低血圧(血圧が低い)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
低血圧とは、血圧が一般的な目安よりも低い状態のことです。血圧は、心臓が血液を送り出す力と、血管がその流れを保つ力によって決まります。低血圧になると、立ちくらみやめまい、だるさなどの症状が出ることがありますが、多くの場合、治療の必要がないことも少なくありません。
重要な事実
- 低血圧は、血圧が低いだけで症状がなければ、健康上の問題になることはほとんどありません。
- 急に立ち上がったときに起こる立ちくらみは、多くの人が一度は経験する身近な症状です。
- 低血圧の治療は、薬だけに頼らず、食事や水分補給などの生活習慣の見直しが中心になります。
はい、とてもよく見られる状態です。特に、若い女性や高齢者に多く、健康診断や血圧測定の機会に見つかることが多いです。
低血圧は、年齢や性別を問わず誰にでも起こり得ます。特に、妊娠中の女性、高齢者、水分が不足しがちな人、血圧を下げる薬(降圧薬)を服用している人、長期間安静にしていた人などに多く見られます。
症状
- 突然の強い症状が出た場合は、ためらわずに119番に電話してください
- 呼びかけに反応しない、意識がもうろうとしている
- 激しいめまいで立っていられない
- 胸の痛みや強い息苦しさを伴う
- 大量の出血、吐血、激しい下痢や嘔吐がある
- 冷や汗をかき、顔色が青白く、脈が速くて弱い(ショックの可能性)
- ⚠次の症状がある場合は、当日中に医療機関へ相談・受診してください
- ⚠めまいやふらつきが続き、日常生活に支障が出ている
- ⚠何度も失神しそうになる、または意識を失うことがある
- ⚠水分をほとんど摂れず、尿の量が減っている
- ⚠吐き気や下痢が続き、食事や水分が取れない
一般的な症状
- めまいや立ちくらみ
- ふらつき、目の前がかすむ感じ
- 疲れやすさ、体がだるい
- 集中力の低下
- 吐き気や気分の悪さ
- 顔色が青白くなる
子供の症状
- 朝起きるのがつらく、ぐずることが多い
- 急に立ち上がったときに「目の前が真っ暗になる」と言う
- 学校で疲れやすく、元気がない
- 食欲がなく、朝ごはんを食べたがらない
高齢者の症状
- 立ち上がったときにふらつき、転倒しやすくなる
- ぼんやりする、呼びかけに反応が遅い
- 食事の後に眠くなったりめまいを感じたりする(食後低血圧)
- 排尿後や排便後にふらつく
原因
主な原因
- 水分不足(脱水)による血液量の減少
- 急に立ち上がることで起こる起立性低血圧
- 長時間立ちっぱなしでいること
- 妊娠によるホルモンの変化
- 心臓の病気(不整脈や心不全など)
- 薬の副作用(血圧を下げる薬、利尿薬など)
- 出血や貧血による血液量の低下
- 甲状腺や副腎などの内分泌の病気
リスク要因
- 高齢である
- 血圧を下げる薬や利尿薬を服用している
- 糖尿病やパーキンソン病などの慢性疾患がある
- 長期間の安静や入院で体力が落ちている
- アルコールを過剰に摂取する
- 暑い環境での作業や長時間の入浴
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 気を失ったことがある(失神)
- 立ちくらみで何度も転倒しそうになる
- ふらつきに胸の痛みや動悸(どきどき)を伴う
定期受診を予約すべき場合:
- 慢性的なめまいや疲労感があり、仕事や家事に影響がある
- 血圧を下げる薬や利尿薬を使い始めた後に症状が出た
- 妊娠中で低血圧の症状が気になる
- 何度も低血圧を指摘され、一度きちんと相談したい
診断
低血圧は、血圧計で測定して診断します。診察室で1回測るだけでなく、腕を心臓の高さにした状態で落ち着いて測ること、家庭での朝晩の血圧記録、立ったとき・座ったとき・横になったときの血圧の変化を確認することで、より正確に診断できます。
行われる可能性のある検査
- 診察室での血圧測定と家庭での血圧測定
- 立位・座位・臥位での血圧測定(起立性低血圧の確認)
- 血液検査(貧血や甲状腺・副腎の病気のチェック)
- 心電図検査(不整脈や心臓の異常のチェック)
- 24時間血圧測定(日常生活の中での血圧の変化を確認)
診察で予想されること
医師は、あなたの症状、いつから始まったか、服薬中の薬、生活習慣について詳しく尋ねます。診察だけで原因がわかることもありますが、必要に応じて追加の検査を行います。検査は外来で受けられるものがほとんどで、結果をもとに「経過観察でよいか」「生活習慣をどう整えるか」を一緒に決めていきます。
治療
低血圧の治療は、まず「症状があるかどうか」と「原因は何か」で方針が変わります。症状がなければ治療は基本不要です。症状がある場合は、脱水や薬の影響など原因を探し、生活習慣の見直しから始めます。原因となる病気がある場合は、その病気の治療を優先します。
自宅でのセルフケア
- こまめに水分を摂る(暑い日や入浴前後は特に意識しましょう)
- 立ち上がるときはゆっくりと、手すりや壁に手を添えて
- 起床時は布団の中で手や足を動かしてから起きる
- 長時間立ち続けるときは、つま先立ちや足踏みをして血流を促す
- アルコールを控えめにし、のぼせや発汗が多いときは休息を取る
- 頻繁にめまいが出る場合は、弾性ストッキングの使用を医師に相談する
医療治療
症状が強い場合や原因となる病気がある場合は、医師が原因に合わせて治療方針を決めます。薬が原因と考えられるときは薬の種類や量を調整します。心臓やホルモンの病気が原因なら、その病気の治療を行います。低血圧そのものを改善する薬が必要になることもありますが、どの薬をどのように使うかは医師が個別に判断することであり、自己判断で薬を始めたり止めたりせず、必ず医師や薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
低血圧そのものに対して手術を行うことはほとんどありません。ただし、心臓の弁の異常や重度の不整脈など、低血圧の原因となる病気があり、その病気の治療として手術が検討されることはあります。手術が必要かどうかは、専門医とよく相談して決めます。
この病気と共に生きる
低血圧と上手に付き合うには、自分の症状の傾向を把握することが大切です。「めまいがしそうだな」と感じたら、すぐに座る、しゃがむ、壁に寄りかかるなどして、転倒や事故を防ぎましょう。外出時は、水分補給ができるものを持ち歩くと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠をしっかりとり、疲れをためない
- 規則正しい時間に食事をとる
- 入浴はぬるめのお湯で、のぼせすぎないようにする
- ストレスをためず、リラックスする時間を作る
- 血圧と症状を日記に記録し、受診のときに持参する
食事と運動
バランスの良い食事に加え、十分な水分をとることが基本です。低血圧の症状がある場合、医師の指示があれば塩分も適切に摂ることが推奨されることがありますが、塩分のとりすぎには注意が必要です(厚生労働省の食事バランスガイドも参考にできます)。運動は、血流を良くして症状の改善に役立つことがあります。ウォーキングや軽いストレッチなど、急に強度を上げすぎない運動を無理のない範囲で続けましょう。
精神的健康と心の健康
めまいやふらつきが続くと、「また倒れてしまうのでは」という不安や恐怖を感じることがあります。これは自然な反応です。不安が強く、気分の落ち込みや眠れない日が続くときは、一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域の精神保健相談窓口に相談してください。緊急の危険を感じたときは、遠慮なく119番に電話してください。
予防
低血圧そのものを完全に予防することはできませんが、症状が出る場面は減らせます。水分をこまめに摂る、動作をゆっくりにする、暑さやのぼせに注意する、疲れをためないことなどが、症状の予防につながります。薬を服用中の人は、自己判断で薬を調整せず、医師に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- めまいによる転倒や骨折のリスクが高まります
- 失神した際に、頭部を打つなど事故につながることがあります
- 原因となる病気(心臓の病気や出血など)がある場合、放置すると症状が進行することがあります
- 非常に重症の場合、脳や腎臓などの重要な臓器に血液が届きにくくなることがあります
長期的な見通し
多くの場合、低血圧は穏やかで安全な状態であり、生活習慣を整えることで症状は改善します。症状が出ている場合も、原因が特定できれば適切な対処が可能です。医師と連携しながら、無理のない範囲で日々の生活を楽しんでください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月14日
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