自閉スペクトラム症(自閉症)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
自閉スペクトラム症(じへいスペクトラムしょう)は、脳(のう)の発達(はったつ)のしかたに特徴(とくちょう)があることで、コミュニケーションや行動(こうどう)に影響(えいきょう)が出る状態(じょうたい)です。自閉症(じへいしょう)とも呼(よ)ばれます。病気(びょうき)というより、ひとつの「神経発達(しんけいはったつ)のタイプ」と考(かんが)えるとわかりやすいでしょう。
重要な事実
- 症状(しょうじょう)は人(ひと)によってさまざまで、知的(ちてき)な遅(おく)れがない場合(ばあい)もある
- 早期(そうき)から環境(かんきょう)や関(かか)わり方(かた)を整(ととの)えると、生活(せいかつ)がしやすくなることがある
- ワクチンが原因(げんいん)ではありません
決(けっ)して珍(めずら)しいものではありません。日本(にほん)では少(すく)なくない割合(わりあい)で見(み)られるとされています。
男(おとこ)の子(こ)に多(おお)めという報告(ほうこく)もありますが、性別(せいべつ)や国籍(こくせき)に関係(かんけい)なく誰(だれ)にでも見(み)られます。子(こ)ども時代(じだい)に気(き)づかれることが多(おお)いですが、大人(おとな)になってから診断(しんだん)される方(かた)もいます。
症状
- 自分(じぶん)や他人(たにん)を傷(きず)つける可能性(かのうせい)が考(かんが)えられるほど激(はげ)しい混乱(こんらん)がある
- 突然(とつぜん)の激(はげ)しい頭痛(ずつう)、けいれん、意識(いしき)を失(うしな)うなど医療的(いりょうてき)な緊急事態(きんきゅうじたい)がある
- ⚠強(つよ)い自傷行為(じしょうこうい)やパニックが続(つづ)き、安全(あんぜん)が保(たも)てない
- ⚠食(た)べられない・眠(ねむ)れないなど体調(たいちょう)の悪化(あっか)が著(いちじる)しい
一般的な症状
- 言葉(ことば)や身振(みぶ)りでのコミュニケーションが苦手(にがて)
- 特定(とくてい)の興味(きょうみ)や行動(こうどう)にこだわりが強(つよ)い
- 急(きゅう)な変化(へんか)を嫌(きら)う
- 感覚(かんかく)(光(ひかり)、音(おと)、触感(しょっかん)など)に過敏(かびん)さや鈍感(どんかん)さがある
子供の症状
- 名前(なまえ)を呼(よ)んでも振(ふ)り向(む)かない
- 指差(ゆびさ)しで物(もの)を示(しめ)さない
- 言葉(ことば)の発達(はったつ)が遅(おそ)い
- ひとりで遊(あそ)ぶことを好(この)む
- 同(おな)じ動(うご)きを繰(く)り返(かえ)す
高齢者の症状
- 社会的(しゃかいてき)な場面(ばめん)で強(つよ)い疲(つか)れを感(かん)じる(マスキング)
- 変化(へんか)や予定変更(よていへんこう)に不安(ふあん)を強(つよ)く感(かん)じる
- 感覚(かんかく)の過敏(かびん)さで生活(せいかつ)の場面(ばめん)に支障(ししょう)が出(で)る
- 気分(きぶん)の落(お)ち込(こ)みや不安(ふあん)を伴(ともな)いやすい
原因
主な原因
- 正確(せいかく)な原因(げんいん)はまだわかっていません
- 遺伝的(いでんてき)な要因(よういん)と環境的(かんきょうてき)な要因(よういん)が重(かさ)なって起(お)こると考(かんが)えられています
リスク要因
- 家族(かぞく)に自閉スペクトラム症(じへいスペクトラムしょう)の人がいる場合(ばあい)
- 早産(そうざん)や低出生体重(ていしゅっしょうたいじゅう)で生(う)まれること(ただし原因(げんいん)のひとつにすぎません)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 緊急(きんきゅう)の対応(たいおう)が必要(ひつよう)な症状(しょうじょう)は上記(じょうき)の通(とお)りです。迷(まよ)ったらすぐに119番(ばん)へ連絡(れんらく)してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 言葉(ことば)の発達(はったつ)や対人関係(たいじんかんけい)について心配(しんぱい)がある場合(ばあい)
- 学校(がっこう)や職場(しょくば)で困(こま)りごとが続(つづ)いている場合(ばあい)
- 自閉スペクトラム症(じへいスペクトラムしょう)の診断(しんだん)や相談(そうだん)を希望(きぼう)する場合(ばあい)
診断
診断(しんだん)は、医師(いし)や心理(しんり)の専門家(せんもんか)などが行動(こうどう)の観察(かんさつ)や保護者(ほごしゃ)・本人(ほんにん)への聞(き)き取(と)りを行(おこな)い、総合(そうごう)的に判断(はんだん)します。血液検査(けつえきけんさ)などで診断(しんだん)するものではありません。
行われる可能性のある検査
- 視力(しりょく)や聴力(ちょうりょく)の検査(けんさ)(聞(き)こえにくさなど別(べつ)の理由(りゆう)を除外(じょがい)するため)
- 発達(はったつ)の状態(じょうたい)を評価(ひょうか)する心理検査(しんりけんさ)
- 日常生活(にちじょうせいかつ)の様子(ようす)を確認(かくにん)する聞(き)き取(と)りや質問票(しつもんひょう)
診察で予想されること
医療機関(いりょうきかん)によっては複数回(ふくすうかい)の通院(つういん)が必要(ひつよう)です。診断(しんだん)までに時間(じかん)がかかることもありますが、診断(しんだん)がつくことで必要(ひつよう)な支援(しえん)を受(う)けやすくなります。
治療
自閉スペクトラム症(じへいスペクトラムしょう)そのものを「治(なお)す」薬(くすり)や治療法(ちりょうほう)はありません。大切(たいせつ)なのは、その人(ひと)に合(あ)った環境(かんきょう)や関(かか)わり方(かた)を整(ととの)え、日常生活(にちじょうせいかつ)の困(こま)りごとを減(へ)らすことです。
自宅でのセルフケア
- 毎日(まいにち)のスケジュールを視覚的(しかくてき)に示(しめ)すなど、見通(みとお)しを持(も)てるようにする
- 音(おと)や光(ひかり)など刺激(しげき)を調節(ちょうせつ)する(場所(ばしょ)を変(か)える、イヤーマフを使(つか)うなど)
- 自分(じぶん)の好(す)きなことやリラックスできる時間(じかん)を確保(かくほ)する
医療治療
特性(とくせい)が原因(げんいん)で不安(ふあん)や落(お)ち込(こ)み、睡眠障害(すいみんしょうがい)などが続(つづ)く場合(ばあい)は、医師(いし)の相談(そうだん)のもとで、それらの症状(しょうじょう)を和(やわ)らげる薬(くすり)が使(つか)われることがあります。ただし、必(かなら)ず医師(いし)の処方(しょほう)が必要(ひつよう)です。
手術が検討される場合
自閉スペクトラム症(じへいスペクトラムしょう)そのものに対して手術(しゅじゅつ)が必要(ひつよう)になることはありません。
この病気と共に生きる
自閉スペクトラム症(じへいスペクトラムしょう)は人(ひと)によって見(み)え方(かた)や困(こま)りごとが大(おお)きく異(こと)なります。自分(じぶん)の特性(とくせい)を理解(りかい)し、周囲(しゅうい)の人(ひと)に伝(つた)える工夫(くふう)をすると、生活(せいかつ)がぐっと楽(らく)になることがあります。
生活習慣のアドバイス
- 生活(せいかつ)リズムを一定(いってい)に保(たも)つ
- 休息(きゅうそく)や一人(ひとり)になれる時間(じかん)を確保(かくほ)する
- ストレスのサインに早(はや)めに気(き)づくための工夫(くふう)をする
食事と運動
特定(とくてい)の食(た)べ物(もの)が治療(ちりょう)になるという証拠(しょうこ)はありません。バランスのよい食事(しょくじ)と、無理(むり)のない範囲(はんい)での運動(うんどう)を心(こころ)がけましょう。偏食(へんしょく)がある場合(ばあい)は、無理強(むりじ)いせず栄養士(えいようし)など専門家(せんもんか)に相談(そうだん)してもよいでしょう。
精神的健康と心の健康
本人(ほんにん)は生(い)きづらさやストレスを感(かん)じやすく、不安(ふあん)やうつを併発(へいはつ)することがあります。周囲(しゅうい)の理解(りかい)と助(たす)けが心理的(しんりてき)な安定(あんてい)につながります。
予防
現時点(げんじてん)では、自閉スペクトラム症(じへいスペクトラムしょう)を予防(よぼう)する方法(ほうほう)はわかっていません。大切(たいせつ)なのは早期(そうき)に気(き)づき、その人(ひと)に合(あ)った支援(しえん)を行(おこな)うことです。
ワクチン
ワクチンと自閉症(じへいしょう)との関連(かんれん)は、国内外(こくないがい)の多(おお)くの研究(けんきゅう)で否定(ひてい)されています。予防接種(よぼうせっしゅ)をためらわないでください。
検診プログラム
乳幼児健診(にゅうようじけんしん)では発達(はったつ)の状態(じょうたい)についても確認(かくにん)されます。心配(しんぱい)なことを伝(つた)える良(よ)い機会(きかい)です。
合併症
治療しない場合
- 学校(がっこう)や職場(しょくば)での対人関係(たいじんかんけい)のつまずき
- 自己評価(じこひょうか)の低下(ていか)や引(ひ)きこもり
- 不安障害(ふあんしょうがい)やうつ病(びょう)など心(こころ)の健康(けんこう)問題(もんだい)が起(お)こりやすい
長期的な見通し
診断(しんだん)と適切(てきせつ)な支援(しえん)があれば、多(おお)くの人(ひと)が自分(じぶん)らしい生活(せいかつ)を送(おく)ることができます。早(はや)くから理解者(りかいしゃ)がいることは、将来(しょうらい)の可能性(かのうせい)を大(おお)きく広(ひろ)げます。あきらめる必要(ひつよう)はありません。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月14日
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