鼻の骨折(鼻骨骨折)について
概要
鼻の骨折は、鼻の上部にある骨(鼻骨)にひびが入ったり、折れたりするけがです。けがをした直後は痛みや腫れ、あざができることが多く、鼻の形が変わることもあります。多くの場合は時間とともに治りますが、しっかりした医療機関でのチェックが大切です。
重要な事実
- 鼻の骨折は顔のけがの中でも比較的よくあるけがです
- 鼻の形や呼吸に影響が出ることがあるため、適切な処置と経過観察が大切です
- ほとんどの鼻の骨折は手術をせずに自然に治りますが、専門医の診察が推奨されます
はい、とてもよくあるけがです。スポーツや転倒、ぶつかる事故などがきっかけで起こり、特に10代から30代の若い世代に多く見られます。
子どもからお年寄りまで誰にでも起こり得ますが、運動をよくする人、交通事故やけんかに巻き込まれるリスクの高い人で多く見られます。
症状
- 鼻を強く打って呼吸ができない
- 鼻血が30分以上止まらない
- 鼻の穴から透明な液体(髄液)が流れる
- 意識がもうろうとしている、または意識を失った
- 首や背中の痛み、しびれなどを伴う
- ⚠鼻の形が明らかに変形している
- ⚠鼻で呼吸するのがかなり苦しい
- ⚠痛みが強くなり、普通の生活が難しい
- ⚠腫れやあざが急速に広がる
- ⚠頭を強く打った後で、気分が悪い、吐き気がある
- ⚠鼻血が繰り返し出る
一般的な症状
- 鼻の痛みや圧迫される感じ
- 鼻の腫れやあざ(目の周りまで広がることもある)
- 鼻血が出る
- 鼻の形がいつもと違う(曲がって見える)
- 鼻で息をするのが苦しい
- 鼻をさわると特に痛む
- 軽いしびれを感じることもある
子供の症状
- 子どもは痛みをうまく伝えられないことがあり、ぐずったり、泣き止まなかったりすることがある
- 顔の腫れがあざより先に目立つことがある
- 鼻血が続いたり、鼻をさわられるのを嫌がったりする
- まれに、鼻の骨の成長に影響が出ることがあるため、受診が勧められる
高齢者の症状
- 皮膚が薄いため、あざや腫れが目立ちやすい
- 転倒で骨折することが多く、思ったより大きなけがになっていることもある
- 鼻血が止まりにくい場合がある
- 持病などで服用している薬が影響することもあるため、受診時に伝えることが大切
原因
主な原因
- 転倒や転んで顔をぶつける
- スポーツ中のボールや相手との接触
- 交通、事故
- けんかや暴行で殴られる
- ドアや家具などに鼻を強くぶつける
リスク要因
- ラグビー、サッカー、相撲、ボクシングなどの接触性の高いスポーツをする
- 仕事や日常生活で転倒や衝突のリスクが高い
- 骨密度が低下している(特に高齢者や骨粗しょう症のある人)
- てんかん発作やふらつきで倒れやすい状態である
受診の目安
定期受診を予約すべき場合:
- 鼻の痛みや腫れが数日続く
- 鼻の形が気になる
- 鼻づまりや嗅覚の異常がある
- けがをした後に鼻の内側に痛みや詰まった感じが続く
- 腫れが引いてから鼻の形が変だと気づく
診断
医師が鼻と顔を直接診て、けがの状況を聞くことで診断します。腫れが強い場合は、腫れが引くまで待ってから詳しく診察することもあります。痛みがあるのは自然なことですが、医師は触診(軽く触って確認すること)も行います。
行われる可能性のある検査
- まずは視診と触診による診察が基本です
- 鼻の骨の状態を確認するためにX線(レントゲン)検査が行われることがあります
- 頭部や顔面への強いけがの場合はCT検査が行われることもあります
- 鼻の内側の状態を見るために鼻鏡(びきょう)という器具を使って中を確認することがあります
診察で予想されること
診察では、けがをした状況を伝えます。医師が鼻の外側と内側を観察し、必要に応じて画像検査を行います。鼻の中に血液がたまって感染のリスクがあるかどうかも確認されます。痛みがある場合は、検査や処置の際に我慢せずに伝えてください。
治療
治療法は骨折の程度やずれの大きさ、呼吸への影響などによって異なります。多くの場合は特別な手術をせずに自然に回復しますが、形が大きくずれた場合や呼吸が困難な場合は、医師が整復(もとの位置に戻すこと)や手術を勧めることがあります。
自宅でのセルフケア
- けがをしてすぐ、氷や冷たいタオルで鼻の周りを冷やして腫れを軽くする(皮膚を傷めないよう薄い布を間に挟む)
- 頭を高くして休み、腫れを抑える
- 鼻を強くかまない、さわらない、ぶつけない
- 市販の鎮痛薬を使う場合は、薬剤師や医師に相談してから適切なものを選ぶ
- 鼻血が出たときは、座って前かがみの姿勢になり、鼻の下側を10分ほどつまんで止血する
医療治療
医療機関では、腫れが引いてからずれた骨を元の位置に戻す「整復」が行われることがあります。これは診察室や手術室で行われ、局所麻酔(意識はあるがその部分の痛みを感じなくする薬を使うこと)や静脈麻酔が使われます。鼻の中に止血や形を保つためのタンポン(ガーゼなど)が入れられることもありますが、これらは数日で取り除かれます。重症の場合は手術が必要になることもありますが、具体的な方法は医師が一人ひとりの状態に合わせて説明します。
手術が検討される場合
保存的な治療で形や呼吸の状態が良くならない場合、または鼻の形が大きく崩れてしまう場合に、手術が検討されます。手術は実際の鼻の形を整える整容目的と、呼吸を良くするための機能回復を目的として行われることがあります。
この病気と共に生きる
けがをしたあとは、鼻をぶつけないよう注意し、重い荷物を持ち上げたり、顔に力を入れたりしないようにしましょう。腫れやあざは数日でピークを迎え、その後ゆっくり引いていきます。鼻の形や呼吸の状態が安定するまでには数週間から数か月かかることがありますが、あせらず医師の指示に従って過ごしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 治るまでは運動や激しい活動を控え、医師の許可を得てから再開する
- ヘルメットやフェイスガードなど、スポーツ用の保護具を正しく使う
- 眠るときは頭を少し高くすると腫れが軽減しやすい
- 鼻に刺激のあるタバコの煙やほこりを避ける
- 外出時は顔をぶつけるような転倒に注意する
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、バランスの良い食事を心がけ、カルシウムやビタミンDを含む食品を意識して取ると骨の回復を支えることができます。また、激しい運動は治癒を遅らせる可能性があるため、医師の許可があるまでは控えましょう。ウォーキングなど軽い活動は血流を良くするために役立つこともありますが、無理のない範囲で行ってください。
精神的健康と心の健康
鼻の形に変化が出ると、鏡を見るたびに気持ちが沈んだり、人目が気になったりすることがあります。このような反応は自然なことです。特に、けががトラウマになっている場合は、無理に我慢せず、信頼できる人に話したり、医師に相談したりすることも助けになります。時間とともに腫れが引けば見た目も落ち着いてくるので、あせらなくて大丈夫です。
予防
完全に予防することはできませんが、リスクを減らすことはできます。スポーツの際は、ルールに合ったヘルメットやフェイスガードを着用しましょう。転びやすい環境を整える、家の中の障害物を減らす、車や自転車に乗るときはシートベルトやヘルメットを徹底するなど、日ごろの心がけが大切です。けんかや暴力は避けることが最も確実な予防です。
合併症
治療しない場合
- 鼻の形が曲がったまま残ることがある
- 鼻で呼吸しづらくなる(鼻閉)ことがある
- 鼻中隔という鼻の真ん中の軟骨の内側に血がたまって、感染やかん入を起こすことがある
- 鼻の骨がずれたまま治ると、においが感じにくくなることがある
- 顔の骨に同時にけががある場合、見逃すと治りが悪くなることがある
長期的な見通し
多くの鼻の骨折は、適切な対応をすれば数週間から数か月で十分に回復します。たとえ形が心配でも、手術や整復によってきれいに治る可能性は高いので、安心してください。医師とよく相談しながら、自分に合った治療を選ぶことが大切です。
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最終更新: 2026年10月20日
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