シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)は、遺伝子の異常によって末梢神経(脳や脊髄から手足へ伸びる神経)がうまく働かなくなる病気です。その結果、手足の筋肉が少しずつ弱くなったり、感覚がにぶくなったりします。進行はとてもゆっくりで、命にかかわることはほとんどありません。
重要な事実
- 遺伝性の病気ですが、症状の出方や進行の速さは人によって大きく異なります。
- 完治させる治療法はまだありませんが、リハビリや装具・補助具などで日常生活を快適に保つことができます。
- 発症は子ども時代から成人後までさまざまで、多くは10代までに気づかれます。
まれな病気で、おおよそ2,500人に1人の割合とされています。ただし、症状が軽いために診断されていない人もいるのではないかと考えられています。
男女を問わず、どの年代でも発症する可能性があります。多くの場合、小児期から青年期に最初の症状が現れますが、成人してから気づく方も少なくありません。
症状
- 突然の呼吸困難や胸の痛み
- 意識の喪失・強い意識の低下
- 片側の手足の麻痺やろれつが回らないなど、脳卒中のような症状
- ⚠高熱を伴う感染症
- ⚠急に歩けなくなった、手足が急に動かせなくなった
- ⚠強い痛みやしびれが急に現れた、または悪化した
一般的な症状
- 足の変形(高アーチや扁平足)
- 足の筋肉の萎縮(ふくらはぎが細くなるなど)
- 足が上がらずにつまづきやすい
- 足や手の感覚がにぶくなる、しびれる
- 手の筋肉の萎縮や細かい動作がしにくい
子供の症状
- つま先で歩くことがある
- よく転ぶ、走るのが苦手
- 足の形がほかの子どもと違うと指摘される
- 運動音痴だと思われがち
高齢者の症状
- 筋力低下がより進行しやすくなる
- 転倒のリスクが高まる
- 手の細かい作業(ボタンかけなど)が難しくなる
- 感覚の低下によりやけどやけがに気づきにくい
原因
主な原因
- 遺伝子の異常が原因で、末梢神経が正しく機能しなくなります。
- 遺伝のパターンにはいくつかの種類があり、親から子へ受け継がれることが多いですが、家族に患者がいなくても発症することがあります。
リスク要因
- 家族(親、兄弟姉妹、子ども)に同じ病気の人がいる場合、発症のリスクが高まります。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に手足が動かせなくなった場合
- 呼吸が苦しくなるなどの症状がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 歩きにくい、つまづきやすい、足の変形がある、手足のしびれが続くなどの症状がある場合
- 気になる症状がある場合や、家族にCMTの人がいて心配な場合
診断
診察、家族歴の確認、神経の電気的検査(神経伝導速度検査)、遺伝子検査などを組み合わせて総合的に診断します。
行われる可能性のある検査
- 神経伝導速度検査
- 筋電図検査
- 遺伝子血液検査
- 必要に応じて神経生検など
診察で予想されること
診断には数週間から数ヶ月かかることがあります。専門医(脳神経内科や整形外科)による丁寧な評価が行われ、必要に応じて遺伝カウンセリングも受けられます。
治療
根本的に治す治療法はまだありませんが、症状を和らげ、生活の質を保つための治療が中心となります。リハビリテーションや装具、日常生活の工夫などが重要な役割を果たします。
自宅でのセルフケア
- 理学療法士などと相談しながら、無理のない範囲で筋肉を保つ運動を行う
- 足の装具(短下肢装具)や履きやすい靴を活用する
- 転倒しないよう、家の中の段差をなくす、手すりをつけるなどの環境整備をする
- 手のしびれや筋力低下がある場合は、使いやすい道具や自助具を取り入れる
医療治療
痛みやしびれなどの症状に対して、医師が適切な薬を処方することがあります。また、リハビリテーションや作業療法も行われます。具体的な薬の名前や用量は医師と相談して決めることが大切です。
手術が検討される場合
足の変形が強く、歩行に大きな支障がある場合や、痛みが続く場合には、整形外科で手術が検討されることがあります。必要かどうかは専門医とよく話し合って決めます。
この病気と共に生きる
装具や靴の工夫、リハビリを続けることで、多くの方は日常生活を保つことができます。疲れやすいため、無理をせず、休憩を取りながら活動することが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 定期的なリハビリや適度な運動
- バランスの良い食事
- 禁煙・節酒(喫煙や過度の飲酒は神経に悪影響を与えることがあります)
- 十分な睡眠と休息
食事と運動
バランスの良い食事を心がけるとともに、筋肉を保つための軽い運動(歩行や水中運動など)を継続することが推奨されます。運動内容については、理学療法士や医師に相談して自分に合った方法を見つけましょう。
精神的健康と心の健康
慢性の病気と向き合うことは、時にはつらい気持ちや不安をもたらすことがあります。気分の落ち込みが続く場合は、一人で抱え込まず、かかりつけ医や精神保健の専門家に相談してください。もし自殺願望や危機的な気持ちがわいたときは、すぐに医療機関や地域の精神保健センターなどに連絡しましょう。
予防
遺伝性の病気のため、発症そのものを予防することはできません。ただし、適切な治療や生活の工夫によって、症状の進行を遅らせたり、合併症を防いだりすることは可能です。
ワクチン
一般的な定期予防接種は、感染症から体を守るために大切です。受けられる時期や種類については、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
家族にCMTの人がいる場合、遺伝カウンセリングや発症前の遺伝子検査について医師に相談することができます。受けるかどうかは、ご自身の意思で決められます。
合併症
治療しない場合
- 転倒による骨折やけが
- 筋力低下の進行による歩行困難
- 足の変形の悪化
- 手の機能低下による日常生活の支障
長期的な見通し
この病気はゆっくりと進行しますが、多くの人が歩行能力を長く保ち、仕事や趣味を続けることができます。適切なケアとサポートがあれば、充実した生活を送ることは十分可能です。平均寿命に大きな影響はありません。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月14日
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