慢性骨髄単球性白血病(CMML)ってどんな病気?
概要
慢性骨髄単球性白血病(まんせいこつずいたんきゅうせいはっけつびょう・CMML)は、血液のがんの一種です。血液は骨の内側にある「骨髄(こつずい)」というスポンジのような場所で作られます。CMMLでは、この骨髄の中で「単球(たんきゅう)」という免疫の働きを持つ白血球と、その仲間の細胞が異常に増えてしまいます。同時に、正常な赤血球や血小板、ほかの白血球がうまく作れなくなることがあります。ゆっくり進むタイプと、進行が早めのタイプがあり、同じCMMLでも人によって経過が大きく異なるのが特徴です。
重要な事実
- 血液のがんの一種で、骨髄が異常な白血球(単球)を多く作ってしまう病気です。
- 「骨髄異形成症候群(MDS)」と「骨髄増殖性腫瘍(MPN)」の両方の性質をあわせ持つ、めずらしいタイプの病気です。
- 進行の速さは人によって大きく違い、長い間ゆっくり安定した状態が続く方も多くいます。
CMMLはとてもめずらしい病気で、血液のがん全体の中でも数%程度といわれています。日本でも患者さんは多くありません。めずらしい病気だからこそ、血液の専門医による診断と経過の見守りが大切です。
主に60歳以上の方に多く見られ、発症する年齢の中央値は70歳前後といわれています。若い方や子どもに起こることは非常にまれです。男性のほうがやや多く発症するといわれています。
症状
- 意識がぼんやりする、もうろうとしている
- 呼吸が苦しく、横になれないほどの息切れ
- 大量の出血が止まらない、血を吐いた、黒い便が出た
- 高熱(38℃以上)が続き、震えが止まらない(重症の感染症の可能性)
- 突然の胸の痛み、激しい頭痛、片側の手足が動かない
- ⚠38℃以上の発熱が続く、または繰り返す
- ⚠息切れや動悸が以前より明らかに強くなった
- ⚠新しいあざや点状の出血が増えてきた
- ⚠急にお腹の左上が痛くなった、張ってきた
- ⚠体重が短期間で大きく減った、食事がとれないほどのだるさ
一般的な症状
- 疲れやすい、体がだるい、少し動くと息が切れる(貧血による症状)
- 顔色が悪いといわれる
- 発熱が続く、風邪をひきやすい、治りにくい(感染しやすくなるため)
- あざができやすい、歯ぐきや鼻から出血しやすい(血小板が減るため)
- お腹の左上が張る、重い感じがする(脾臓=ひぞうが大きくなるため)
- 体重が減る、夜に汗をかく、食欲が落ちる
- 皮膚のかゆみや発疹が出ることがある
- 症状がほとんどなく、健康診断の血液検査で見つかることも多い
子供の症状
- 子どもでの発症は非常にまれです。
- まれに起こる場合も、疲れやすさ、発熱、あざ、顔色が悪いなど、大人と似た症状が出ます。
- 子どもの血液の異常は別の病気のことが多いため、小児科の専門医による詳しい検査が必要です。
高齢者の症状
- 高齢の方では、疲れやすさや息切れを「年のせい」と考えてしまい、受診が遅れることがあります。
- 持病(心臓病や糖尿病など)があると、貧血の症状がより強く出ることがあります。
- 感染症にかかると重症化しやすいため、少しでも熱が続くときは早めに相談してください。
- 体重減少や食欲低下、だるさが続くときは、血液検査を受けてみることが大切です。
原因
主な原因
- CMMLのはっきりした原因は、まだ十分にわかっていません。
- 血液を作るもとになる「造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)」の遺伝子に、後天的な変化(変異)が積み重なることで起こると考えられています。
- この遺伝子の変化は生まれつきのものではなく、体の中で後から起こるもので、家族にうつる病気ではありません。
リスク要因
- 高齢(60歳以上、特に70歳前後で多い)
- 男性であること
- 過去にがんの治療(抗がん剤や放射線治療)を受けたことがある
- ベンゼンなどの化学物質に長期間さらされた経験がある
- 喫煙などの生活習慣が関連する可能性がいわれているが、はっきりはしていない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 38℃以上の発熱が続く、または寒気と震えを伴う
- 出血が止まりにくい、鼻血や歯ぐきの出血が続く
- 息切れが強くなり、日常生活がつらい
- 意識がぼんやりする、会話がかみ合わない
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で白血球や単球の数が多いといわれた
- 疲れやすさ、だるさ、顔色の悪さが数週間以上続く
- お腹の左上が張っている気がする
- 原因のわからない体重減少や夜間の発汗がある
- かかりつけ医で「血液の数値が気になる」といわれた
診断
まず血液検査で、白血球(とくに単球)の数や、赤血球・血小板の数を調べます。CMMLが疑われる場合は、骨髄そのものを調べる検査(骨髄穿刺・骨髄生検)を行います。これは骨盤や胸の骨に細い針を刺して、骨髄の中の細胞を少し取り出す検査です。あわせて遺伝子や染色体の検査を行い、ほかの血液の病気ではないことを確認して、総合的に診断します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(血算・白血球分画):血球の数と種類を調べます。
- 骨髄穿刺(こつずいせんし)・骨髄生検:骨髄の細胞を直接調べて、異常な細胞の割合や形を確認します。
- 染色体検査・遺伝子検査:細胞の中の遺伝子の変化を調べ、診断や今後の見通しの判断に役立てます。
- 画像検査(超音波やCTなど):脾臓や肝臓の大きさを確認します。
- 感染症やほかの血液の病気を除外するための追加検査
診察で予想されること
骨髄穿刺は局所の麻酔をして行うため、痛みは比較的軽くすみますが、検査後しばらくは押さえる必要があります。結果が出るまでに数日から2〜3週間かかることがあります。診断がつくまでは不安な気持ちになると思いますが、担当医に疑問を遠慮なく聞いて、理解を深めながら進めていきましょう。
治療
CMMLの治療は、年齢や体の状態、血液検査の数値、症状の強さ、病気の進行の速さによって大きく変わります。すべての方にすぐ治療が必要というわけではなく、症状が軽く安定している場合は、定期的な検査をしながら様子を見る「経過観察」を選ぶこともあります。治療の目的は、症状をやわらげて生活の質を保ち、病気の進行をできるだけ抑えることです。
自宅でのセルフケア
- 手洗い・うがいをこまめに行い、人混みを避けるなど感染予防を心がける
- 十分な睡眠と休養をとり、疲れをためないようにする
- 発熱や出血など、いつもと違う変化に気づいたら早めに連絡する
- 体調の変化をメモしておき、診察のときに伝える
- 主治医の指示に従って定期的な血液検査を受ける
- 予防接種は、生ワクチンなどを受けられない場合があるため、必ず主治医に相談してから受ける
医療治療
治療にはいくつかの選択肢があります。輸血で赤血球や血小板を補う支持療法、感染症を予防・治療する対応、そして血液の細胞の増え方を調整する内服薬や注射薬による治療などです。若く体力のある方では、造血幹細胞移植(健康な血液を作る細胞を入れ替える治療)が検討されることもありますが、年齢や全身の状態により適応が判断されます。どの治療を選ぶかは、担当の血液専門医とよく相談して決めていきましょう。
手術が検討される場合
CMMLそのものを手術で取り除くことはありません。ただし、脾臓が大きく腫れて痛みや食事がとりにくいなど生活に支障が出る場合には、脾臓を取る手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
CMMLとともに生活するうえで大切なのは、無理をせず、自分の体調のリズムを知ることです。疲れやすい日は休む、感染症が流行る時期は人混みを避けるなど、生活の中で工夫しながら、できるだけ普段どおりの毎日を続けられるようにしましょう。定期的な通院は欠かさず、体調の変化を記録しておくと診察に役立ちます。
生活習慣のアドバイス
- バランスのよい食事を心がけ、生ものは避けて食中毒を予防する
- 体調に合わせて、無理のない範囲で散歩などの軽い運動を続ける
- 禁煙を心がけ、過度の飲酒を避ける
- 家族や友人、同じ病気の方とのつながりを持つ
- ストレスをためこまず、趣味の時間を大切にする
- 予防接種や海外旅行などは、事前に主治医に相談する
食事と運動
特別な食事制限が必要になることは多くありませんが、感染予防のため、加熱した食事を中心にし、生ものは控えめにしましょう。貧血があるときは、鉄分やたんぱく質を意識してとるとよいといわれます。運動は、息切れや疲れを感じない程度の軽いウォーキングなどから始め、体調が悪い日は無理をしないことが大切です。主治医や管理栄養士に相談すると、自分に合った方法が見つかります。
精神的健康と心の健康
がんという診断を受けると、不安、落ち込み、怒り、将来への心配など、さまざまな気持ちがわいてくるのは自然なことです。眠れない日が続く、気持ちが晴れない、涙が出るといった状態が続くときは、一人で抱え込まずに、主治医や看護師、心理的な支援の専門家に話してください。話すことで気持ちが軽くなることもあります。つらい気持ちが強いときや、自分を傷つけたいと考えてしまったときは、すぐに医療機関や地域の相談窓口に連絡してください。
予防
CMMLのはっきりした原因がわかっていないため、確実な予防法は現在のところありません。禁煙や、健康診断での血液検査を欠かさず受けることが、早期の発見や健康管理につながります。
ワクチン
CMMLそのものを防ぐワクチンはありません。ただし、感染症にかかると重症化しやすいため、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチンについて、主治医と相談しておくとよいでしょう。生ワクチンは受けられない場合があるので、自己判断で接種せず必ず相談してください。
検診プログラム
CMML専用の検診はありません。ただし、健康診断の血液検査で白血球の数や単球の割合の異常が見つかることがあります。毎年の健康診断を欠かさず受け、気になる数値があれば医療機関に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 貧血が進み、強い疲れや息切れが出る
- 感染症にかかりやすくなり、重症化することがある
- 血小板が減って出血しやすくなる
- 脾臓が大きくなり、お腹の張りや食事がとりにくい状態になる
- 一部の方では、より急に進むタイプの白血病(急性白血病)に移行することがある
- まれに皮膚やリンパ節など、血液の外の場所に異常な細胞が現れることがある
長期的な見通し
CMMLは人によって経過が大きく異なります。長い間ゆっくりと安定した状態が続き、通院しながら普段どおりの生活を送っている方もたくさんいます。治療の選択肢は年々増えており、支持療法も進歩しています。病気の見通しについては個人差が大きいため、自分の検査結果をもとに、担当医にていねいに説明してもらうことが大切です。不安な気持ちは抱え込まず、何度でも質問してください。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年10月22日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.