部が過剰にはたらくことが原因と考えられています
- 遺伝子の変化が関係することがあり、家族に同じ病気の人がいる場合があります
- 早く診断して治療すれば、腎臓の機能を保てる可能性が高まります
非常にまれな病気です。医師でも出会うことが少ないため、診断に経験のある専門医への紹介が大切です。
子どもから大人までどの年齢でも発症する可能性があります。特に、感染症や妊娠、手術などがきっかけになることがありますが、きっかけがなくても発症することがあります。
症状
- 突然、尿が出なくなった
- けいれんや意識を失った
- 胸の痛みや息苦しさを感じる
- 片方の手足が動かしにくい、顔のゆがみがある(脳卒中の可能性)
- ⚠血尿が続く
- ⚠体に原因不明のあざがたくさんできる
- ⚠高熱が続く
- ⚠頭痛やめまいが強い
一般的な症状
- 疲れやすい、顔色が悪い(貧血)
- あざができやすい、出血しやすい(血小板減少)
- 尿の量が減る、むくみ(腎機能低下)
原因
主な原因
- 補体という免疫の働きを調整する仕組みに異常があり、血管を傷つけることがあります
- 遺伝子の変化によって病気になりやすくなることがあります
- 感染症や妊娠、手術などがきっかけで発症することがあります
リスク要因
- 家族にaHUSの人がいる
- 自己免疫疾患を抱えている
- 臓器移植を受けたことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 尿の量が急に減った、または血尿がある
- 原因不明の激しい頭痛やめまいがある
- 体にあざが急に増えた、出血が止まりにくい
定期受診を予約すべき場合:
- 疲れやすさやむくみが続く
- 尿の泡立ちが気になる
- 血圧が高いと言われたことがある
診断
血液検査や尿検査、腎臓のエコーなどを行い、ほかの病気(血栓性血小板減少性紫斑病など)と区別しながら診断します。専門医による詳しい検査が必要です。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(血小板数、赤血球、LDH、ハプトグロビン、腎機能)
- 尿検査(蛋白尿、血尿)
- 補体の働きや遺伝子の検査
- 腎臓のエコー(超音波)検査
診察で予想されること
診断のためには、入院しての検査が必要になることがあります。また、腎臓や血液の専門医がチームで診療にあたります。
治療
治療の中心は、血の塊ができるのを抑え、腎臓を傷めないようにすることです。早期に治療を始めることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 主治医の指示に従い、定期的に通院する
- 体調の変化(むくみ、尿の量、疲れ)を記録する
- 感染症にかからないよう、手洗い・うがいを心がける
医療治療
治療には、血液をろ過して血の塊のもとを取り除く血液浄化療法(血漿交換)や、補体の働きを抑える薬(補体制御薬)などの治療が行われることがあります。また、腎臓の機能に合わせて透析が必要になる場合もあります。治療法は、症状や体の状態に合わせて医師が決めます。
手術が検討される場合
通常、手術は治療の選択肢にはなりませんが、腎不全が進行した場合には、将来の腎移植について専門医と話し合うことがあります。
この病気と共に生きる
aHUSは慢性の病気として付き合っていくことが多く、定期的な通院と検査が必要です。血圧や尿の状態をチェックしながら、生活を調整していきます。
生活習慣のアドバイス
- 十分な休養と睡眠をとる
- ストレスをためすぎない
- かかりつけ医や専門医との関係を大切にする
- 感染症の予防(手洗い、ワクチン接種は医師と相談)
食事と運動
腎臓の状態に合わせた食事(塩分やたんぱく質の調整)が必要なことがあります。管理栄養士のアドバイスを受けましょう。運動は、体調がよい範囲で行い、疲れすぎないようにしてください。
精神的健康と心の健康
まれな病気のため、不安や孤独を感じることもあります。そうした気持ちを一人で抱えず、家族や医師、カウンセラーなどに話すことが大切です。もしつらい気持ちが続く場合は、精神科や心療内科などの専門家に相談しましょう。
予防
aHUSそのものを予防する方法はまだありません。ただし、きっかけとなる感染症などに注意し、体調の変化に早めに気づくことで、重症化を防ぐことが大切です。
ワクチン
ワクチン接種については、主治医と相談して決めましょう。特に、インフルエンザや肺炎などの感染症予防が勧められることがあります。
検診プログラム
発症した人の家族では、遺伝子検査が行われることがあります。ただし、検査を受けるかどうかは、遺伝カウンセリングなど専門家とよく話し合って決めることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 腎不全が進行し、透析が必要になることがある
- 脳卒中や心筋梗塞などの血管の病気を起こすことがある
- 高血圧やむくみなどが持続する
長期的な見通し
早期に診断して適切な治療を行えば、多くの人が症状の改善を期待できます。治療が長く続くこともありますが、社会活動を続けている人も多いです。
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最終更新: 2026年10月20日
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