過食症(神経性過食症)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
過食症(神経性過食症)は、短時間に食べることを止められず大量に食べてしまう「むちゃ食い」をくり返し、その後に体重増加を防ごうとして、嘔吐(おうと)や下剤の使用、絶食、激しい運動などを行うことを特徴とする心の病気です。
重要な事実
- 食べることへの強い衝動をコントロールできなくなることがあります
- むちゃ食いした後に、吐く・絶食・過度な運動などで体重増加を防ごうとします
- 体重や体型への強いこだわりや不安を抱えています
- 自分だけで克服しようとせず、専門家の助けを求めることが回復への近道です
過食症は、日本でも一定数に見られる病気です。特に若い女性に多く、正確な数は把握しにくい面もありますが、まれな病気ではありません。
主に10代から20代の女性に多く見られますが、男性や30代以降の方でも発症することがあります。どの年代、どの性別でも起こり得ます。
症状
- むちゃ食いや嘔吐の後に、意識がもうろうとする
- けいれんが起きる
- 強い腹痛や胸の痛みがある
- 吐いたものに血が混じる
- ⚠ひどい脱水や衰弱が疑われる
- ⚠食べ吐きを止められず、体調がとても悪い
- ⚠自分を傷つけるような考えがある
一般的な症状
- 短時間に普段より明らかに多い量を食べてしまう
- 食べている間、止められない感じがする
- 食後に自分で嘔吐したり、下剤や利尿剤を使ったりする
- 食べた後、強い罪悪感や恥ずかしさを感じる
- 体重や体型のことばかり考えてしまう
- 食べることを隠すために、人のいない場所で食べることがある
子供の症状
- 食後にトイレに長くこもる
- 食べ物を隠し持っていたり、ごみ箱に食品の空き袋が多く見られる
- 友人と食事を避けるようになる
- 体重が減ったり増えたりをくり返す
- 勉强や活動への興味が低下する
高齢者の症状
- 肩こりや疲労感、胃の不調など、からだの不調が目立ちやすい
- 食後の嘔吐が習慣化している場合もある
- 体重減少や脱水、体調不良をきっかけに医療機関を受診することが多い
原因
主な原因
- 体重や体型への過度なこだわりと、それにまつわる強い不安
- ストレスや気分の落ち込み、人間関係の悩みなどがきっかけになる
- 拒食症(神経性やせ症)の経過の中で過食症に移行することもある
- 脳の食欲や報酬の調整に関わる機能の乱れが関係していると考えられている
リスク要因
- 体重や外見を過度に気にする環境(モデルやアスリートなど)
- 幼い頃からのダイエット経験
- 完璧主義や自己評価が低い傾向
- 家族や友人に摂食障害の人がいる
- いじめや虐待、大きなストレス体験(トラウマ)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 体重が急激に減っている、または栄養状態がとても悪い
- 自分を傷つけるような考えがある
- からだが衰弱して日常生活が送れない
定期受診を予約すべき場合:
- 食べることをコントロールできないと感じる
- 嘔吐や下剤の使用などの行動をやめられない
- 食べ物や体型についての不安が長く続いている
- 家族や友人から指摘された
診断
医師がお話を聞き、からだの状態を診て診断します。むちゃ食いや嘔吐・下剤の使用などの行動がどのくらい続いているか、体重や体型へのこだわり、気分や生活の様子についてお伺いします。
行われる可能性のある検査
- 身体測定(体重、身長、BMIの確認)
- 血液検査(電解質・栄養状態・肝機能などの確認)
- 心電図検査(心臓への影響を確認)
- 問診(食べる行動、心理状態、生活習慣など)
診察で予想されること
診察では、恥ずかしかったり隠したくなる気持ちもあるかもしれませんが、医師は批判せずにお話を伺います。ありのままを話してもらうことが、正しい診断と治療につながります。
治療
治療の基本は、心とからだの両方をケアすることです。栄養状態を整え、食べる行動の改善に取り組み、感情やストレスへの対処を学ぶことを、専門チームと一緒に進めていきます。
自宅でのセルフケア
- 食事を抜かず、1日3回の食事リズムを作る
- 吐きたくなったときは、その気持ちを日記に書いてみる
- むちゃ食いをした後も自分を責めず、『今日はそういう日だった』と受け止める
- 信頼できる人に気持ちを話す
- 睡眠と休息を十分にとる
医療治療
治療は心理療法(認知行動療法など)が中心となることが多く、食べる行動や考え方のパターンを少しずつ整えていきます。薬物療法は、医師の処方のもとで補助的に行われることがあります。また、入院による栄養管理や、身体合併症への対応が必要な場合もあります。特定の薬剤名をここでは挙げませんが、必ず専門医の指導に従ってください。
この病気と共に生きる
過食症と向き合う日々は、良くなったり悪くなったりをくり返しながら進んでいくことがよくあります。完璧を目指さず、小さな積み重ねを大切にしていきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活リズムを心がける
- 食事の時間を決め、ゆっくり食べる
- ストレス発散の方法をいくつか持つ
- 体重計に毎日乗りすぎない
- カフェインやアルコールを摂りすぎない
食事と運動
極端な食事制限や過度な運動を続けると、むちゃ食いの悪循環を強めることがあります。管理栄養士などの助けを借りながら、自分に合った食べ方と運動量を少しずつ見つけてください。
精神的健康と心の健康
過食症は、うつ病や不安障害を合併することが多く、自己評価の低下や孤独感を強めることもあります。心のつらさを一人で抱え込まず、心理的なサポートを活用してください。
予防
過食症の原因は複雑で、特定の方法で完全に予防することはできません。しかし、食事や体型へのプレッシャーに振り回されず、自分らしさを受け入れる環境づくりや、ストレスへの対処力を育てることは、発症のリスクを下げる一助になる可能性があります。
合併症
治療しない場合
- 電解質の異常から心臓のリズム障害が起こることがある
- 歯の酸蝕症やむし歯、唾液腺の腫れなど、口の中に影響が出る
- 胃食道逆流症や食道の損傷、胃の破裂などの消化器症状
- 低栄養や脱水による体力低下、無月経、骨粗しょう症
- うつ病や自傷行為などの心の病を合併するリスク
長期的な見通し
過食症は、適切な治療と支援があれば、多くの方が回復に向かう病気です。時間がかかることもありますが、無理のないペースで、あなた自身のペースで進んでいけば大丈夫。専門家と一緒に、希望を持って一歩ずつ進みましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年8月13日
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