群発頭痛(ぐんぱつずつう)
概要
群発頭痛は、目の奥やこめかみなど、頭の片側に非常に強い痛みが集中的に起こる頭痛です。「群発」という名前は、痛みの発作が数週間から数か月のあいだ、毎日のように「群れ」になって続くことからついています。痛む側の目が赤くなったり、涙が出たり、鼻水が出たりするのが特徴です。命に関わる病気ではありませんが、とてもつらい痛みで、生活に大きな影響を与えることがあります。
重要な事実
- 1回の発作は15分から3時間ほど続き、1日に1〜8回起こることがあります
- 多くの場合、毎日ほぼ同じ時間帯(夜中や明け方など)に起こります
- 痛む側の目が赤くなる、涙が出る、鼻水・鼻づまり、まぶたが下がるなど、目のまわりの症状を伴います
- 痛みが集中する「発作期」が数週間〜数か月続き、その後は数か月〜数年、痛みがない時期が続くのが典型的です
まれな頭痛です。片頭痛ほど多くはなく、日本ではおおよそ1000人に1人未満ではないかと考えられています。
20〜40歳代で始まることが多く、以前は男性に多いといわれてきましたが、最近の調査では男女差は以前より小さいとされています。小児や高齢者にも起こりますが、まれです。喫煙する人に多いという報告もあります。
症状
- 突然(数秒〜1分以内)に「今までで最悪」の激しい頭痛が起こった(くも膜下出血などの可能性があります)
- 頭痛に加えて、発熱・首の硬さ・意識がぼんやりする
- 頭痛と一緒に、体の片側の麻痺、ろれつが回らない、言葉が出ない、視野が欠ける
- 頭を強く打ったあとの頭痛
- けいれんや意識を失うことがあった
- ⚠頭痛の頻度や強さが急に変わった
- ⚠発作のときに目の見え方がおかしい、まぶたが完全に下がる
- ⚠痛みで眠れない、食事がとれないなど日常生活が難しい
- ⚠発作の時期に強い不安や抑うつ、自分を傷つけたい気持ちが出てきた(この場合は迷わず緊急の相談をしてください)
一般的な症状
- 頭の片側(多くは目の奥、こめかみ、おでこ)の、えぐられるような非常に強い痛み
- 痛む側の目の充血、涙が出る、まぶたが下がる、瞳孔(目の黒い部分)が小さくなる
- 痛む側の鼻水や鼻づまり
- 痛む側の顔の汗、顔のむくみ
- 痛くてじっとしていられず、歩き回ったり体を揺らしたりする(片頭痛では逆にじっとしていることが多い)
- 毎日ほぼ同じ時間帯に発作が起こる(夜中に痛みで目が覚めることもある)
- 発作期にはアルコールで誘発されやすい
子供の症状
- 子どもではまれですが、起こる場合は大人と同じように片側の痛みや目の充血が見られます
- 子どもは痛む場所をうまく説明できないことがあり、夜中に泣いて起きる、頭を押さえる、機嫌が悪くなるなどの様子で気づかれることがあります
- 子どもの頭痛は片頭痛や緊張型頭痛、感染症など他の原因が多いので、まずは小児科で相談してください
高齢者の症状
- 高齢者では比較的まれです
- 50歳を過ぎてから初めて起こる頭痛は、他の病気が隠れていないか確認するため、画像検査を含めた丁寧な診察がすすめられます
- 高齢者は持病の薬が多く、頭痛薬との相互作用に注意が必要なことがあります
原因
主な原因
- 脳の奥にある「視床下部」(体温や睡眠のリズムを整える場所)が関係していると考えられています
- 顔の感覚を伝える「三叉神経」という神経の働きが過剰になることが関与しています
- 体内時計のリズムの乱れが関係していると考えられています(毎日同じ時間に起こる理由の一つです)
- 脳の血管の拡張なども関与するといわれています
- 遺伝的な要因が一部関係するという報告もあります
リスク要因
- 喫煙(喫煙者に多いという報告があります)
- 発作期の飲酒(少量でも誘発されやすいといわれます)
- 睡眠の大きな変化(寝不足、夜勤、時差ぼけ)
- 強いにおい(香水、塗料、タバコの煙など)
- 気圧や気温の急な変化
- 高地への移動
- 20〜40歳代の男性に多いとされてきた(最近は男女差が小さいという報告もあります)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の激しい頭痛
- 発熱・首の硬さ・意識レベルの変化を伴う頭痛
- 神経の症状(麻痺、言葉が出ない、視野の異常)を伴う頭痛
- 頭を打ったあとの頭痛
- 今まで経験したことのない頭痛、急に性格が変わったような頭痛
定期受診を予約すべき場合:
- 片側の目の奥の強い痛みが繰り返し起こる
- 痛む側の目が赤くなる、涙が出る、鼻水が出る
- 毎日ほぼ同じ時間に頭痛が起こる
- 頭痛で夜中に目が覚める
- 市販の頭痛薬をよく使うようになった
診断
主に、痛みの出方・回数・時間帯と、一緒に起きる症状(目の充血や鼻水など)をくわしく聞いて診断します。国際的な診断基準(頭痛の分類)に当てはまるかを確認し、他の病気が隠れていないかを調べるために画像検査を行うことがあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(頭痛ダイアリー:いつ、どこが、どれくらい、どんな症状が一緒に起きたかの記録)
- 神経の診察(目の動き、顔の感覚、力の入り方など)
- 頭部MRI(画像検査)で他の原因を確認する
- 必要に応じて血液検査や眼科の診察
診察で予想されること
診察では、頭痛の記録を持っていくと役立ちます。「1回の痛みの長さ」「1日に何回か」「痛む側の目の様子」「夜中に起きるか」をメモしておくと診断がスムーズです。診断がつくまでに時間がかかることもありますが、記録が大きな助けになります。
治療
治療は「発作が起きたときの治療(急性期治療)」と「発作を減らす治療(予防)」の2本柱です。発作の時期にはできるだけ早く痛みを止める工夫をし、発作期には予防の治療を行います。
自宅でのセルフケア
- 頭痛ダイアリーをつける(時間、場所、強さ、一緒に起きた症状)
- 発作期はお酒を控える
- 睡眠のリズムをできるだけ一定に保つ(寝不足も寝すぎも避ける)
- 強いにおいを避ける
- 発作時は静かな場所で過ごし、無理に我慢せず早めに医療機関に相談する
- 決まった時間に受診し、治療の効果を医師に伝える
- 発作時はじっとしているとつらいことが多いので、安全な範囲で歩くなどして過ごすのも一つです
医療治療
発作時の治療として、医療機関では高濃度の酸素吸入や、発作を早く止めるための注射薬・鼻からのスプレー・内服薬などが用いられることがあります。予防としては、発作の回数を減らすための内服薬が使われることがあります。薬の種類や量は症状や体の状態に合わせて医師が決めます。自己判断で薬を中止したり、市販薬を重ねて使ったりせず、必ず医師・薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
薬で十分にコントロールできない場合、専門医のもとで神経を刺激する治療(神経刺激療法)が検討されることがあります。適応は限られているため、頭痛専門医や脳神経外科で相談します。
この病気と共に生きる
発作期は日常生活に大きな影響が出ます。予定を詰め込みすぎず、発作が起きたときにどうするかをあらかじめ決めておくと安心です。発作期と落ち着く時期があることを知っておくと、気持ちの準備もしやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 規則的な睡眠と食事を心がける
- 発作期は禁酒する
- 喫煙している場合は禁煙を検討する
- ストレス管理(リラックス法、軽い運動など)
- 発作のきっかけ(におい、気圧、睡眠不足など)を記録して避ける
- 職場や家族に病気について伝えておく
食事と運動
特別な食事療法で群発頭痛が治るという確かな根拠はありません。バランスのよい食事と、発作期の飲酒を控えることが大切です。運動は発作期でなければ勧められますが、激しい運動で発作が出る人は無理をせず、体調に合わせて行いましょう。
精神的健康と心の健康
群発頭痛は非常に強い痛みで、不安や抑うつ、孤立感を抱えやすいといわれます。つらい気持ちを一人で抱え込まず、医療機関や信頼できる人に話してください。自分を傷つけたい気持ちがわいたときは、すぐに医療機関や地域の相談窓口、救急(119)に連絡してください。
予防
群発頭痛そのものを完全に防ぐ方法はまだ確立していませんが、発作期にきっかけ(飲酒、睡眠の乱れ、強いにおい)を避けることと、予防の治療を続けることで、発作の回数や強さを減らせる可能性があります。
検診プログラム
特定のスクリーニング検査はありません。繰り返す頭痛がある場合は、早めに医療機関に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 痛みが続くことで睡眠不足や疲労が蓄積する
- 仕事や学業、日常生活に支障が出る
- 不安や抑うつ、孤立感が強くなることがある
- 市販の頭痛薬の使いすぎによる「薬物乱用頭痛」を合併することがある
- 発作時に自分を傷つけたい気持ちが生じることがある(この場合はすぐに相談してください)
長期的な見通し
群発頭痛は長く付き合うことのある病気ですが、発作期と落ち着く時期を繰り返すのが特徴で、多くの人は治療で発作を軽くできます。正しい診断と治療を続けることで、生活の質を保つことは十分可能です。あきらめずに専門医に相談してみてください。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年10月22日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.