高コレステロールと言われたら — その後の生活と管理
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
コレステロールは、体の細胞やホルモンを作るために必要な脂質(あぶら)の一種です。しかし、血管の中に増えすぎると、血管の壁にたまって動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気のリスクを高めます。「コレステロールが高い」と診断されたら、生活習慣を見直し、必要に応じて薬で管理することが大切です。
重要な事実
- コレステロールには「悪玉」と「善玉」があり、そのバランスが重要です。
- 高コレステロール自体には自覚症状がないことがほとんどです。
- 早期発見と適切な管理で、心臓や脳の病気のリスクを大きく減らせます。
はい。日本では成人の約3人に1人が脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の値が基準から外れた状態)と言われています。決して珍しいことではありません。
中高年に多く見られますが、近年は若い世代でも、食習慣の乱れや運動不足によって増えています。閉経後の女性や、家族に高コレステロールの人がいる場合もリスクが高くなります。
症状
- 胸の強い痛みや圧迫感が5分以上続く
- 痛みが腕やあご、背中に広がる
- 突然の息苦しさ、冷や汗、めまい、意識がもうろうとする
- 体の片側のまひやしびれ、ろれつが回らない、顔のゆがみ(脳卒中のサイン)
- このような症状があるときは、すぐに119番に連絡してください。
- ⚠高コレステロールと診断されており、胸の不快感や動悸が時々ある
- ⚠めまいや立ちくらみが続く
- ⚠足のむくみや痛みがある
- ⚠このような症状がある場合は、当日中に医師の診察を受けてください。
一般的な症状
- 通常、高コレステロール自体に自覚症状はありません。
- ただし、動脈硬化が進むと、胸の痛みや息切れなどが現れることがあります。
子供の症状
- 子どもの場合も、自覚症状はほとんどありません。まれに、遺伝性の病気では皮膚やまぶたに黄色いしこり(黄色腫)ができることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、動脈硬化による胸の痛み、ふらつき、歩行時の息切れなどに注意が必要です。
原因
主な原因
- 飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の多い食事(肉の脂身、バター、揚げ物、菓子類など)
- 運動不足
- 飲酒の過剰摂取
- 遺伝的な要因(家族性高コレステロール血症など)
- 甲状腺疾患や糖尿病などの別の病気による影響
リスク要因
- 肥満(特に内臓脂肪型肥満)
- 喫煙・飲酒の習慣
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の痛みや圧迫感が突然現れた
- 言葉が出にくい、手足が動かしにくい、顔がゆがむなどの脳卒中の症状がある(すぐに119番)
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断でコレステロールの再検査を勧められた
- 家族に心筋梗塞や脳卒中を起こした人がいる
- 糖尿病や高血圧と言われている
- コレステロールの薬を処方されているが、飲み忘れが多い
診断
血液検査で、LDLコレステロール(悪玉)、HDLコレステロール(善玉)、中性脂肪の値を調べます。一般的には、健康診断や人間ドックで見つかることが多いです。
行われる可能性のある検査
- LDLコレステロール(悪玉)値
- HDLコレステロール(善玉)値
- トリグリセライド(中性脂肪)値
- 血糖値やヘモグロビンA1c(糖尿病の有無を確認するため)
- 血圧測定
- 必要に応じて動脈硬化の検査(頸動脈エコーなど)
診察で予想されること
診察では、まず採血を行い、その結果とあなたの年齢・血圧・喫煙歴などをあわせて、心筋梗塞や脳卒中になる将来のリスクを評価します。その後、生活習慣の改善方法について具体的なアドバイスがあります。
治療
治療の基本は、食事や運動などの生活習慣の改善です。それでも数値が改善しない場合や、動脈硬化のリスクが高い場合は、医師の指導のもとで薬を使うこともあります。薬はあなたの状態に合わせて処方されます。絶対に自己判断でやめないでください。
自宅でのセルフケア
- 野菜や果物、魚、大豆製品を積極的に食べる
- 肉の脂身、バター、ラード、揚げ物などは控えめにする
- 有酸素運動(ウォーキングや水泳など)を1日30分、週に5回以上を目安に行う
- 禁煙を心がける
- 飲酒は適量(1日1合程度)に抑える
- 規則正しい睡眠とストレス管理
医療治療
薬による治療では、主に肝臓でのコレステロール合成を抑える薬や、小腸からのコレステロール吸収を抑える薬などが用いられます。どの薬を使うかは、あなたのLDLコレステロール値やほかの病気の有無などによって医師が決めます。服用中は定期的な採血を受け、医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
高コレステロールそのものに対する手術は通常ありません。ただし、動脈硬化が進んで狭心症や心筋梗塞を起こしている場合は、カテーテル治療やバイパス手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
高コレステロールと診断されても、日々の生活の中で少しずつ習慣を変えていけば大丈夫です。継続することが何より大切です。かかりつけ医と相談しながら、無理のない目標を立てましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に食事をとり、食べ過ぎない
- 食事は最初に野菜から食べる、よく噛むなどの工夫をする
- 通勤のひと駅分を歩くなど、日常の中でからだを動かす
- タバコは吸わない、周りの煙も避ける
- ストレスはため込まず、趣味や人との交流を楽しむ
食事と運動
食事は、魚・大豆・野菜・果物を中心にした和食がおすすめです。ただし、塩分と糖分の取りすぎに注意しましょう。運動は、歩く・泳ぐ・自転車など、息がはずむ程度の有酸素運動を、無理のない範囲で続けてください。
精神的健康と心の健康
「薬を飲み続ける」ことに不安や負担を感じる人も少なくありません。しかし、何年も先の健康を守るための投資だと考えましょう。気になることや不安なことは、一人で抱え込まず、医師や薬剤師、家族に相談してください。
予防
高コレステロール自体は、生活習慣の改善である程度予防できます。ただし、遺伝的な要因がある場合は、早期からの管理が重要です。診断後も、治療を続けることで合併症を予防できます。
ワクチン
高コレステロールに直接関係するワクチンはありません。ただし、インフルエンザや肺炎のワクチンは、心臓や血管の病気の悪化を防ぐためにも接種を検討するとよいでしょう。
検診プログラム
日本では、特定健診(メタボ健診)や職場・学校の健診で、20歳以上の人を対象にコレステロール値を定期的にチェックすることが推奨されています。年に1回は血液検査を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞などの心臓病を起こす
- 脳卒中(脳梗塞や脳出血)のリスクが高まる
- 大動脈瘤や閉塞性動脈硬化症(足の血管の病気)なども起こりやすくなる
長期的な見通し
高コレステロールは、きちんと治療すれば合併症のリスクを大きく下げられる病気です。生活習慣の改善と医師の指導のもとで治療を続ければ、多くの人が安心して生活できます。あせらず、一歩ずつ取り組みましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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