大腸がんについて
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
大腸がんは、大腸(結腸と直腸)の内側の細胞が異常に増えて、がんの塊(腫瘍)ができる病気です。多くは、大腸の内側にできるポリープ(粘膜の小さな突起)から発生すると考えられています。早期に見つかれば治りやすいがんの一つです。
重要な事実
- 大腸がんは、早期発見・早期治療で治る可能性が高いがんです。
- 日本では40歳以上の人に大腸がん検診が勧められています。
- 血便や排便の変化など、気になる症状があれば早めに相談しましょう。
日本ではとても多く、男性でも女性でも上位に入るがんです。食生活の欧米化や高齢化により、増えています。
50歳以上の人に多く見られますが、若い世代でも診断されることがあります。男性と女性のどちらにも見られ、男性でやや多い傾向があります。
症状
- 便に大量の血が混じる—この場合はすぐに119番へ電話してください
- 激しい腹痛で動けない—この場合はすぐに119番へ電話してください
- おなかが張って、嘔吐を繰り返し、排便やガスがまったく出ない—この場合はすぐに119番へ電話してください
- ⚠新しい血便がある
- ⚠立ちくらみや強い息切れなど貧血が進む症状がある
- ⚠おなかの張りと痛みがどんどん強くなる
一般的な症状
- 便に血が混じる(血便)
- 便秘と下痢を繰り返す、便が細くなるなど排便の変化
- おなかが張る、痛む
- 原因がはっきりしない体重減少
- 疲れやすさ、顔色が悪いなどの貧血の症状
子供の症状
- 小児ではまれですが、遺伝性の大腸がんがあるため、血便や腹痛が続く場合は小児科で相談してください。
高齢者の症状
- 高齢者では、便秘や下痢が続く、便に血が混じる、食欲が落ちる、何となく元気がないといった変化に気づいたら、早めに受診しましょう。
原因
主な原因
- 大腸の内側の細胞に遺伝子の変化が起き、細胞が正常にコントロールされず増え続けることで発生します。
- 多くの場合、単一の原因ではなく、年齢や生活習慣、遺伝的な要素が重なってがんができると考えられています。
リスク要因
- 50歳以上であること
- 血縁者(親、兄弟姉妹、子ども)に大腸がんの人がいること
- 喫煙、多量の飲酒
- 肥満、運動不足
- 加工肉や脂肪の多い食事、食物繊維の不足
- 潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 便に血が混じる
- 排便の変化が2週間以上続く
- 原因不明の体重減少がある
- おなかの痛みや張りが続く
定期受診を予約すべき場合:
- 自治体や職場の大腸がん検診で便潜血検査が陽性だった
- 40歳を過ぎても一度も検診を受けたことがない
- 近い血縁者に大腸がんの人がいる
診断
まず医師が症状や家族歴を聞き、おなかの診察を行います。その後、必要に応じて便の検査や画像検査、内視鏡検査を行い、正確な診断に進みます。
行われる可能性のある検査
- 便潜血検査(便にごくわずかな血が混じっていないかを調べる検査)
- 大腸内視鏡検査(肛門からカメラを入れ、大腸の中を直接観察する検査)
- CT検査(体の断面画像を撮影し、がんの広がりや転移を調べる検査)
- 生検(内視鏡検査のときに組織の一部を取り、顕微鏡で調べる検査)
診察で予想されること
大腸内視鏡検査の前には、腸をきれいにするための下剤を飲むことがあります。検査中は痛みや不安を感じる方もいるため、鎮静薬を使える場合があります。結果は数日から1〜2週間程度でわかることが多く、気になることは遠慮なく医師に聞いてください。
治療
治療は、がんの進行具合・場所・年齢・体調などによって個人差があります。医師や看護師などと十分に話し合いながら、自分に合った治療計画を立てていくことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 治療中は無理をせず、休息をしっかりとる
- 気になる症状や副作用は、我慢せずに医療者へ伝える
- 禁煙・節酒を心がける
- 食事がとれないときは、無理せず少しずつ食べられるものを選ぶ
医療治療
主な治療には、がんを切除する手術、抗がん剤を使う薬物療法、放射線を当ててがんを縮小させる放射線療法などがあります。近年では、免疫の力を利用する免疫療法や、がんの特徴に合わせて選択する分子標的薬などの治療も行われることがあります。具体的な治療の組み合わせは、がんの状態や患者さんの体質によって異なります。
手術が検討される場合
手術は、治癒を目指す治療の中心となることが多い方法です。早期がんでは内視鏡で切除できる場合もあり、進行がんであっても、がんのある部分を切除できる状態であれば手術が検討されます。最近は体への負担が少ない腹腔鏡手術なども行われています。
この病気と共に生きる
がん治療は長く続くこともあるため、仕事や家事、通院のバランスを調整することが大切です。調子の良い日と悪い日の波を認めながら、自分のペースで生活リズムをつくっていきましょう。
生活習慣のアドバイス
- ストレスをため込まないために、好きなことやリラックスできる時間をつくる
- 水分を十分にとる
- 医師の許可がある範囲で、ウォーキングなどの軽い運動をする
- 排便の変化や体調をメモして、受診時に伝える
食事と運動
治療中は、食事のとり方が人によって異なります。基本的には野菜や果物、食物繊維を意識した食事がすすめられますが、治療内容によっては食事制限があることもあるため、医師や管理栄養士のアドバイスを優先してください。運動は、体調に合わせて軽い散歩から始めると続けやすくなります。
精神的健康と心の健康
がんと診断されたり、治療を受けたりすると、不安や悲しみ、怒りなどさまざまな気持ちが生まれます。これはとても自然なことです。つらい気持ちを一人で抱え込まず、家族や友人、医師、看護師、心理の専門家に話してみましょう。
予防
すべての大腸がんを予防することはできませんが、脂肪の多い食事や加工肉を控えめにし、野菜や果物を十分にとる、運動をする、禁煙・節酒、適正体重を保つなどの生活習慣がリスクを下げる可能性があります。
ワクチン
大腸がんを直接予防するワクチンは現在ありません。
検診プログラム
日本では厚生労働省の指針に基づき、40歳以上の人に便潜血検査を使った大腸がん検診が勧められています。症状がなくても定期的な検診を受けることで、早期発見につながります。
合併症
治療しない場合
- がんが大きくなり、腸の内側をふさぐことで腸閉塞(腸が詰まる状態)を起こしやすくなる
- 周りの臓器やリンパ節に広がる
- 肝臓や肺など、離れた臓器に転移する可能性がある
- 慢性的な出血による貧血や体力の低下が進む
長期的な見通し
大腸がんは、早期に見つかれば治る可能性が高いがんです。検診で早期発見される人も多く、仮に進行が見つかった場合でも、手術や薬物療法、放射線療法などを組み合わせることで、長く穏やかに過ごせる人も大勢います。治療の選択肢は増えており、希望を持って治療に向き合うことができます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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