妊娠中の血のめぐり(循環)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
妊娠すると、体は赤ちゃんに酸素と栄養を運ぶために、血液の量を増やします。心臓や血管には普段より多くの負担がかかりますが、これらは妊娠中の自然な変化です。
重要な事実
- 妊娠中は血液の量がおよそ1.5倍に増えます。
- 心臓はより多くの血液を送り出すため、動悸を感じることがあります。
- 足のむくみや静脈瘤はよくある症状ですが、急な強い症状には注意が必要です。
とても一般的です。すべての妊婦さんで循環の変化が起こります。
妊娠中の女性すべてに起こります。特に、妊娠前から心臓や血圧に問題がある場合や、双子・三つ子などの多胎妊娠では、症状がより強く現れやすくなります。
症状
- 胸の強い痛みがある
- 安静にしていても息が苦しい
- 突然の激しい頭痛がある
- 視界がかすんだり、チカチカする
- けいれんを起こした
- 意識を失った
- 膣から大量の出血がある
- ⚠急にむくみが強くなった
- ⚠ひどい頭痛が続く
- ⚠目がチカチカする(光がまぶしい)
- ⚠血圧が上の140以上、または下の90以上になった
- ⚠赤ちゃんの動きがいつもより少ない
一般的な症状
- 足首や足のむくみ
- 立ちくらみやめまい
- 動悸(心臓がドキドキする感じ)
- 軽い息切れ
- 静脈瘤(血管が浮き出る)
- いぼ痔(痔の一種)
原因
主な原因
- 妊娠ホルモンの影響で血管が広がり、血液の量が増えるため
- 胎盤を作って赤ちゃんに栄養を送るために、心臓がより多くの血液を送り出す必要があるため
- 子宮が大きくなり、おなかの中の大きな血管を圧迫するため
リスク要因
- 多胎妊娠
- 妊娠前からの高血圧や心臓病
- 妊娠高血圧症候群を起こしたことがある
- 35歳以上の妊娠
- 腎臓病や免疫の病気がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急な強いむくみや、顔や手のむくみが目立つ場合
- ひどい頭痛、視界のかすみ、目がチカチカする場合
- 胸の痛みや息苦しさがある場合
- 胎動がいつもより少ない場合
定期受診を予約すべき場合:
- 定期的な妊婦健診を欠かさず受ける
- 血圧が気になる場合
- 足のむくみが続く場合
- 動悸や息切れがつらい場合
診断
妊婦健診では、血圧測定、尿検査(たんぱくや糖の検査)、体重測定を行います。必要に応じて血液検査や心臓の超音波検査(心エコー)も行います。
行われる可能性のある検査
- 血圧測定
- 血液検査
- 心臓超音波検査(心エコー)
- 胎児の心拍確認
診察で予想されること
医師があなたの症状を聞き、血圧やむくみ、尿の状態を確認します。赤ちゃんの状態も超音波などで確認し、必要なら循環器科の専門医と連携して診ていきます。
治療
妊娠中の循環の変化は自然なものがほとんどですが、高血圧や心臓の負担が問題となるときは、医師と相談しながら安全な方法でケアします。多くの場合、生活習慣の見直しで症状をやわらげられます。
自宅でのセルフケア
- 足を高くして休む
- 塩分を取りすぎない
- 水分を十分に飲む(医師から制限されていない場合)
- 長時間立ちっぱなしを避ける
- 左側を下にして横になる
- ゆったりした靴や服を選ぶ
- 医師の許可を得て、適度に体を動かす
医療治療
医師は、妊娠中の経過や症状に合わせて、血圧を下げる薬や、心臓の働きを助ける薬などを処方することがあります。妊娠中でも安全に使えるお薬がありますが、自己判断はせず、必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
妊娠中に心臓の手術が必要になることはまれです。重い心臓病がある場合は、産科と循環器科の専門医が一緒に、お母さんと赤ちゃんに安全な治療計画を立てます。
この病気と共に生きる
妊娠中は、自分の体の声を聞くことが大切です。疲れを感じたら休み、気分が良いときは軽く体を動かしましょう。毎日の血圧測定や健診を続けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙・禁酒
- カフェインの取りすぎに注意
- 規則正しい睡眠をとる
- 体重が増えすぎないようにする
- ストレスをためない工夫をする
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、塩分は控えめにしましょう。葉酸や鉄分を含む食品を積極的に取り、おなかが張らない範囲でウォーキングなどの軽い運動を続けましょう。運動の強さは医師に確認してください。
精神的健康と心の健康
体の変化や心配事で不安になることは自然です。感情の波が激しくなったり、眠れないことが続いたりする場合は、ひとりで抱え込まずに医師や助産師に話しましょう。
予防
循環の問題すべてを防ぐことはできませんが、妊婦健診をしっかり受け、血圧や体重を管理することで、重大なトラブルのリスクを下げられます。
検診プログラム
妊婦健診での血圧測定と尿検査が大切なスクリーニング(早期発見の検査)です。異常があれば早期に発見して対応できます。
合併症
治療しない場合
- 妊娠高血圧症候群(母子に危険な高血圧の状態)
- 子癇(けいれん発作)
- 赤ちゃんの発育不足(胎児発育不全)
- 胎盤早期剥離(胎盤が早くはがれる)
長期的な見通し
多くの妊婦さんは、循環の変化をうまく乗り越え、元気な赤ちゃんを出産しています。医師の管理とサポートをきちんと受ければ、ほとんどの問題は早期に対処でき、安心して出産を迎えられます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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