オーストラリアン・バット・リッサウイルス(ABLV)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
オーストラリアン・バット・リッサウイルス(ABLV)は、オーストラリアのコウモリが持っているウイルスです。ごくまれに人にうつると、脳に重い炎症を引き起こすことがあります。ただし、正しい知識と早めの処置で防げる病気です。
重要な事実
- コウモリから人への感染は非常にまれです。
- かまれた後すぐに処置すれば、発病をほとんど防げます。
- コウモリには触らないことが、何よりも大切な予防です。
非常にまれな病気です。オーストラリアでも報告されるのは数年に1件程度で、日本ではまだ報告がありません。
コウモリに直接触れたり、かまれたりする機会がある人です。例えば、野生動物の保護活動をする人や、洞窟探検をする人が挙げられます。
症状
- 意識がもうろうとしている
- けいれんが止まらない
- 呼吸が苦しそう
- ⚠コウモリにかまれた、ひっかかれた(たとえ小さな傷でも)
- ⚠コウモリの唾液が目、口、鼻などに入った可能性がある
- ⚠コウモリに触れた可能性があり、傷があるかどうかわからない
一般的な症状
- 初めは発熱、頭痛、全身のだるさなど、風邪に似た症状が出ます。
- その後、混乱や幻覚、話しにくさ、麻痺(体が動かなくなる)、けいれんなどが現れることがあります。
原因
主な原因
- ウイルスを持っているコウモリの唾液が、かみ傷やひっかき傷から体に入ることで感染します。
- コウモリの唾液が、目の粘膜や口の中、鼻の中から入ることでも感染することがあります。
リスク要因
- 素手でコウモリに触ること
- コウモリが多くいる洞窟や廃屋に入ること
- 海外で動物と触れ合える観光施設を訪れること
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- コウモリにかまれたり、ひっかかれたりした場合は、症状がなくてもすぐに受診してください。
- コウモリの唾液が目や口、鼻に入った可能性がある場合も、すぐに受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- コウモリと接触した可能性はあるが、傷があるかどうか不明という場合は、保健所や医療機関に電話で相談してください。
診断
かまれた直後は、診断のための検査よりも、まず感染を防ぐ処置を優先します。感染が心配される場合は、医師が接触の状況と症状から判断し、必要に応じて検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 唾液の検査
- 背中から採る脳脊髄液の検査
- 皮膚の生検(一部を切り取って調べる検査)
- 血液中の抗体を調べる検査
診察で予想されること
医師から、コウモリとの接触がいつ、どのようにあったのか詳しく聞かれます。傷があれば水でよく洗われ、その後のワクチンの処置について説明があります。
治療
この病気には症状が出てからの特効薬はありません。しかし、コウモリにかまれた後、できるだけ早くワクチンと免疫グロブリン(抗体を補う薬)で処置をすれば、ほとんどの場合、発病を防ぐことができます。
自宅でのセルフケア
- かまれた直後は、傷を石けんと流水で10分以上しっかり洗いましょう。
- 傷口をこすりすぎず、清潔なガーゼなどで覆っておきましょう。
- 自分では消毒などしすぎず、できるだけ早く医療機関に向かいましょう。
医療治療
主な処置はワクチンの接種です。数回に分けて接種します。また、傷の状態や接触のしかたによっては、感染を防ぐ免疫グロブリンという抗体の薬も使われます。いずれも医師の指示のもとで行われ、必ず最後まで決められた回数を受けきることが大切です。
この病気と共に生きる
もし感染を防ぐためのワクチン処置を受けた場合は、決められた時間に、決められた回数すべてを必ず受けてください。それ以外は、普段どおりの生活を送って問題ありません。
生活習慣のアドバイス
- コウモリには近づかない、触らないを守りましょう。
- 地面に落ちているコウモリを見つけても、素手で触らないでください。
- 海外旅行で洞窟を訪れる際は、ガイドの指示に従い、コウモリに触れないようにしましょう。
食事と運動
この感染症のために特別な食事制限や運動制限はありません。バランスの良い食事、十分な休養、規則正しい生活を心がけてください。
精神的健康と心の健康
「うつされたかもしれない」と不安になるのは自然なことです。その不安をひとりで抱え込まず、家族や友人、医療者に話してください。必要に応じて、心のケアの専門家に相談することもできます。
予防
はい、予防できます。最も確実な方法は、コウモリに一切触れないことです。やむを得ずコウモリと接する可能性がある場合は、手袋や長袖を着用する、扱う前に専門家の指示を仰ぐなどの対策が有効です。
ワクチン
コウモリと頻繁に接する職業の方(動物保護施設の職員、研究者など)は、あらかじめワクチンを接種しておく方法があります。また、コウモリにかまれた場合は、その後のワクチン処置が非常に重要になります。
検診プログラム
定期的に行う検診のようなものはありません。もしコウモリとの接触が心配になった場合は、症状がなくても早めに医療機関に相談してください。
合併症
治療しない場合
- かまれた後に処置を受けないと、ウイルスが脳に達し、重い脳炎を起こすことがあります。
- 昏睡状態が続く、呼吸ができなくなるなど、命に関わることがあります。
長期的な見通し
コウモリにかまれた直後に適切な処置を受ければ、防げる可能性がとても高い病気です。オーストラリアでも報告されるのは極めてまれで、適切な処置が行われれば、この病気で命を落とすことはほとんどありません。怖がりすぎず、正しい行動をとることが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年8月1日
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