良性発作性頭位めまい症(BPPV)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、頭の位置を変えたときに短いめまいが起こる、とてもよくある病気です。耳の奥にある小さな「耳石」がはがれて、回転を感じるセンサーに入り込むことで起こります。命にかかわる病気ではありませんが、転倒の心配があります。
重要な事実
- 頭を動かしたときだけ起こるめまいが特徴です。
- めまいの持続時間は通常1分以内です。
- 耳石を戻す「耳石置換法」という治療で多くは改善します。
- 再発することもありますが、命に関わる病気ではありません。
はい。めまいで医師を受診する人の中で、最も多い原因のひとつです。男女を問わず、年齢を重ねるほど多く見られます。
大人、特に中高年に多く、女性や高齢者にやや多い傾向があります。若い人でも、頭部のけがのあとに起こることがあります。
症状
- 突然の激しい頭痛
- ろれつが回らない、言葉が出ない
- 片方の手足の麻痺(まひ)やしびれ
- 顔のゆがみ
- 視界が二重に見える
- 意識がうつろになる
- ⚠めまいと同時に、聞こえにくさや耳鳴り、耳の閉塞感がある
- ⚠めまいが何時間も続く、または何日も繰り返す
- ⚠高熱や首の強いこわばりを伴う
- ⚠胸の痛みや動悸を伴う
一般的な症状
- 頭をベッドに横になったり、上を向いたり、寝返りをうったときに、ぐるぐる回るめまいが起こる
- めまいは数十秒以内に治まることが多い
- 吐き気や嘔吐を伴うこともある
- めまいのあとに、ふわふわした感じが残ることがある
子供の症状
- 小児ではまれですが、頭をぶつけた後に起こることがあります。
- 子どもは症状をうまく説明できないことがあるため、頭を動かすのを嫌がる、動きを止めるなどの様子が見られます。
高齢者の症状
- 高齢者では、めまい自体よりも「転倒」が大きなリスクです。
- 頭を上下に動かしたときにめまいが起こり、バランスを崩しやすくなります。
- 夜中にトイレに行くときに頭を起こすとめまいがする、という訴えが多く見られます。
原因
主な原因
- 耳の奥の「三半規管」に、石灰質のかけら(耳石)が入り込むことが原因です。
- 耳石はもともと耳石器という場所にあり、頭の傾きを感じる役割をしています。
- 加齢や頭部のけが、病気などによって耳石がはがれ、回転センサーである三半規管に入ると、頭を動かしたとき過剰に回転を感じてめまいが起こります。
リスク要因
- 頭部のけが(むち打ちを含む)
- 長期間の寝たきりや安静
- 内耳の病気
- ストレスや睡眠不足
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- めまいに加えて、突然の激しい頭痛や手足の麻痺など脳卒中が疑われる症状がある場合は、すぐに救急車を呼んでください(119番)。
- めまいがひどくて立っていられない、何度も吐く場合は、当日中に受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 頭を動かしたときだけ起こる短いめまいで、数日たってもよくならない場合は、かかりつけ医か耳鼻咽喉科に相談しましょう。
診断
医師があなたの症状の話を聞き、頭の位置を変えてめまいが再現するかを確認する検査を行います。これだけで診断できます。
行われる可能性のある検査
- 特徴的なめまいの症状を確認する問診
- 頭の位置を変えて目や体の反応をみる「頭位眼振検査」
- ほかの病気を除外するための聴力検査やMRIなど
診察で予想されること
検査は特別な道具をあまり使わず、診察室で頭を動かしながら行います。めまいが一時的に起こりますが、安全な状態で行いますので安心してください。
治療
BPPVの中心的な治療は、「耳石置換法」と呼ばれる、頭と体の向きをゆっくり変えて、迷い込んだ耳石を元の場所に戻す手技です。多くの場合、1回の治療でめまいが消えます。
自宅でのセルフケア
- めまいを起こす頭の動きを避ける(ただし、必要以上に動かさないと治りが遅くなることもあります)
- 枕の高さを調整する、夜中に急に起き上がらない、など頭の動きをゆっくりにする
- めまいが続く間は、転倒しないよう部屋の整理や足元の照明を工夫する
医療治療
薬物治療は、強い吐き気や不安を和らげる目的で使われることがあります(めまい止めとして処方されることがあります)。ただし、薬だけで耳石が戻るわけではないため、あくまで補助的なものです。具体的な薬の名前や量は、医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
ごくまれに、何度も治療しても改善しない重症例に対して、内耳の手術が検討されることがあります。ただし、多くは手術の必要はありません。
この病気と共に生きる
発作は一瞬なので、落ち着いて過ごしましょう。めまいが起きたら、動かずに目の焦点を定めると軽くなることがあります。転倒が心配な場合は、歩行時に杖を使ったり、手すりを持つなど工夫しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠とストレスケア
- 急な頭の動きを避け、動きはゆっくりと
- 水分をしっかりとり、脱水を防ぐ
食事と運動
めまいがあっても、安静にばかりしていると耳石が戻りにくくなることがあります。医師の許可が出たら、首や頭を大きく動かすリハビリ(理学療法士や医師が指導する頭位体操など)を行うと改善が早まります。食事は特別な制限はありませんが、バランスの良い食事を心がけましょう。
精神的健康と心の健康
めまいの再発を心配して、外出や活動を控える人も多いですが、過度に心配しすぎると不安が強くなります。めまいは自然に治ることも多い病気です。不安が強い場合や眠れない場合は、医師に相談しましょう。
予防
BPPVを完全に予防することはできませんが、再発を防ぐために、耳石置換法の後は24時間ほど頭を大きく動かさないように指示されることがあります。また、頭部のけがを防ぐことや、血圧を良好に保つことも予防に役立つと考えられます。
合併症
治療しない場合
- 転倒による骨折やケガ
- めまいによる不安、外出への恐怖
- 長く続く場合、平衡バランスの低下
長期的な見通し
BPPVは適切な治療を受ければ、ほとんどの場合、数日から数週間でよくなります。再発することもありますが、その場合も同じ治療が効果的です。心配なときは、また医師に相談しましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年8月2日
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