子宮頸がん検診
概要
子宮頸がん検診は、子宮の入り口(子宮頸部)にできるがん、またはがんになる前に見つけられる「前がん病変」を早期に見つけるための検査です。これにより、子宮頸がんを予防したり、初期のうちに治療したりすることを目的としています。
重要な事実
- 子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)という、性感染するウイルスが主な原因です。
- 前がん病変の段階で見つければ、がんになる前に治療できる可能性が高いです。
- 日本では、20歳以上を対象に、2年に1回の検診が推奨されています(厚生労働省)。
子宮頸がんは、日本では毎年約1万人の女性がかかり、約2,800人が亡くなると推定されています。特に、20代から30代の若い女性で増えています。
性経験のある女性は誰でもかかる可能性があります。特に20代から30代の女性に多いですが、閉経後にも見られます。HPVワクチンと定期検診で予防できるがんです。
症状
- 大量の出血が止まらず、シートや衣類が濡れるほどの量がある(すぐに119番へ)
- 出血に加えて、めまいや立ちくらみ、意識が遠くなる感じがある(すぐに119番へ)
- 突然の激しい腹痛を伴う出血がある(すぐに119番へ)
- ⚠性交時や検診後に、いつもと違う出血が続く
- ⚠普段と違うおりもの(色、におい、量)が続く
- ⚠下腹部や腰に強い痛みがある
一般的な症状
- 初期の子宮頸がんや前がん病変では、ほとんどの場合、自覚症状がありません。
- がんが進行すると、不正出血(生理中ではないのに出血する)が見られることがあります。
- 性交時の出血や、おりものの量・においの変化が現れることもあります。
- 腰や骨盤の痛みなどの症状が出る場合もあります。
子供の症状
- 検診は原則20歳以上を対象としています。子どものうちに検診が必要になることはありません。
- 10代後半からは、HPVワクチン(定期接種)が推奨されています。
高齢者の症状
- 閉経後も出血やおりものの異常がなければ検診を受ける必要があります。
- 年齢が上がるにつれて子宮頸がんのリスクは高まるため、セルフチェックと合わせて定期検診を続けることが大切です。
原因
主な原因
- 子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスへの感染が原因です。
- HPVは多くの人が一生に一度は感染しますが、ほとんどの場合、自然に消えます。一部の感染が長く続くと、がんになることがあります。
- 喫煙や、免疫力が低下する病気や状態があると、感染が長引くリスクが高まります。
リスク要因
- 複数の性パートナーがある、または性交経験が早い
- 経口避妊薬の長期使用(間接的なリスクとされています)
- 免疫の低下(HIV感染や臓器移植後など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 大量の出血や激しい腹痛がある場合は、すぐに医療機関に連絡してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 検診の対象年齢になったら、自治体が案内する時期に定期的に検診を受けましょう。
- 気になる症状がなくても、2年に1回を目安に受けることが勧められています。
診断
検診では、子宮頸部の細胞を特殊なブラシでこすり取る「細胞診」を行います。必要に応じて、HPV検査(ウイルス感染の有無を調べる)を同時に行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 細胞診(パパニコロウ検査ともいいます)
- HPV検査(高リスク型HPVに感染しているかを調べます)
- コルポスコピー(拡大鏡で子宮頸部を詳しく観察する精密検査)
- 組織診(異常が見られる部分を少し切り取って、顕微鏡で調べる検査)
診察で予想されること
検診は専用の台に寝た状態で行います。医師が膣に器具を入れ、子宮頸部を確認してから、ブラシで軽く細胞をこすり取ります。痛みは「チクッ」とする程度で、通常2〜3分で終わります。検査後、おりものに血が混じることがありますが、多くは数日で落ち着きます。
治療
検診で異常が見つかっても、すぐにがんというわけではありません。異形成という前がんの段階では、経過観察や簡単な治療で済むことが多いです。がんと診断された場合も、進行度に合わせて治療法があり、早期であれば治る可能性が高いです。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示に従い、定期的に通院しましょう。
- 禁煙をしましょう。喫煙は治療効果を下げる可能性があります。
- 十分な睡眠と規則正しい生活で免疫力を保ちましょう。
- 感染症予防のため、医師の指示がない限り、性交は控えるか、コンドームを使いましょう。
医療治療
異常な細胞がとどまっている場合は、子宮頸部の一部を円錐状に切り取る治療(円錐切除術)が行われます。がんが進行している場合は、子宮を摘出する手術や、放射線治療、抗がん剤治療などがあります。治療はがんの進行度や年齢、将来の妊娠希望などを考慮して選択されます。詳しくは担当医とよく話し合いましょう。
手術が検討される場合
高度な異形成や初期の子宮頸がんでは、子宮を残せる手術(円錐切除術)が選ばれることがあります。進行したがんでは、子宮の摘出が必要になることもありますが、医師と十分に相談することが大切です。
この病気と共に生きる
検診で異常を指摘されても、治療をしながら普段の生活をほとんど変えずに過ごせる方が多いです。治療中は通院が増えることもありますが、仕事や家事を続けながら治療できる方法も多くあります。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙しましょう。
- バランスのよい食事、適度な運動を心がけましょう。
- 十分な睡眠とストレス対策をとりましょう。
- 治療が終わっても、定期検診を続けましょう。
食事と運動
特別な食事制限はありません。野菜や果物、たんぱく質をバランスよくとることや、ウォーキングなどの軽い運動で体力を保つことが大切です。
精神的健康と心の健康
検診の結果を待つ間や、異常を指摘されたときは、不安や恐怖を感じるのは自然なことです。その気持ちを一人で抱え込まず、医師や看護師、家族に話しましょう。不安なときは、心の専門家に相談することもできます。
予防
子宮頸がんは、HPVワクチンによる感染予防と、定期的な検診による早期発見・早期治療で、かなり予防できるがんです。
ワクチン
HPVワクチンは、子宮頸がんの主な原因であるHPVの感染を予防します。日本では、中学1年生から高校1年生相当の女子を対象に定期接種が行われています。接種の時期や対象については、自治体や医療機関にご相談ください。
検診プログラム
20歳になったら、2年に1回を目安に子宮頸がん検診を受けましょう。検診は異形成というがんになる前の変化を見つけるのに役立ちます。
合併症
治療しない場合
- 前がん病変を放置すると、時間をかけて子宮頸がんに進行することがあります。
- がんになると、子宮の周りの臓器やリンパ節に広がることがあります。
- 進行すると、出血や痛み、腎機能への影響などの合併症が出ることがあります。
長期的な見通し
子宮頸がんは、早期に発見できれば治る可能性がとても高いがんです。検診で見つかる前がん病変の段階では、がんになる前に治療を終えられることも多くあります。定期的な検診が、あなたの将来の健康を守る大きな力になります。
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最終更新: 2026年8月14日
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