脚の骨折:症状・治療・回復
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脚の骨折とは、足の骨がひび割れたり、折れたりした状態のことです。太ももの骨(大腿骨)、すねの骨(脛骨)、ふくらはぎの外側にある細い骨(腓骨)、足首の骨など、足のどの骨でも起こりえます。骨折すると、強い痛みや腫れがあり、足に体重をかけることが難しくなります。適切な治療と時間をかけて回復することで、多くの人が再び歩けるようになります。
重要な事実
- 脚の骨には、太ももの骨(大腿骨)、すねの骨(脛骨)、外側の細い骨(腓骨)、足首の骨などがあります。
- 骨折すると、痛み、腫れ、変形、体重を支えられないなどの症状が出ます。
- 治療にはギプスなどで骨を固定する方法と、手術で骨をプレートやネジで固定する方法があります。
脚の骨折は、車やバイクの事故、スポーツ中の強い衝撃、高齢者の転倒などによって起こることがある、比較的一般的なけがです。
年齢に関わらず起こりえますが、骨がもろくなっている高齢者や、激しいスポーツを行う若い人に多く見られます。
症状
- 折れた骨が皮膚を突き破って外に見えている(開放骨折)
- 骨が皮膚から出るほどの深い傷があり、大量に出血している
- 足やつま先の色が青白い、冷たい、またはしびれてまったく感覚がない
- 足が不自然な形に曲がっている
- 意識がもうろうとしたり、冷や汗が出るなど、ショック状態が疑われる
- ⚠痛みがひどく、足をまったく動かせない
- ⚠つま先も動かせないほど痛みが強い
- ⚠腫れがどんどんひどくなり、指で押すと跡が残るほどむくんでいる
- ⚠骨折した部分が熱を持っている(感染の可能性がある)
一般的な症状
- 折れた部分に強い痛みがあり、触るとさらに痛む
- 足やその周りがはれる、またはあざになる
- 足に力を入れられない、体重をかけられない
- 足が不自然な方向に曲がっているように見える
- 足の感覚が鈍くなったり、しびれたりする
子供の症状
- 泣いたり、足を動かそうとしなかったりする
- 痛みをうまく説明できず、機嫌が悪くなることがある
- 転んだあと立ち上がろうとしない、歩こうとしない
- 骨が完全に折れず、曲がった状態でくっつく「グリーンスティック骨折」という形になることもある
高齢者の症状
- 転んだり、ちょっとした段差につまずいたりして骨折しやすい
- 骨粗しょう症で骨がもろいと、軽い力で折れることがある
- 痛みを感じにくい場合があり、発見が遅れることがある
- 持っている病気の影響で、回復に時間がかかることがある
原因
主な原因
- 転んで強い力が脚にかかった(高い所からの落下、階段での転倒など)
- 交通事故で大きな衝撃を受けた
- スポーツ中に強いねじりや衝撃が加わった(サッカー、バスケットボール、スキーなど)
- 足を強くぶつけた、または物が落下して当たった
リスク要因
- 骨がもろくなる骨粗しょう症
- 高齢による筋力やバランス能力の低下
- 激しいコンタクトスポーツを行っている
- 栄養不足で骨の健康状態が悪い
- 過度に激しい運動をして疲労がたまり、ひび割れがおこる疲労骨折のリスク
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 強い痛みがあり、足にまったく体重をかけられない場合は、すぐに整形外科を受診してください。
- 骨が皮膚から見えている、大量出血がある、足の感覚がない場合は、119番で救急車を呼んでください。
- 夜間や休日で受診できない場合は、救急相談窓口(#7119など)を利用してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 転んだりぶつけたりして、痛みが続くが歩ける程度の場合は、早めに整形外科で診てもらいましょう。
- けがのあと数日たっても痛みが引かない、腫れが続く場合は受診してください。
診断
病院では、けがをした状況や痛みの場所を詳しく聞き、足の動き、感覚、血流を確認したあと、レントゲン検査で骨の状態を調べます。骨折の形が複雑な場合は、CTやMRIなどの検査が必要になることもあります。
行われる可能性のある検査
- レントゲン検査:骨折の場所や折れ方を確認するための最も一般的な検査です
- CT検査:複雑な骨折や、関節の中まで骨が割れているかを詳しく調べるときに使います
- MRI検査:骨だけでなく、じん帯や腱、筋肉などの損傷も確認したいときに使います
診察で予想されること
医師からは、けがをした状況、どこがどのように痛むのか、日常生活での状態を質問されます。その後、レントゲン検査を行い、骨折の有無やずれ具合を確認します。検査結果にもとづいて、ギプス固定の治療をするか、入院・手術が必要かが説明されます。
治療
治療の目的は、折れた骨を正しい位置に戻して、しっかりとくっつくまで支えることです。適切に治療すれば、多くの脚の骨折は再び丈夫な骨として機能するようになります。
自宅でのセルフケア
- 医師に指示された期間、足に体重をかけないようにする(松葉づえや歩行器を使う)
- けがをした直後は、腫れを抑えるために氷のうなどで冷やす(保冷材をタオルで巻き、肌に直接当てない)
- 横になって足を心臓より高く上げると、腫れが軽くなることがある
- ギプスや装具が濡れないようにし、かゆみや圧迫感、異常な痛みを感じたらすぐに医師に連絡する
医療治療
骨折の種類や場所によって、ギプスや副木(スプリント)で足を固定します。骨が大きくずれている場合は、医師が手で骨を元の位置に戻す「整復」を行うことがあります。強い痛みに対しては、医師が痛み止めなどの薬を適切に処方しますが、具体的な薬の種類や量は医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
骨が大きくずれて皮膚を傷つけていたり、関節の中まで骨折が及んでいたり、ギプスだけでは骨を正しい位置に保てない場合は、手術が検討されます。手術では、プレートやネジ、金属の棒などで骨を固定し、早期からリハビリを始められるようにします。
この病気と共に生きる
骨がくっつくまでには数週間から数か月かかります。ギプスや装具をしている間は、入浴や移動に不便がありますが、家族や地域の手助けを借りながら、自分にできることを少しずつ続けましょう。リハビリの計画は医師や理学療法士と相談して進めます。
生活習慣のアドバイス
- 通院やリハビリの予定を守り、ギプスや装具を自分で外さない
- 理学療法士の指示に従い、無理のない範囲で関節や筋肉を動かす
- 痛みが強いうちにあせって動きすぎない。安静も治療の一部
- 喫煙や過度な飲酒は骨の回復を遅らせることがあるため控える
食事と運動
骨の材料となるカルシウム(乳製品、小魚、大豆製品など)と、カルシウムの吸収を助けるビタミンD(魚、きのこ、卵など)を意識して食事に取り入れましょう。運動は、骨がくっつくまでは固定された部分を動かさず、ひざや足首などできる範囲で行います。骨が治ったあとは、ウォーキングや軽い筋力トレーニングが筋力維持に役立ちますが、必ず医師や理学療法士の許可を得てから始めましょう。
精神的健康と心の健康
骨折すると、自由に動けないことや、仕事や趣味を続けられないことで、ストレスや気分の落ち込みを感じることがあります。このような気持ちは自然な反応です。つらいときは、医師や看護師、または身近な人に話してみてください。もし自分を傷つけてしまいたいという強い気持ちになった場合は、ひとりで抱え込まず、すぐに119番や地域のこころの健康相談窓口に連絡してください。
予防
骨折を完全に防ぐことはできませんが、骨を強く保ち、転倒のリスクを減らすことで、骨折を予防できます。具体的には、バランスの良い食事、適度な運動、家の中のつまずきやすい物を片付ける、滑りにくい靴を履く、部屋を明るくするなどが効果的です。
ワクチン
骨折を直接予防するワクチンはありません。ただし、高齢者では肺炎やインフルエンザなどの感染症を避けるためにワクチン接種を検討することで、骨折後に体力を消耗する合併症を防ぐ間接的な助けになることがあります。
検診プログラム
骨粗しょう症の検査(骨密度測定)は、骨が弱くなっていないかを確認するもので、特に閉経後の女性や高齢者で骨折のリスクを評価するのに役立ちます。骨折を繰り返している人や、家族に骨粗しょう症の人がいる場合は、医師に相談してみましょう。
合併症
治療しない場合
- 骨が正しい位置でくっつかず、形がゆがんだまま歩きにくくなることがある
- 骨がずれたままだと、長期間痛みが続いたり、関節の動きが制限されたりすることがある
- 開放骨折(骨が皮膚を突き破った状態)を放置すると、感染症を起こす危険性が高くなる
- 足を動かさない期間が長いと、血の塊(血栓)ができて肺に飛ぶことがある(肺塞栓症)
- リハビリが遅れると、筋力の低下や関節が固くなり、元の生活に戻るのに時間がかかる
長期的な見通し
脚の骨折は、適切な治療とリハビリを行えば、ほとんどが順調に回復します。回復のスピードは年齢や骨折の場所、重症度によって異なりますが、多くの場合、数か月のうちに歩行や日常生活を十分に取り戻すことができます。焦らずに治療を続けることが何より大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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