子どものコレステロールについて
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
コレステロールは、体の細胞やホルモンを作るために必要な脂質(脂肪の一種)です。ただし、特に悪玉(わるだま)と呼ばれるLDLコレステロールが多すぎると、血管の壁にたまって将来の心臓病や脳卒中のリスクを高めることがあります。子どもの場合でも、遺伝や生活習慣の影響でコレステロール値が高くなることがあります。
重要な事実
- 子どもの高コレステロールは、多くの場合症状がなく、血液検査で初めてわかります。
- 家族に心臓病や高コレステロールの人がいると、子どももリスクが高くなります。
- 健康的な食事と運動で、子どものコレステロール値は改善できることが多いです。
- ごく一部の子どもでは、遺伝性の病気(家族性高コレステロール血症)が原因の場合もあります。
子どもの高コレステロールは、大人ほど一般的ではありませんが、肥満の増加に伴って増えています。日本では約5〜10%の子どもが脂質異常(コレステロールや中性脂肪の値が基準範囲を外れる状態)とされています。
主に、両親や近い親族に心臓病や高コレステロールの人がいる子ども、肥満傾向の子ども、不健康な食事(高脂肪・高糖質)を続けている子どもに多く見られます。また、糖尿病や腎臓病などの病気を持っている子どもも影響を受けやすいです。
症状
- 胸の痛み、圧迫感、息切れが突然現れた場合(心臓発作の可能性があるため、すぐに119番)
- 意識を失った場合
- 激しい頭痛やろれつが回らないなどの脳卒中の兆候
- ⚠持続する胸の不快感や動悸(心臓の鼓動が速く感じる)
- ⚠めまいや立ちくらみが頻繁に起こる
- ⚠皮膚に黄色いコブや発疹が急に現れた
一般的な症状
- 高コレステロール自体には、通常はっきりした症状はありません。
子供の症状
- まれに、皮膚や腱(けん)の近くに黄色いコブ(黄色腫)ができることがあります。
- 角膜(黒目の周り)に白い輪(老人環)が見られることもありますが、子どもでは非常にまれです。
高齢者の症状
- この記事は子ども向けの情報です。大人の症状については医師にご相談ください。
原因
主な原因
- 遺伝的要因:家族性高コレステロール血症など、生まれつきコレステロールを処理する力が弱い。
- 食生活の影響:飽和脂肪酸(肉の脂身、バター、揚げ物など)やトランス脂肪酸(加工食品)の摂りすぎ。
- 肥満:余分な体重が脂質代謝に影響を与える。
- 運動不足:エネルギー消費が少ないと悪玉コレステロールが増えやすい。
- その他の病気:糖尿病、甲状腺機能低下症、腎臓病などが原因となることもある。
リスク要因
- 家族に心臓病や高コレステロールの人がいる
- 子ども自身が肥満である(特に腹部に脂肪が多い)
- 不規則な食事やファストフード・お菓子をよく食べる
- 運動する機会が少ない
- 特定の病気(糖尿病など)を持っている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の痛みや息切れがある(すぐに医療機関へ)
- めまいや失神(気を失う)があった
定期受診を予約すべき場合:
- 家族に心臓病や高コレステロールの人がいる場合、健康診断や学校検診で脂質検査を勧められます。
- 肥満気味で、生活習慣の見直しを医師に相談したいとき。
- かかりつけの小児科医に定期的に相談することをおすすめします。
診断
高コレステロールは、血液検査で診断されます。通常は、総コレステロール、悪玉(LDL)コレステロール、善玉(HDL)コレステロール、中性脂肪の値を調べます。
行われる可能性のある検査
- 空腹時採血:検査の前に約10〜12時間、食事をとらずに水だけを飲んで行います。
- リピドプロファイル:コレステロールの種類ごとの値を詳しく調べます。
- 家族歴の確認:両親や祖父母に心臓病や高コレステロールの人がいないか尋ねられます。
診察で予想されること
医師が子どもの腕から少量の血液を採取します。痛みは一瞬で、ほとんどの子どもは怖がらずに済みます。結果が出るまで数日かかることがあります。数値が高い場合は、再検査や追加の検査(甲状腺機能など)を行うこともあります。
治療
子どもの高コレステロールの治療は、まず生活習慣の改善が基本です。食事や運動で数値が改善しない場合や遺伝性の場合は医師が薬を検討することもあります。
自宅でのセルフケア
- 栄養バランスの良い食事を心がける(野菜、果物、全粒穀物、魚を多く、脂っこい肉や揚げ物は控えめに)。
- 毎日少なくとも60分の体を動かす遊びや運動をする。
- テレビやゲームの時間を減らして、外遊びを増やす。
- 家族みんなで健康的な生活習慣を取り入れる。
医療治療
生活習慣の改善だけではコレステロール値が下がらない場合や、遺伝性の高コレステロール(家族性高コレステロール血症)と診断された場合、医師は薬を提案することがあります。子どもの薬は原則として10歳以上から使用されることが多く、種類や投与量は慎重に決められます。必ず医師の指示に従い、自己判断で薬を変えたりやめたりしないでください。
手術が検討される場合
子どもの高コレステロール自体が直接手術の対象になることはほとんどありません。ただし、コレステロールが原因で心臓や血管に重大な異常が生じた場合(非常にまれ)、その治療として手術が検討される可能性があります。
この病気と共に生きる
高コレステロールの子どもは、特別な制限は必要なく、通常の学校生活や遊びを楽しめます。大切なのは、毎日の食事と運動を健康的に整えることです。無理なダイエットは成長に悪影響を与えるので避けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 朝ごはんを必ず食べる(忙しい朝でも簡単なものでOK)。
- おやつは果物やヨーグルト、ナッツなどに置き換える。
- 家族で散歩やサイクリングなど、楽しみながら運動する時間を作る。
- 睡眠をしっかりとる(子どもは年齢に応じて9〜12時間が目安)。
食事と運動
食事は、魚や大豆製品、野菜を積極的に取り入れ、脂身の多い肉や加工食品(ソーセージ、スナック菓子)は控えめに。油はオリーブオイルや菜種油などの不飽和脂肪酸を選びましょう。運動は、毎日合計60分以上を目標に、友達と遊ぶ、サッカー、水泳など楽しく続けられるものが理想です。
精神的健康と心の健康
高コレステロールと診断されると、子どもや家族が心配になるかもしれません。しかし、多くの場合は生活習慣の改善で対応できるため、過度に不安になる必要はありません。子どもが「自分だけ特別」と感じないように、家族全体で健康に取り組むことが大切です。自信をなくさないよう励まし、必要なら学校の先生や保健室の先生に相談しましょう。
予防
多くの場合、子どもの高コレステロールは予防できます。幼い頃からバランスの良い食事と十分な運動を習慣づけることが最大の予防法です。家族に心臓病の人がいる場合は、特に早い時期から注意しましょう。
検診プログラム
日本では、学校検診で脂質検査が行われることはまれですが、自治体によっては希望者に行われることもあります。家族に高コレステロールや心臓病の人がいる場合、かかりつけ医に相談して検査を受けることをおすすめします。通常、脂質検査は9〜11歳の間に一度行うことが推奨されています(アメリカのガイドラインより)。
合併症
治療しない場合
- 動脈硬化(血管が硬くなり狭くなる)が進み、将来心臓病や脳卒中のリスクが高まる。
- 遺伝性の高コレステロールの場合、小児期から動脈硬化が始まり、若年で心筋梗塞などの重い病気を発症する可能性がある。
- 肥満や糖尿病など他の生活習慣病を併発しやすくなる。
長期的な見通し
子どもの高コレステロールは、早期に気づいて適切な対応をとれば、ほとんどの場合、健康な大人へと成長できます。生活習慣の改善で数値が正常化することが多く、たとえ遺伝性でも治療により合併症のリスクを大きく減らせます。希望を持って、一歩ずつ取り組みましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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