子どものやけど(熱傷・湯傷)
概要
やけどは、熱いものに触れたり、熱いお湯や蒸気がかかったりして、皮膚が傷つくことです。湯傷(とうしょう)は、お湯や蒸気などによるやけどのことを指します。子どもは皮膚が薄く、大人よりも重症になりやすいため、早めの手当てと受診が大切です。
重要な事実
- やけどは、熱い液体・蒸気・火・熱い物・電気・薬品などで起こります。
- 子どものやけどは家庭内での事故が多く、特に熱いお茶や浴槽のお湯での事故が目立ちます。
- やけどをしたら、まず流水で冷やし、すぐに医療機関に相談することが大切です。
はい、子どものやけどはとてもよくあるけがの一つです。特に1~2歳の子どもに多く見られます。
主に、動き始めた乳幼児(0~3歳)に多く、家庭内の台所や浴室、居間などで発生します。日頃からの予防と大人の見守りが大切です。
症状
- やけどの範囲が広い(体の10%以上)
- 深いやけど(皮膚が白や黒く、痛みが少ない)
- 顔・手・足・関節・性器のやけど
- 呼吸が苦しそう、のどが焼けている恐れがある
- 意識がない、またはぼんやりしている
- やけどの後にぐったりしている
- ⚠水ぶくれがたくさんある
- ⚠子どもが痛がって泣き止まない
- ⚠やけどを負ったのが1歳未満の赤ちゃん
- ⚠熱いものや薬品などを飲み込んだ可能性がある
- ⚠やけどの後、熱や赤みが増してきて感染が疑われる
一般的な症状
- 痛みと赤み
- 水ぶくれ(水疱)
- 皮膚がむける、白色や黒っぽく見える
- ヒリヒリする感じ
子供の症状
- 泣き続ける、ぐずる
- さわろうとしない、痛がる
- やけどの部分が赤く腫れて水ぶくれができる
- 熱がある(感染を起こした場合)
- やけどの範囲が広いと、ぐったりする・顔色が悪い
高齢者の症状
- 高齢者は皮膚が薄く、同じやけどでも重症になりやすい
- 治りが遅く、感染のリスクが高い
- もともとの病気(糖尿病など)があると、治りに時間がかかることがある
原因
主な原因
- 熱いお茶・コーヒー・味噌汁などの熱い飲み物がかかる
- 浴槽のお湯ややかんの蒸気による湯傷
- ストーブ、アイロン、調理器具などの熱い物に触れる
- 火遊びによる火傷
- 電気コードやコンセントによる感電
- 洗剤などの薬品による化学焼け
リスク要因
- 動き始めて好奇心が強い乳幼児
- 保護者が目を離した隙に起こることが多い
- キッチンの入口やテーブルクロスを引っ張る
- 熱い飲み物や料理を子どもの手の届く場所に置いている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 広い範囲のやけど
- 深いやけど(水ぶくれが破れて皮膚が厚い、白い、黒い)
- 顔・手足・関節・性器のやけど
- お子さんが強い痛みを訴える、または泣き止まない
- はげしい痛みや、しびれがある
定期受診を予約すべき場合:
- 小さなやけどで、水ぶくれがあるが痛みが落ち着いている場合
- 受診してから数日後の経過確認
- やけどのあとの痕が気になる場合
診断
医師は、やけどの範囲と深さ(浅い・深い)を確認し、全身の状態を診察します。やけどをした原因と状況についても質問されます。
行われる可能性のある検査
- 一般的には特別な検査はありません。
- 広いやけどや症状が強い場合は、血液検査や尿検査を行うことがあります。
- 感染が疑われる場合、傷の細菌検査をすることがあります。
診察で予想されること
診察では、やけどした時間や原因、範囲、深さを確認します。その後、冷却や消毒、被覆材(傷を覆う保護材)の処置など、適切な治療方針を説明されます。必要に応じて、専門の医療機関を紹介されることもあります。
治療
やけどをしたら、まず速やかに清潔な流水で冷やします。子どもは大人よりも体温が下がりやすいため、冷やしすぎに注意しながら、20分程度を目安に冷やしてください。冷やした後は、清潔な布やラップで覆い、早めに受診することが大切です。
自宅でのセルフケア
- すぐに流水(15~25℃程度)で20分ほど冷やす
- 熱い衣服を無理に脱がさず、はさみで切るなどして外す
- 水ぶくれはつぶさない
- 清潔なラップや布で軽く覆って保護する
- 市販の軟膏をむやみに塗らず、医師の指示に従う
- 痛みが強いときは、受診して薬の処方を受ける
医療治療
医療機関では、やけどの深さと範囲に応じて、外用薬や専用の被覆材(創傷被覆材)を使った治療を行います。痛みが強い場合は、内服薬や注射で痛みを抑えます。感染のリスクが高いやけどには、抗生物質が処方されることがありますが、ここでは具体的な薬の名前は挙げません。広い範囲のやけどでは、点滴による水分補給や、入院での治療が必要になることもあります。いずれも医師の判断に基づいて行われます。
手術が検討される場合
皮膚の深い部分までのやけどで、自然に治りにくい場合は、手術が必要になることがあります。壊れた皮膚を切り取り、健常な皮膚を移植する「植皮術(しょくひじゅつ)」があります。これは専門の医療機関で行われます。
この病気と共に生きる
やけどが治るまでの間は、傷を清潔に保ち、医師に言われた通りに薬や被覆材を交換してください。傷は乾燥させず、湿った状態を保つと治りが良くなります。子どもがかきむしらないよう、注意して見守りましょう。
生活習慣のアドバイス
- 入浴時は、やけど部分を強くこすらない。
- 日頃から子どもの手の届く場所に熱い物を置かない。
- やけどをした後は、患部を指でさわったり、自分で薬を塗ったりしない。
- 家族みんなで火や熱い物の扱いに注意する習慣を持つ。
食事と運動
特に食事制限はありません。やけどが治る時期は、皮膚のための栄養を補うために、バランスの良い食事をしっかりとりましょう。運動は、傷がふさがるまでは激しいものを避け、医師の許可が出てから行ってください。
精神的健康と心の健康
子どもがやけどを負うと、保護者は罪悪感や不安を感じることがあるかもしれません。また、子ども自身も痛みや処置の経験でとても怖い思いをします。まずは保護者が落ち着いて、子どもに安心できる言葉をかけてください。必要なら、医師や看護師に気持ちを相談しましょう。
予防
はい、多くのやけどは予防できます。日頃から熱い物の管理や子どもから目を離さないこと、そして家の中の安全対策を行うことが重要です。
合併症
治療しない場合
- 感染症(傷口から細菌が入り、化膿する)
- 傷あと(ケロイド)が残る
- やけどが深い場合、皮膚の引っ張りによる関節の動きの制限(拘縮)
- 広いやけどでは、水分不足(脱水)や体温低下
長期的な見通し
適切な治療が行われれば、軽度~中等度のやけどは数週間で治り、日常生活に戻れます。深いやけどでも、医療機関の治療とリハビリによって、多くの場合、機能や外見の改善が期待できます。焦らず、医師と相談しながら回復を目指しましょう。
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最終更新: 2026年10月20日
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