コレステロールのフォローアップケア
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
コレステロールは血液中に含まれる脂質の一種です。体の細胞を作るために必要な成分ですが、多すぎると血管の壁に溜まって血液の流れを悪くし、心筋梗塞や脳卒中などの原因になります。フォローアップケアとは、コレステロールが高い人や治療中の人が、定期的に血液検査と診察を受け、生活習慣を見直し、必要に応じて薬を調整しながら、コレステロール値を健康的な範囲に維持するためのケアです。
重要な事実
- コレステロールには「悪玉」と言われるLDLと「善玉」と言われるHDLがあります。LDLが多すぎると血管の病気のリスクが上がります。
- 高コレステロールは自覚症状がないことが多く、血液検査で初めて気づくことがほとんどです。
- 生活習慣の改善と、医師が処方する薬を正しく続けることで、心筋梗塞や脳卒中のリスクを大きく減らすことができます。
日本では、コレステロールが高い人は多く、特に40代以上の男性と、閉経後の女性に多いと報告されています。健康診断で指摘される方も少なくありません。
家族にコレステロールが高い人や心臓病の人がいる方、脂っこい食事を好む方、運動不足の方、肥満がある方、喫煙する方などに多く見られます。
症状
- 胸の中央が締め付けられるような強い痛みが5分以上続く
- 強い息苦しさと冷や汗が出る
- 片方の手足が動かない、言葉が話しにくい、顔がゆがむなど脳卒中の症状がある
- ⚠胸の痛みや違和感が数分続き、繰り返し起こる
- ⚠階段を上るなど普段の動作で動悸や息切れが強くなった
一般的な症状
- 高コレステロール自体には、通常、自覚症状はありません。
- 血管の中では動脈硬化が静かに進行することがあります。
子供の症状
- 子どもの場合も症状はほとんどありませんが、まれに家族性の高コレステロール血症があると、皮膚や目の周りに黄色い脂肪のしこり(黄色腫)が出ることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者でも自覚症状はほとんどありませんが、動脈硬化が進むと、動悸、息切れ、けん怠感などが現れることがあります。
原因
主な原因
- 遺伝的な体質(家族性高コレステロール血症など)
- 飽和脂肪酸の多い食事(脂身の多い肉、バター、ラード、揚げ物など)
- 運動不足、肥満、喫煙、過度の飲酒
リスク要因
- 糖尿病、高血圧、慢性腎臓病などの持病がある
- 両親や兄弟姉妹などに心臓病や脳卒中になった人がいる
- 40歳以上である
- 閉経後の女性である
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の痛み、圧迫感、違和感がある
- 突然の息切れ、めまい、意識がもうろうとする
- 脳卒中の症状(片側の麻痺、言葉の障害、ろれつが回らないなど)が現れた
定期受診を予約すべき場合:
- コレステロールの治療を受けている方は、医師の指示に従って定期的に血液検査と診察を受ける
- 健康診断でコレステロールの異常を指摘されたら、医療機関を受診する
- 生活習慣の改善を始めたら、3〜6か月後を目安に再検査する
診断
血液検査(脂質検査)で診断します。多くの場合、朝食を食べずに空腹時で採血します。
行われる可能性のある検査
- 総コレステロール
- LDLコレステロール(悪玉)
- HDLコレステロール(善玉)
- トリグリセライド(中性脂肪)
診察で予想されること
採血は数分で終わり、結果は数日以内にわかります。医師は結果とあなたの年齢、持病、喫煙習慣などを総合的に評価し、治療の目標値や方法を一緒に決めていきます。
治療
治療の目標は、LDLコレステロール(悪玉)を下げ、HDLコレステロール(善玉)を保つことです。まずは食事や運動などの生活習慣を改善し、それでも目標値に達しない場合は薬を使うことを検討します。
自宅でのセルフケア
- 脂身の多い肉や揚げ物、バターなどの飽和脂肪酸を控える
- 魚、野菜、果物、大豆製品、全粒穀物を積極的に食べる
- 週に150分程度の有酸素運動(早足歩きなど)を目指す
- 禁煙をする
- 適正体重を維持する
医療治療
薬による治療では、肝臓でのコレステロールの産生を抑える薬や、腸からのコレステロールの吸収を抑える薬などがあります。医師が処方する薬は、指示された用法・用量を守って、長く続けることが大切です。
手術が検討される場合
コレステロールそのものを手術で治療することはありません。ただし、コレステロールが原因で動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞、脳卒中を起こした場合は、血管を広げるカテーテル治療やバイパス手術が必要になることがあります。その場合は担当医が詳しく説明してくれます。
この病気と共に生きる
コレステロールの管理は長く続くことが多いですが、毎日の生活の中で無理なく取り組むことが成功の鍵です。薬を服用している方は、飲み忘れないように工夫し、定期的な通院を欠かさないようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 決まった時間に薬を飲む(飲み忘れ防止のため)
- 食事は野菜を先に食べるなど、食べる順番を工夫する
- ウォーキングや自転車などの有酸素運動を習慣にする
- ストレスをためないよう、趣味や休息の時間をつくる
- 定期的に血液検査を行い、経過を記録する
食事と運動
食事では、肉の脂身やバター、ラードなどの飽和脂肪酸を減らし、青魚(サバ、サンマ、サーモン)、オリーブオイル、ナッツ類などの不飽和脂肪酸を適度に取り入れましょう。食物繊維(野菜、海藻、こんにゃく、全粒穀物)もコレステロールの吸収を抑えるのに役立ちます。運動は1日30分、週5日以上の早足歩きを目安に、無理のない範囲で続けましょう。
精神的健康と心の健康
心臓病や脳卒中への心配から、不安やストレスを感じることは自然なことです。その気持ちが長く続いたり、日常生活に影響するようであれば、遠慮なく医師や看護師に相談してください。心の健康を保つことも、治療を続ける上で大切です。
予防
すべての人を予防することはできませんが、健康的な生活習慣を続けることで、多くの高コレステロールを予防できます。特に、バランスの良い食事、定期的な運動、禁煙、適正体重の維持が効果的です。
検診プログラム
年に1回は健康診断を受けることをおすすめします。日本では40歳以上の方に対し、特定健康診査(メタボ健診)が行われています。すでにコレステロールが高いと言われた方は、医師の指示に従って定期的に血液検査を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 心筋梗塞(心臓の血管が詰まる)
- 脳卒中(脳の血管が詰まる、または破れる)
- 閉塞性動脈硬化症(足の血管が細くなり、歩行が難しくなる)
長期的な見通し
コレステロールを適切に管理することで、心筋梗塞や脳卒中のリスクを大幅に減らせることが多くの研究で示されています。治療は長く続くこともありますが、多くの方が普通の日常生活を送りながら、健康を維持しています。医師と一緒に無理なく続けられる方法を見つけていきましょう。
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地域の団体
- 日本動脈硬化学会 · 日本
- 日本循環器学会 · 日本
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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