内反足(ないはんそく)— 生まれつき足が内側を向く状態
概要
内反足(ないはんそく)は、生まれたときから足先が体の内側を向き、足の裏が内側(本来は下向き)を向いてしまう状態です。「先天性内反足(せんてんせいないはんそく)」とも呼ばれます。おなかの中にいるときに、足の骨・筋肉・すじ(腱)の育ち方のバランスが整わずに起こると考えられています。ふつう痛みはありませんが、そのままにすると歩き方に影響が出るため、早い時期からの治療が大切です。
重要な事実
- 生まれた直後の診察で見つかることがほとんどです。
- 痛みはなく、赤ちゃん自身がつらがっていることはあまりありません。
- 治療を早く始めるほど、よい結果が得られやすいといわれています。
めずらしい病気ではありません。日本では、およそ1000人の赤ちゃんに1〜2人の割合で生まれるといわれています。
生まれたばかりの赤ちゃんに起こります。男の子にやや多く、片方の足だけのことも、両方の足のこともあります。
症状
- 意識がない、けいれんしている、呼吸が苦しそうなど、命に関わる様子があればすぐに119番に電話してください
- 足が急に大きく腫れて赤くなり、熱を持ち、赤ちゃんがぐったりしている(感染の疑い)
- ギプスや装具をつけている足の指の色が白や紫になり、触っても反応が乏しい
- ⚠ギプスがきつそうで、足の指が腫れていて泣き止まない
- ⚠ギプスや装具のあたりの皮膚が赤くただれている、においがする
- ⚠治療のあと足がまた内側を向いてきた
- ⚠発熱や機嫌の悪さが続いている
一般的な症状
- 足先が体の中心に向かって内側を向いている
- 足の裏が内側を向いている(本来は下を向く)
- かかとが上がり、足全体が内側にカーブしている
- ふくらはぎが反対側より細く見えることがある
- 多くの場合、痛みはない
子供の症状
- 歩き始めると、つま先や足の外側で歩くことがある
- 靴が合いにくく、片方の靴だけすり減りが早い
- 足の裏にタコや硬い部分ができやすい
- 治療の途中で足が再び内側を向いてくることがある
- 長く歩くと疲れやすいと感じることがある
高齢者の症状
- 内反足は生まれつきの状態で、大人になって初めて現れるものではありません
- 子どものころの治療が十分でなかった場合、大人になって足の変形や痛み、歩きにくさが残ることがあります
- 足首の動きが硬くなり、長時間の歩行で疲れやすい
- 靴ずれやタコをくり返しやすい
- 大人になってから片方の足が急に内側を向くようになった場合は、別の原因を調べる必要があるため早めに受診してください
原因
主な原因
- はっきりした原因はまだわかっていません
- おなかの中にいるときの、足の骨・筋肉・すじ(腱)の育ち方のバランスのずれが関係すると考えられています
- 遺伝的な要因と、赤ちゃんを取り巻く環境の要因が組み合わさっている可能性が指摘されています
- ご家族の育て方や、妊娠中の過ごし方が原因になるものではありません
リスク要因
- 家族に内反足の人がいる
- 双子などの多胎(たたい)
- 妊娠中に羊水(ようすい)が少ない状態だった
- ほかの生まれつきの病気をあわせ持つ場合がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 生まれたばかりの赤ちゃんの足の向きが気になるときは、できるだけ早く小児科に相談してください
- 治療中に皮膚のただれ、腫れ、色の変化がある
- ギプスがきつそうで泣き止まない、足の指が腫れている
定期受診を予約すべき場合:
- 健診で足の形を指摘された
- 歩き方が気になる、つま先や足の外側で歩く
- 靴の減り方が左右で大きく違う
- 成長に合わせて装具の調整が必要になった
診断
多くは出生直後の診察で見つかります。医師が足の形、動き方、かかとの向きなどをやさしく確認して判断します。多くの場合、特別な検査をしなくても診断がつきます。
行われる可能性のある検査
- 診察(足の形、動く範囲、かかとの向きの確認)
- 必要に応じて足のレントゲン検査
- ほかの病気が疑われる場合の超音波検査や血液検査
- 治療中の定期的な経過観察
診察で予想されること
小児科または整形外科で診てもらいます。医師が足をやさしく動かしながら確認します。治療は生後早い時期(多くは生後数週間以内)に始めるのが一般的です。
治療
内反足は、早い時期から少しずつ形を整えていく治療が基本です。多くのお子さんは手術をせずに改善します。治療は数か月から数年かけて、成長に合わせて進められます。
自宅でのセルフケア
- 医師に指示されたとおりに装具をつける
- 装具を外している間は、足の皮膚の状態を毎日観察する
- 足の指の色、腫れ、冷たさをこまめにチェックする
- 決められた通院を欠かさない
- 家庭でのマッサージやストレッチは、医師や理学療法士の指示があったときだけ行う
医療治療
まず、足をやさしく手で伸ばして正しい向きに導き、その姿勢をギプスで保つ方法が行われます。数週間ごとにギプスを替えて、少しずつ形を整えていきます。そのあとは、夜間や決まった時間だけ装具をつけて、形が戻らないように保ちます。理学療法(リハビリ)で足の動きや筋力を育てることもあります。
手術が検討される場合
ギプスでの矯正で十分に改善しない場合や、成長の途中で再発した場合に、手術が検討されることがあります。手術が必要かどうかは、担当の整形外科医とよく相談して決めます。
この病気と共に生きる
装具をつける時間を守ることが、治療の成果を保つ鍵になります。定期的な通院と、足の皮膚の観察を毎日の習慣にしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 装具をつけたままでも、抱っこや遊びはふつうにできます
- 足に合った靴を選び、定期的にサイズを確認する
- 安全な場所で裸足で遊ぶ時間も大切にする
- 通院の予定を家族で共有し、無理なく続けられる体制をつくる
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスのよい食事と、年齢に合った運動で健やかな成長を支えましょう。歩けるようになったら、走ったり跳んだりする遊びを通して、足の働きを育てていきます。
精神的健康と心の健康
装具を長くつけることや通院の多さに、保護者の方が疲れや不安を感じることはよくあります。お子さん自身も、大きくなるにつれて装具を気にするようになることがあります。「今は治療の途中」と捉え、家族や医療者と気持ちを分かち合うことが助けになります。気持ちがつらく一人で抱え込んでしまいそうなときは、早めに医療機関や地域の相談窓口に相談してください。
予防
内反足は、妊娠中の過ごし方や育て方で防げるものではありません。ご両親の責任ではありません。早期発見と早期治療が、よい経過につながる一番の方法です。
検診プログラム
出産後の新生児健診や乳幼児健診で、足の形や動きを確認します。気になることがあれば、健診を待たずに小児科に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 歩き方にくせがつき、足の外側やつま先で歩くようになる
- 足の裏にタコや傷ができやすい
- 足首の関節が硬くなり、動きが制限される
- 靴が合わず、日常生活で不便を感じる
- 大人になってから足の痛みや歩きにくさが残ることがある
長期的な見通し
内反足は、早く治療を始めることで多くのお子さんがよい経過をたどります。治療中は通院や装具の管理など大変なこともありますが、走ったりスポーツを楽しんだりしているお子さんがたくさんいます。心配な点は医師と共有しながら、一歩ずつ進めていきましょう。
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最終更新: 2026年10月22日
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