バルトリン腺嚢胞(バルトリンせんのうほう)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
バルトリン腺嚢胞は、女性の膣の入り口の両側にあるバルトリン腺(粘液を出す小さな腺)の出口がふさがって、液体がたまってできた袋(嚢胞)です。多くは良性で、痛みのないしこりとして触れることがあります。
重要な事実
- 多くの場合、症状はありません。
- 感染すると膿のたまった膿瘍(のうよう)になり、痛みや腫れが生じることがあります。
- バルトリン腺嚢胞はがんになることは極めてまれですが、気になる場合は医師の診察が大切です。
比較的一般的な症状で、生殖年齢(月経がある年齢)の女性に多く見られます。
思春期以降の女性、特に20代から30代に多いとされます。閉経後にはまれになります。
症状
- 突然の強い痛み、または急速に広がる赤みや腫れがある場合
- 39度以上の高熱や悪寒(おかん)がある場合
- 尿が出にくい、または全く出ない場合
- 呼吸が苦しい、意識がもうろうとするなど、全身に感染が広がる兆候がある場合
- これらの症状のいずれかがある場合は、ためらわずに119番で救急車を呼んでください。
- ⚠痛みが強く、歩くのもつらい
- ⚠熱がある(38度前後)
- ⚠しこりが急に大きくなった
- ⚠膿のようなにおいのある分泌物がある
- ⚠これらの症状がある場合は、その日のうちに受診してください。
一般的な症状
- 膣の入口の片側に、触ると分かる柔らかいしこり
- しこりが大きくなると、座ったときや歩くときに不快感
- 性交時の痛み
- 感染した場合:赤み、腫れ、熱感、強い痛み、膿のようなおりもの
子供の症状
- 思春期前の女児にはほとんど見られません。もし見られた場合は、診察が必要です。
高齢者の症状
- 閉経後の女性にはまれですが、もししこりができた場合は、ほかの病気の可能性を確認するために医師の診察が必要です。
原因
主な原因
- バルトリン腺の管(出口)が何らかの原因でふさがると、分泌液がたまって嚢胞になります。
- ふさがった理由ははっきりしないことが多いですが、細菌感染が関係する場合があります。
リスク要因
- 生殖年齢(月経がある年齢)
- 過去にバルトリン腺嚢胞や膿瘍ができたことがある
- 性感染症にかかった経験がある(感染による炎症が引き金になることがあります)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 痛みが強く日常生活に影響する場合
- 熱や赤みなどの感染のサインがある場合
定期受診を予約すべき場合:
- しこりに気づいたが痛みがない場合
- 前回診察で経過観察となり、しこりが残っている場合
診断
医師による問診と、外陰部の視診・触診(見て触れて調べる)で診断します。
行われる可能性のある検査
- 内診(膣の中から触って確認する検査)
- 感染が疑われる場合:膿の細菌培養検査
- しこりが気になる場合や繰り返す場合:超音波検査や組織検査が行われることもあります
診察で予想されること
診察台であおむけになり、足を開いた姿勢で行います。少し緊張するかもしれませんが、短時間で終わることがほとんどです。痛みがある場合は医師に伝えてください。
治療
症状がなければ治療の必要はありません。痛みや感染を伴う場合は、自宅でのケアと医療機関での処置が中心になります。
自宅でのセルフケア
- 温かいお湯に座ってつかる(座浴)を1日2〜3回、10〜15分行うと、腫れや痛みを和らげるのに役立ちます。
- サイズの合わない下着やきつい衣服を避け、外陰部を清潔に保ちます。
- 痛みが強いときは無理に動かず、安静にします。
医療治療
感染による膿瘍(のうよう)がある場合は、医師が局所麻酔をして膿を切開して排出する処置を行うことがあります。細菌感染が疑われる場合には、抗生物質が処方されることがあります。痛みが強い場合には、医師が鎮痛薬を処方することもあります。
手術が検討される場合
繰り返しできる場合や大きな嚢胞の場合は、再発を減らすために小さな手術(嚢胞の壁を開いて縫い付けるマルスピアリゼーションなど)が行われることがあります。
この病気と共に生きる
多くの場合、日常生活に大きな影響はありません。痛みがない間は特別な制限はありませんが、気になる症状があれば早めにケアしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 通気性の良い下着を選び、清潔に保つ
- 過度な摩擦や圧迫を避ける
食事と運動
特に特別な食事制限はありません。バランスのよい食事と十分な水分をとり、規則正しい生活で免疫力を保つことが大切です。
精神的健康と心の健康
デリケートな場所の症状のため、話すことに恥ずかしさや不安を感じるかもしれませんが、とても一般的な症状です。一人で悩まず、かかりつけの婦人科医に相談してください。
予防
バルトリン腺嚢胞を完全に予防する方法は確立されていません。しかし、外陰部を清潔に保ち、感染症を早めに治療することで、細菌感染による膿瘍のリスクを減らせる可能性があります。
ワクチン
この病気に特化した予防ワクチンはありません。
検診プログラム
特別な検診はありませんが、定期的な婦人科検診で外陰部の異常を確認することは、早期発見に役立ちます。
合併症
治療しない場合
- 感染して膿瘍(のうよう)になると、痛みや腫れが強くなり、歩行が難しくなることがあります。
- まれに、感染が周囲に広がって蜂窩織炎(ほうかしきえん)や全身性感染症(敗血症)につながることがあります。
- 処置や治療が遅れると、再発を繰り返す可能性があります。
長期的な見通し
バルトリン腺嚢胞は、ほとんどが良性で、感染しても適切な処置とケアで改善します。再発しても、簡単な処置で対応できることがほとんどですので、過度に心配せず、かかりつけ医に相談しながら安心して治療に臨んでください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年8月2日
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