かぜ(感冒)
概要
かぜは、ウイルスが鼻やのどに感染して起こる、上気道(鼻・のど)の炎症です。医学的には「感冒(かんぼう)」と呼ばれ、鼻水、せき、のどの痛み、発熱などが数日から1週間ほど続くことが多い病気です。
重要な事実
- かぜの多くはウイルスが原因で、抗生物質(細菌を殺す薬)は効きません。
- 大多数の人は1週間から10日ほどで自然に良くなります。せきは2〜3週間残ることがあります。
- 高熱が続く、息苦しい、水分がとれないなどは、早めに医療機関に相談してください。
とてもよくある病気です。大人は年に数回、子どもはより頻繁にかかることがあります。
年齢を問わず誰でもかかります。特に保育園・幼稚園・学校などで集団生活をする子ども、疲れや睡眠不足がある人、高齢者、基礎疾患(持病)がある人は注意が必要です。
症状
- 呼吸が苦しい、息ができない(ためらわず119番に電話し、救急車を呼んでください)
- 意識がない、呼びかけても反応が弱い(すぐに119番へ)
- 唇や顔色が青白い
- けいれんが起きた
- 水分が全く飲めない、尿がほとんど出ないなどの重症の脱水
- 高熱と首の硬さ、強い頭痛、光がまぶしいなどが急に起こった
- ⚠高い熱が3日以上続く、または急に悪化する
- ⚠息苦しさ、胸の痛みがある
- ⚠水分や食事がとれず、ぐったりしている
- ⚠耳の強い痛みや耳だれがある
- ⚠せきが2〜3週間以上続く、または血が混じる
- ⚠子どもの機嫌が悪く、反応がいつもと違う
一般的な症状
- 鼻水、鼻づまり
- くしゃみ
- のどの痛み、のどの違和感
- 軽い発熱
- だるさ、疲れ
- 食欲低下
子供の症状
- 発熱しやすい
- 鼻水やせきが目立つ
- 機嫌が悪くなる、泣き続ける
- 食欲や水分摂取が減る
- 耳の痛み(中耳炎を合併することがあります)
- 嘔吐や下痢を伴うことがある
高齢者の症状
- 熱が出にくいことがある
- せきや痰が長引く
- 食欲低下や脱水になりやすい
- 持病(心臓病、肺の病気、糖尿病など)が悪化しやすい
- 肺炎など重い合併症に注意
原因
主な原因
- ウイルス感染が主な原因です。鼻やのどの粘膜にウイルスがつき、炎症を起こします。
- ウイルスには多くの種類があり、一度かかっても同じウイルスに再びかかることがあります。
- かぜは主に、感染者との接触や、ウイルスがついた手で鼻や口を触ること、飛沫(ひまつ:せきやくしゃみのしぶき)で広がります。
リスク要因
- 手洗いが十分でない
- 人混みや換気の悪い場所に長くいる
- 疲れ、睡眠不足
- 子どもとの集団生活
- 喫煙や受動喫煙
- 高齢、持病がある、免疫力が低下している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 呼吸が苦しい、意識がもうろうとしている、けいれんがある
- 水分がとれない、尿がほとんど出ない、ぐったりしている
- 高熱が続き急に悪化した
- 乳幼児で機嫌が悪い、泣き止まない、反応が弱い
定期受診を予約すべき場合:
- 症状が10日以上良くならない、または悪化している
- 熱が3日以上続く
- 耳の痛み、副鼻腔(鼻の奥の空洞)の痛みがある
- せきが長引く、血が混じる
- 持病があり、かぜの症状で体調が不安定
診断
かぜは通常、症状と診察で判断します。特別な検査が必要ないことがほとんどです。
行われる可能性のある検査
- 問診と診察(のどや鼻の様子、呼吸の状態、熱を確認)
- 必要に応じて、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症など、似た症状の病気を調べる検査
- 合併症が疑われる場合の追加検査(耳、肺、副鼻腔など)
診察で予想されること
医師は症状の経過、持病、飲んでいる薬、アレルギーの有無などを確認します。多くは対症療法(症状を和らげる治療)と自宅での休養が中心になります。
治療
かぜの治療は、体の回復を助けながら症状を楽にすることが中心です。安静と水分補給、室内の湿度調整などが大切です。ウイルス性のかぜに抗生物質(細菌を殺す薬)は効きません。
自宅でのセルフケア
- 十分に休む
- 水分をこまめにとる(水、お茶、スープなど)
- 部屋を加湿し、空気を入れ替える
- 温かくして楽な姿勢で休む
- のどを乾燥させない
- 食欲がないときは消化のよいものを少量ずつ
- 1歳未満の乳児にはちみつを与えない(乳児ボツリヌス症の危険)
医療治療
医療機関では、症状に応じて対症療法(熱や痛み、せきなどを和らげる治療)が検討されます。使える薬は年齢、妊娠・授乳、持病、飲み合わせによって変わるため、自己判断で市販薬を重ねたり、以前の薬を使ったりせず、医師や薬剤師に相談してください。細菌による合併症が疑われる場合に限り、医師が抗生物質を検討することがあります。
手術が検討される場合
かぜそのものに手術が必要になることはありません。中耳炎や副鼻腔炎などの合併症で、まれに専門的な治療が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
かぜの間は無理をせず、仕事や学校は症状に合わせて休みましょう。熱が下がってもせきが残ることがあります。水分と休養を優先し、周囲にうつさないよう手洗いやマスクを心がけてください。
生活習慣のアドバイス
- 手洗いを丁寧に行う
- せきやくしゃみのときは口と鼻を覆う
- 換気をする
- 十分な睡眠をとる
- バランスのよい食事を心がける
- 喫煙を避ける
- 人混みでは必要に応じてマスクを使う
食事と運動
特別な食事療法はありません。食べられるものを少量ずつとり、水分をしっかりとりましょう。回復期は無理に激しい運動をせず、体調に合わせて少しずつ日常の活動に戻します。
精神的健康と心の健康
かぜで予定が狂うと、いらいらしたり不安になったりすることがあります。長引くと気分が落ち込むこともあります。つらいときは一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に話してください。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、手洗い、換気、十分な睡眠などでかかるリスクを下げられます。厚生労働省なども、日常的な手洗いや咳エチケットをすすめています。
ワクチン
かぜの原因となるウイルスは多数あるため、すべてを防ぐワクチンはありません。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症など、別の感染症のワクチンについては、年齢や持病に応じて医師に相談してください。
検診プログラム
かぜに対する決まったスクリーニング検査はありません。症状が長引く場合や合併症が疑われる場合に、医師が必要に応じて検査を検討します。
合併症
治療しない場合
- 中耳炎(耳の奥の炎症)
- 副鼻腔炎(鼻の奥の空洞の炎症)
- 気管支炎や肺炎
- 喘息や持病の悪化
- まれに重い細菌感染
長期的な見通し
ほとんどのかぜは、休養と適切なセルフケアで1〜2週間ほどで良くなります。せきが少し長引くこともありますが、心配な症状があるときは早めに医療機関に相談してください。
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最終更新: 2026年10月22日
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