ボーエン病
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ボーエン病は、皮膚のいちばん外側の層(表皮)の中でがん細胞が見られる状態です。まだ深い組織に広がっていない「上皮内がん」という段階で、前がん病変とも呼ばれます。放っておくと一部は皮膚の深い部分に進行することがあるため、見つけたら治療が勧められます。
重要な事実
- 皮膚に赤くてうろこ状の斑点ができることが多い
- 進行がゆっくりで、何年も気づかないことがある
- 適切に治療すれば、ほとんど完全に治せる
一般的な病気ではありませんが、特に65歳以上の白い肌の高齢者にやや多く見られます。日本でも高齢化に伴い診断される方は増えています。
主に白い肌を持つ人に多く、高齢の男性や日光に長時間当たる仕事・趣味を持つ人に発生しやすいとされています。免疫機能が低下している人にも起こりやすいです。
症状
- 皮膚の斑点から突然、止まらない大量の出血が始まった場合は、直ちに119番に通報してください。
- 斑点が急にはれ上がり、激しい痛みや発熱、悪寒を伴う場合も119番を呼んでください。
- ⚠斑点が急速に大きくなったり、ただれや潰瘍ができたりしている場合は、当日または翌日には皮膚科を受診してください。
- ⚠病変が化膿して強い痛みや発熱がある場合も、すぐに受診してください。
一般的な症状
- 境界がはっきりした赤い斑点ができる
- 表面がうろこ状で、ざらざらしている
- 数ミリから数センチまでゆっくり大きくなる
- 通常は痛みやかゆみがない
- 日焼けした部位や頭皮、首、手足にできることが多い
原因
主な原因
- 太陽の紫外線を長年浴びたことが主な原因です。
- 過去に受けた放射線治療による皮膚の変化
- ヒ素を含む環境への曝露(井戸水や一部の薬品が原因になることがある)
- 特定のヒトパピローマウイルス(HPV)感染(特に性器周辺の場合)
リスク要因
- 白い肌、青い目、金髪など、皮膚が紫外線に弱いタイプ
- 長期間にわたる日光曝露(野外で働く人や日焼けの習慣がある人)
- 高齢になるほどリスクが上がる
- 免疫を抑える治療を受けている
- 日光角化症などほかの皮膚がんを経験している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 斑点が数週間から数か月で大きくなっている
- 斑点が出血する、またはかさぶたを伴って治らない
- 表面が凸凹になって硬くなってきた
- 違和感や痛みが出てきた
定期受診を予約すべき場合:
- 数か月以上続く赤い斑点があり、自然に消えない場合は一度皮膚科で診てもらいましょう
診断
まず医師が皮膚を詳しく診察します。拡大鏡(ダーモスコープ)を見ながら観察し、必要に応じて皮膚組織の一部を採取して病理検査を行います。
行われる可能性のある検査
- ダーモスコピー(皮膚を拡大して観察する検査)
- 皮膚生検(局所麻酔をして、組織を少し取り、顕微鏡で調べる検査)
診察で予想されること
皮膚生検は外来で行う簡単な処置で、通常は10~15分程度です。採取後は医療用の糸で縫ったり、テープでふたをします。結果は1〜2週間ほどでわかります。その間は、患部を水で濡らさないようにするなど、医師の指示に従いましょう。
治療
ボーエン病は、完全に治すことのできる病気です。病変の大きさ・場所・数、患者さんの年齢や体調を考慮して、いくつかある治療法の中から医師と相談して決めます。
自宅でのセルフケア
- 治療後の傷を清潔に保ち、医師から指示された保湿やケアを行ってください
- 患部をこすったり、むやみに触ったりしない
- 日焼け止めや衣類で紫外線を防ぐ
- 定期的な経過観察の予約を守る
医療治療
治療には次のような方法があります。①メスで切除する手術(最も根治性が高い)、②液体窒素で凍結して破壊する凍結療法、③がんに反応する塗り薬を一定期間塗る方法、④特殊な光と薬剤を使ってがん細胞を壊す光線力学療法などです。進行が早い病変や広い病変は手術が選ばれることが多いです。
手術が検討される場合
病変が大きい場合、皮膚の深くにある場合、または通常の治療で再発を繰り返す場合は、局所麻酔による切除術が検討されます。
この病気と共に生きる
治療後は、治療した場所の変化を見守り、新しい病変ができないか注意します。自己判断で軟膏を使ったり、放置したりせず、気になる変化があれば早めに皮膚科を受診しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日日焼け止めを塗る
- 帽子・長袖・日傘などで日光を避ける
- 日焼けサロンは利用しない
- 禁煙を心がける
食事と運動
特別な食事はありませんが、皮膚の健康を保つために、バランスの良い食事と適度な運動を続けましょう。免疫力を高める生活習慣が大切です。
精神的健康と心の健康
「がん」や「前がん病変」と聞くと、不安になるのは自然なことです。しかしボーエン病は進行が遅く、ほとんどが治る病気です。不安な気持ちは一人で抱えず、医師や看護師に相談しましょう。
予防
完全に防ぐことはできませんが、紫外線を避けることでリスクを大幅に減らせます。特に小さい頃から日焼け止めや日除けを習慣にすることが重要です。
検診プログラム
一般的な検診はありませんが、日光を長年浴びた人や皮膚がんの既往がある人は、定期的に皮膚科で診察を受けるとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- がん細胞が皮膚の深い部分に広がり、扁平上皮がん(浸潤がん)になる可能性がある
- 浸潤がんになると、まれにリンパ節や他の臓器に転移することがある
- 治療しなくても自然に治ることはほとんどない
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、ボーエン病は非常に高い確率で完全に治ります。治療後の経過観察を続けていれば、再発や新しい病変も早期に見つけられます。どうぞ安心して治療に臨んでください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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