大麻使用症(マリファナ使用障害)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
大麻(マリファナ)を使い続けることで、やめたくてもやめられなくなったり、生活に問題が出ても使うことをやめられなくなる状態を「大麻使用症」といいます。これは、意志が弱いのではなく、脳の働きが変化する「依存症(アディクション)」という病気の一つです。
重要な事実
- 大麻使用症は「依存症」の一種で、治療やサポートで回復を目指せます。
- 禁断症状(使うのをやめた時に出る不快な症状)はありますが、適切な支援を受けることで乗り越えられます。
- 治療は主にカウンセリングや行動療法などの心理的支援が中心です。
大麻を使う人のうち、およそ10人に3人程度が大麻使用症になると言われています。日本では違法ですが、世界的には多くの人が経験する症状です。
10代後半から30代の若い世代に多くみられますが、どの年齢でも起こる可能性があります。
症状
- 自分や他人を傷つける考えがある
- 強い幻覚(見えないものが見えるなど)や妄想
- 激しい胸の痛み、息苦しさ
- 意識がもうろうとする、またはけいれん
- 嘔吐や発熱が続く
- ⚠激しい不安やパニック状態が続く
- ⚠抑うつ状態で食欲や睡眠が大きく乱れている
- ⚠大麻をやめようとして、強い体調不良がある
- ⚠家族や周囲から見て、明らかに様子がおかしく、対応に困っている
一般的な症状
- 大麻を使う量や回数が増える
- やめようと思ってもやめられない
- 使っていないとイライラしたり、不安になったりする(禁断症状)
- 仕事や学校、家事などに支障が出ているのに使い続ける
- 使うために大切な予定や約束を犠牲にする
- 同じ効果を得るために、より強いものや量が欲しくなる(耐性)
子供の症状
- 学校の成績が落ちる
- 友達や家族とのトラブルが増える
- 無気力になったり、興味や意欲を失う
- 嘘をつく、隠し事が増える
- 極端な気分の浮き沈み
高齢者の症状
- 物忘れや判断力の低下
- めまいやふらつきによる転倒リスク
- 心臓や肺の病気を持つ方は、症状の悪化
- 薬との相互作用による体調変化
- 日常生活の活動量が減る
原因
主な原因
- 脳の報酬系(快感ややる気に関わる仕組み)が大麻の成分によって変化する
- 遺伝的な要因(依存症になりやすい体質)
- ストレスやトラウマ、心の病気の影響
- 周囲の環境(大麻を使う仲間や家庭環境など)
- 脳の発達が未熟な若い時期の使用
リスク要因
- 10代で使い始める
- 毎日または高頻度で使う
- 他の依存症や精神疾患の経験がある
- 家庭や学校、職場でのサポートが乏しい
- 大麻を使う人が身近にいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 自分や他人を傷つける考えがある
- 暴力やパニック状態が続く
- 体調の急変(胸の痛み、意識障害など)がある
定期受診を予約すべき場合:
- 大麻をやめたいが、一人では難しい
- 使用を減らせない自分がいる
- 家族や友人に心配されている
- 気分の落ち込みや不安が続く
診断
医師が患者さんの話を聞き、大麻の使用状況や生活への影響を詳しく評価します。特定の血液検査や画像検査で確定するものではなく、国際的な診断基準に基づいて判断されます。
行われる可能性のある検査
- 医師による問診(使用量、頻度、期間、生活への影響)
- 精神状態や気分の評価
- 必要に応じて尿検査(医療機関での治療効果の判定などに使うことがありますが、診断の決め手ではありません)
- 他の依存症や精神疾患がないかの確認
診察で予想されること
診察では、使っている薬や健康状態についても聞かれます。医師はあなたを評価するために正直な情報を求めることが大切です。診断は数回の通院で行われることが多く、すぐに治療計画が提案されます。あなたの状況に合わせて、無理のないペースで進められます。
治療
大麻使用症の治療は、主に外来でのカウンセリングや心理療法が中心です。医療機関だけでなく、相談機関や自助グループなどを組み合わせて行うこともあります。治療の目標は、大麻の使用を「やめる」あるいは「減らす」ことで、あなたが望む生活を取り戻すことです。
自宅でのセルフケア
- 家族や信頼できる友人に話し、サポートを得る
- 大麻を使う場所や人を避ける
- ストレスをためないように、散歩や趣味などの代替行動を見つける
- 睡眠や食事を整え、規則正しい生活を心がける
- 飲酒や他の依存物質を控える
医療治療
現在、大麻使用症に対して特別に承認された薬はありませんが、不安や抑うつ、睡眠障害などに対して薬が使われることがあります。また、カウンセリングや認知行動療法(考え方や行動のバランスを整える治療法)など、心理的支援の有効性が示されています。医師はあなたの状態に合わせて、薬によるサポートと心理的支援の両方を提案することがあります。
手術が検討される場合
この疾患に対して、手術は行われません。
この病気と共に生きる
回復の過程は人によって異なります。再発(使ってしまうこと)は珍しくなく、失敗ではなく学びの一つと考えることが大切です。毎日を乗り越えるために、小さな目標を立てて、それを達成していくことをおすすめします。
生活習慣のアドバイス
- 趣味や運動など、大麻の代わりになる楽しみを見つける
- 大麻を使っていた時間帯に別の活動を予定する
- 禁断症状が出ても、一時的なものだと理解し、乗り越える
- 日記をつけて、自分の気持ちやきっかけを振り返る
- 必要ならサポートグループや相談窓口を利用する
食事と運動
栄養バランスのよい食事と適度な運動は、脳と心の回復を助けます。特に、ビタミンB群やオメガ3脂肪酸を含む食品(魚やナッツなど)は、神経の健康に良いとされています。激しい運動ではなく、歩くことから始めましょう。
精神的健康と心の健康
大麻使用症は、うつ病や不安障害などの心の病気と深く関係しています。また、治療の過程で気分の落ち込みやイライラが現れることもあります。感情を受け止め、必要に応じて専門家に相談することが回復への道です。
予防
大麻使用症を確実に予防する方法はありませんが、リスクを下げることはできます。特に、成長期の脳への影響を考慮し、未成年者が大麻に手を出さないことが重要です。教育と早めの相談が予防につながります。
合併症
治療しない場合
- 依存がさらに進み、仕事や学業、人間関係の喪失
- うつ病や不安障害などの精神疾患の発症や悪化
- 記憶力や注意力の持続的な低下
- 事故や外傷のリスク増加
- 他の違法薬物や依存物質への移行
長期的な見通し
大麻使用症は、適切な治療とサポートを受けることで多くの人が回復できる病気です。たとえ再発しても、もう一度歩み直せます。希望を持って、一歩ずつ進んでいきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月14日
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