細気管支炎(乳幼児に多い呼吸器の感染症)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
細気管支炎は、ウイルスが原因で肺の中の細い空気の通り道(細気管支)に炎症が起こり、腫れたり分泌物がたまって呼吸が苦しくなる病気です。主に2歳までの乳幼児がかかります。最初は風邪のような症状ですが、その後せきやゼーゼーという呼吸が目立つようになります。
重要な事実
- 主にRSウイルスというウイルスによって起こります。
- 多くの場合は軽症で、1〜2週間で自然によくなります。
- 水分をしっかり摂ることが回復にはとても大切です。
- 呼吸が苦しそう、水分が摂れないなどのサインがあれば早めに医療機関に相談しましょう。
はい、乳幼児にとってはよくある病気です。2歳までにほぼすべての子どもが少なくとも一度はRSウイルスに感染すると言われています。
主に1歳以下の赤ちゃん、特に生後2〜6か月の赤ちゃんがかかりやすい病気です。早産で生まれた赤ちゃんや、心臓や肺に持病があるお子さんは重症化しやすくなります。大人がかかることもありますが、多くは軽い風邪のような症状で済みます。
症状
- 呼吸が止まりそうなほど苦しそう
- 顔色が真っ青で、反応がぼんやりしている
- せきや泣き声がまったく出せず、息を吸うことができない
- 唇や爪の色が青紫色になっている
- ⚠38℃以上の発熱が続いている
- ⚠水分がまったく摂れない、またはおしっこの回数が半分以下に減った
- ⚠呼吸が速い状態が続き、よくなったり悪くなったりを繰り返す
- ⚠母乳やミルクを飲むとむせてしまい、体重が増えない
一般的な症状
- 鼻水、くしゃみ、のどの痛みなどの風邪のような症状から始まります
- せきがだんだん強くなります
- 呼吸が速くなる、ゼーゼーという呼吸音(喘鳴)が聞こえる
- 授乳や食事がしにくくなる
- 多くの場合、37〜38℃程度の発熱があります
子供の症状
- 機嫌が悪く、ぐったりする
- 息を吸うときに肋骨の下や鎖骨の上がくぼむ(陥没呼吸)
- 息を吐くときにゼーゼー、ヒューヒューという音がする
- 唇や爪が青っぽく見える
- 乳児では、一時的に呼吸が止まる(無呼吸)ことがある
高齢者の症状
- 高齢者ではせきやたんが長引く
- 息切れや胸の不快感を感じる
- 疲れやすく、体がだるい
- 持病(心臓病や肺の病気など)がある場合は重症化しやすい
原因
主な原因
- 主な原因はRSウイルスです
- そのほかに、ライノウイルス、ヒトメタニューモウイルス、インフルエンザウイルスなどでも起こります
- 感染した人のせきやくしゃみ、鼻水に触れた手を介してうつります
リスク要因
- 生後3か月未満
- 早産で生まれた、または低出生体重
- 心臓や肺の病気、免疫の働きが弱い
- 家族に喫煙者がいる
- 保育所などでの集団生活や、きょうだいがいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 呼吸が苦しそうで、息を吸うときにのどや肋骨の下がくぼむ
- ゼーゼーという呼吸音が強く、眠れない、機嫌が悪い
- 水分が摂れず、おしっこが半日以上出ない
- 生後3か月未満の赤ちゃんで発熱がある
定期受診を予約すべき場合:
- 風邪のような症状が2〜3日続く
- せきがひどくなってきて、夜も眠れない
- 鼻水が多くて授乳や食事がしにくい
- 気になる症状があるが、緊急ではない場合
診断
医師がお子さんの様子を診て、問診と聴診器でのどや胸の音を聞くことで診断します。流行している時期や年齢、症状の経過も診断の手がかりになります。
行われる可能性のある検査
- パルスオキシメーターで指先の酸素濃度を測る
- 胸のレントゲン写真を撮る
- 鼻水をとってウイルスの検査をする(RSウイルスなど)
診察で予想されること
診察室では、症状が始まった日、熱の有無、食事や水分の量、おしっこの回数などを聞かれます。必要に応じて酸素濃度を測ったり、胸の音を聴いたりします。痛みを伴う検査はほとんどありません。
治療
細気管支炎に特効薬はなく、自宅で水分補給と休養をしながら回復を待つことが基本です。お子さんの状態によっては、入院して酸素や点滴などの治療が必要になることもあります。
自宅でのセルフケア
- 母乳やミルク、経口補水液などでこまめに水分を摂る
- 部屋の湿度を50〜60%に保ち、加湿器を使う
- 十分に休息をとらせ、タバコの煙やほこりを避ける
- 鼻水で呼吸がしにくいときは、鼻吸い器で軽く吸う
- 発熱時は、かかりつけ医の指示を守り、無理に下げようとしない
医療治療
医療機関では、症状に応じて酸素吸入、点滴による水分補給、呼吸を楽にするための吸入治療などが行われます。気管支を広げるお薬や、炎症を抑える治療をすることもあります。具体的な薬の名前や使い方は医師が判断しますので、必ず指示に従ってください。
この病気と共に生きる
回復には時間がかかります。せきは1〜3週間ほど続くこともありますが、無理をせずゆっくり過ごしましょう。熱が下がり、呼吸が楽になってからも、周りの人への感染を防ぐために、手洗いやマスクを心がけてください。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休息をとる
- 室内の空気を清潔に保ち、加湿する
- 周りの人もこまめに手洗い・うがいをする
- タバコを吸う方は、お子さんのいる場所では吸わない
食事と運動
のどが痛いときは、刺激の少ないやわらかい食事を少量ずつ与えましょう。水分をしっかり摂ることが一番大切です。運動は、呼吸が楽になってから、短い時間から徐々に再開しましょう。
精神的健康と心の健康
お子さんが苦しそうにしていると、保護者の方は強い不安やストレスを感じるかもしれません。そのようなときは、ひとりで抱え込まず、パートナーや家族、友人、かかりつけ医に話しましょう。もしご自身の気持ちがつらく、眠れない・食欲がないなど日常生活に支障がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
予防
完全に防ぐことはできませんが、手洗い・うがい・マスク、せきエチケット、部屋の換気と加湿、タバコの煙を避けることで感染のリスクを減らせます。また、感染している人との接触を避けることが大切です。
ワクチン
現時点では、細気管支炎そのものを予防する一般的なワクチンはありません。ただし、RSウイルスによる重症化を防ぐための予防薬が一部の赤ちゃんに使われることがあります。対象となるかどうかは医師にご相談ください。
検診プログラム
特に決まった検査はありません。気になる症状があれば、早めにかかりつけ医に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 肺炎を起こすことがある
- 呼吸が弱くなり、酸素が足りなくなる(呼吸不全)
- 乳児では無呼吸発作が起こることがある
- まれに中耳炎を合併することがある
長期的な見通し
ほとんどのお子さんは1〜2週間で回復し、後遺症もほとんど残りません。重症化した場合でも、適切な医療を受ければよくなります。お子さんの様子をよく観察し、心配なときは早めに相談することが何より大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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