Coeliac disease
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
セリアック病(グルテン過敏性腸症)は、小麦や大麦などに含まれる「グルテン」というたんぱく質に対して体の免疫(病気と戦う仕組み)が過剰に反応し、小腸(食べ物を吸収する器官)を傷つけてしまう自己免疫疾患(自分の体を攻撃してしまう病気)です。
重要な事実
- グルテンを食べると免疫反応が起こり、小腸の内側(絨毛)がダメージを受ける
- 治療は食事でグルテンを完全に避けることが基本
- 適切に管理すれば健康な生活を送ることができる
日本では比較的まれで、人口の約0.1%(1000人に1人程度)と考えられています。最近は診断技術の向上により、以前より多く見つかるようになってきました。
子どもから大人まで誰にでも発症する可能性があります。特に北欧系の血を引く方に多いとされていますが、日本人を含むアジア人でも発症します。家族にセリアック病の人がいるとリスクが高まります。
症状
- 突然の激しい腹痛
- 意識がもうろうとする
- 激しい下痢や嘔吐で水分がとれない
- 重度の脱水症状(尿が出ない、立ちくらみ)
- ⚠体重が急に減り続ける
- ⚠貧血がひどくてふらつく
- ⚠強いお腹の痛みが続く
一般的な症状
- 慢性的な下痢や便秘
- 腹部の膨満感(お腹が張る)やガス
- 吐き気や嘔吐
- 疲労感やだるさ
- 原因不明の体重減少
- 貧血(血が足りなくなる)
子供の症状
- 発育の遅れ(身長や体重が増えない)
- 慢性的な下痢
- イライラや機嫌の悪さ
- お腹の張りや痛み
- 歯のエナメル質の異常
高齢者の症状
- 骨粗しょう症(骨がもろくなる)
- 関節の痛み
- 慢性的な疲労
- 皮膚のかゆみや発疹(疱疹状皮膚炎)
原因
主な原因
- 遺伝的な要因(特定の遺伝子を持っている)
- グルテンを食べたことで免疫システムが小腸を攻撃する
リスク要因
- 家族にセリアック病の人がいる
- 1型糖尿病やダウン症などの他の自己免疫疾患がある
- 北欧系の祖先を持つ
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の救急症状がある場合はすぐに119番に電話する
- 体重が急激に減ったり、強い腹痛が続く場合はなるべく早く医療機関を受診する
定期受診を予約すべき場合:
- 慢性的な下痢やお腹の不調が2週間以上続く
- 原因不明の疲労や貧血がある
- 子どもが成長しない、または体重が増えない
診断
医師が問診と血液検査を行い、その後必要に応じて小腸の内視鏡検査(カメラを胃から入れて腸の中を見る検査)と組織検査(一部を取って調べる)で確定診断します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(特定の抗体を調べる)
- 内視鏡検査(胃カメラ)による小腸の組織採取と病理検査
診察で予想されること
検査の前はグルテンを普通に食べ続ける必要があります(食事をやめると検査結果が不正確になるため)。医師の指示に従ってください。診断までに数週間から数か月かかることもありますが、正確な診断が治療の第一歩です。
治療
セリアック病の唯一の治療法は、生涯にわたってグルテンを含まない食事(グルテンフリー食)を守ることです。これにより小腸の粘膜が修復され、症状が改善します。
自宅でのセルフケア
- グルテンを含む食品(小麦、大麦、ライ麦など)を完全に避ける
- 食品表示を必ず確認する(原材料名に「小麦」「大麦」「ライ麦」がないか)
- グルテンフリーの代替食品を活用する(米粉、そば(十割そば)、コーンスターチなど)
- 外食時はスタッフにセリアック病であることを伝え、グルテンフリー対応を依頼する
- 栄養士に相談し、不足しがちな栄養素(鉄、カルシウム、ビタミンB群など)を補う方法を学ぶ
医療治療
グルテンフリー食だけでは症状が改善しない場合は、医師が炎症を抑えるための一般的な薬を検討することがあります。ただし、特定の薬名や用量はここでは記載しません。必ず医師の指導のもとで治療を行ってください。
手術が検討される場合
セリアック病そのものに手術は必要ありません。ただし、ごくまれに合併症(たとえば腸のリンパ腫など)が生じた場合に外科的処置が検討されることがありますが、これは非常にまれです。
この病気と共に生きる
グルテンフリーの食事を続けることが日常生活の中心です。食品選びには注意が必要ですが、最近はグルテンフリーの食品も増えてきており、外食の選択肢も広がっています。自己管理ができるようになれば、多くの方は普通の生活を送ることができます。
生活習慣のアドバイス
- グルテンフリーのレシピを覚える
- 外出時は携帯用のグルテンフリー食品を持ち歩く
- 友人や家族に病状を伝え、理解を得る
- 定期的に医師のフォローアップを受ける
食事と運動
食事はグルテンフリーを基本とし、栄養バランスに気をつけましょう。特にカルシウムや鉄分を意識して摂ることが大切です。運動は特に制限はなく、体調が良ければ通常の運動を続けて結構です。
精神的健康と心の健康
食事制限が続くと、社交の場や外食でストレスを感じることがあります。また、診断後の生活の変化に不安を感じる方もいます。必要なら医師やカウンセラーに相談しましょう。
予防
セリアック病を完全に予防する方法は現在のところありません。遺伝的要因が大きく、発症を防ぐことは難しいとされています。ただし、早期発見と治療で重症化を防ぐことは可能です。
検診プログラム
一般の人に対する定期的なスクリーニング検査は推奨されていません。ただし、家族にセリアック病の患者がいる場合など、リスクの高い方は医師に相談して検査を受けることがあります。
合併症
治療しない場合
- 栄養失調(ビタミンやミネラルの不足)
- 骨粗しょう症(骨密度の低下)
- 不妊や流産のリスク増加
- 小腸のリンパ腫(まれながん)
長期的な見通し
セリアック病は食事療法でしっかり管理すれば、ほとんどの方が普通の生活を送ることができます。小腸の粘膜も回復し、合併症のリスクも減らせます。早期に診断され適切な治療を続ければ、寿命や生活の質に大きな影響はありません。希望を持って、医師と一緒に病気と向き合っていきましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月17日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。