やけど・熱傷(ねっしょう)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
やけどは、火や熱湯、蒸気、熱いもの、電気、化学薬品などによって皮膚が傷つくことです。医学的には「熱傷(ねっしょう)」と呼ばれます。やけどの深さによって、赤くなる程度の軽いものから、皮膚の奥深くまで傷つく重いものまであります。
重要な事実
- やけどは、皮膚の温度が上がりすぎて細胞が傷つくことで起こります。
- やけどの深さによって、赤くなるだけの軽いものから、皮膚が黒く焦げる重いものまであります。
- 正しい応急手当として「冷やす・清潔に保つ・水ぶくれを潰さない」ことが大切です。
やけどは家庭や職場で起こりやすい、とても身近なけがです。日本でも毎年多くの人がやけどの治療を受けています。
誰にでも起こりますが、特に幼い子どもと高齢者は皮膚が薄く、重症化しやすいため注意が必要です。
症状
- 息苦しさがある
- のどをやけどして、声がれやせきがある
- 顔、首、手、足、関節などに広い範囲のやけどがある
- 皮膚が白や黒に変色し、痛みを感じにくい(深いやけど)
- 電気や化学薬品によるやけど
- 煙を多く吸った
- 意識がもうろうとしている
- 赤ちゃんや高齢者がやけどをし、状態が重そうに見える
- ⚠水ぶくれが大きく、つぶれそう
- ⚠痛みが強く、時間がたっても和らがない
- ⚠傷口から膿(うみ)や嫌なにおいがある
- ⚠やけどの周りが赤く腫れてきた
- ⚠熱が出てきた
- ⚠家庭での手当てに不安がある
一般的な症状
- 皮膚が赤くなる(紅斑)
- ひりひりとした痛みがある
- むくみ(腫れ)がある
- 水ぶくれ(水疱)ができる
- 皮膚が白っぽく、または黒っぽく変色する
- 皮膚が硬く感じる
子供の症状
- 子どもは痛みや熱さを言葉で伝えられず、泣いたり機嫌が悪くなったりする
- 体が小さいため、同じくらいのやけどでも全身に影響が現れやすい
- 乳幼児では顔や首のやけどが呼吸の障害につながることがある
高齢者の症状
- 痛みを感じにくく、やけどに気づきにくいことがある
- 皮膚が薄いため、同じ熱さでも深く傷つきやすい
- 傷の治りが遅く、感染症を起こしやすい
原因
主な原因
- 熱湯、湯気(蒸気)、油など
- 火(ガスコンロ、たばこ、花火など)
- ストーブ、アイロン、やかんなどの熱いもの
- 洗剤、塩素系漂白剤、酸、アルカリなどの化学薬品
- コンセントや電気コードなどによる電気
- 長時間の直射日光(日焼け)
リスク要因
- 幼い子ども(好奇心から熱い物に触れやすい)
- 高齢者(皮膚が薄く、動きが不器用になりやすい)
- 注意力が低下する薬を使っている
- てんかんや心臓病などで発作を起こすことがある
- 調理中や湯沸かし器の使用中にその場を離れる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- やけどが広範囲に及ぶ
- やけどが深く、皮膚が白や黒に変色している
- 顔、首、目、手足の関節などをやけどした
- 電気や化学薬品によるやけどをした
- 破傷風の予防接種をしたかどうかわからない
定期受診を予約すべき場合:
- 水ぶくれが大きくて痛みが強い
- やけどの周りが赤くなってきた
- 痛みが長引く
- 家庭での手当てに自信が持てない
診断
医師はやけどの原因、痛みの程度、皮膚の見た目を確認し、やけどの深さと広さを調べます。やけどは深さによってⅠ度(表皮まで)、Ⅱ度(真皮まで)、Ⅲ度(皮下組織まで)に分けられます。
行われる可能性のある検査
- やけどが浅くて狭い場合は、特別な検査は通常必要ありません。
- 重症の場合は、血液検査、尿検査、心電図検査などが行われることがあります。
診察で予想されること
診察では、やけどした部分を確認し、洗浄と包帯(被覆材)による手当てが行われます。痛みの評価と、破傷風の予防接種歴の確認も行われます。必要に応じて専門の焼傷センターを紹介されることもあります。
治療
治療はやけどの深さと範囲によって異なります。浅くて狭いやけどは自宅でケアしてもよい場合もありますが、深いやけどや広いやけどは医療機関での治療が必要です。
自宅でのセルフケア
- まずは、流水(水道水)で20分ほど冷やします。氷は使わないでください。
- 冷やした後は、清潔な布やラップで覆って保護します。
- 水ぶくれは潰さないようにします。
- きつい衣服やアクセサリーは外します。
- 痛みが強い場合や不安がある場合は、医師や薬剤師に相談します。
医療治療
医療機関では、やけどの洗浄と壊れた組織の除去が行われます。その後、感染を防ぐための被覆材(ドレッシング材)や塗り薬を用いて傷を保護します。強い痛みには適切な痛みの処置が行われます。広い範囲や深いやけどでは、点滴による水分補給や栄養管理、体温の維持などの全身管理が必要になります。
手術が検討される場合
深いやけどでは、壊死した組織を取り除き、健康な自分の皮膚を移植する「植皮術(しょくひじゅつ)」が行われることがあります。広範囲の場合は専門の焼傷センターで治療されます。
この病気と共に生きる
傷が治るまでは、医師の指示に従って包帯や被覆材を交換し、清潔に保つことが大切です。かゆみがあっても掻かず、冷やすなどをして対処しましょう。毎日傷を観察し、赤みや痛みが強くなったら受診してください。
生活習慣のアドバイス
- たばこを吸わない(血行を悪くし、治りを遅くするため)
- 直射日光から傷を守る
- 傷を清潔に保つ
- 医師の指示に従って定期的に通院する
食事と運動
体の回復にはたんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよく含む食事が大切です。水分も十分に取りましょう。運動は医師の許可が出てから、無理のない範囲で始めます。
精神的健康と心の健康
やけどは突然のつらい経験で、落ち込み、不安、眠れないことなどが現れることがあります。時間とともに和らぐことが多いですが、つらい気持ちが続く場合は一人で抱え込まず、医師や心理の専門家に相談してください。もし自分や誰かを傷つけたいような考えが浮かんだ場合は、ためらわずに119番(救急)や相談できる機関に連絡してください。
予防
やけどの多くは防ぐことができます。調理中は火から目を離さない、子どもの手の届く場所に熱いものを置かない、花火は大人の監督のもとで行うなど、小さな注意が大きなけがを防ぎます。
ワクチン
破傷風は傷口から感染する病気で、やけどでも注意が必要です。破傷風の予防接種が10年以上前の場合は、医師に相談しましょう。
検診プログラム
やけどに対する特別な検診はありません。普段から予防を心がけ、もしやけどをした場合は、早めに正しい応急手当をして、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 細菌が傷口に入って化膿(感染)する
- 瘢痕(はんこん)やケロイドなどの傷あとが残る
- 皮膚や関節が引っ張られ、動かしにくくなる拘縮(こうしゅく)
- 広い範囲のやけどで脱水やショックを起こすことがある
長期的な見通し
適切な応急手当と医療を受ければ、多くのやけどはきれいに治ります。深いやけどでも、専門的な治療とリハビリテーションにより、日常生活への復帰が可能です。たとえ傷あとが残っても、最近の医学の進歩で見た目の改善もめざせます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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