妊娠中の便秘
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
妊娠中の便秘とは、赤ちゃんを育てている間に、お通じ(うんち)が普段よりも出にくくなったり、硬くなったりする状態のことです。妊娠中に増えるホルモンの影響で腸の動きがゆっくりになり、便秘になりやすくなります。
重要な事実
- 妊娠中の便秘はとても一般的で、多くの妊婦さんが経験します。
- 便秘自体が赤ちゃんに直接大きな悪い影響を与えることはほとんどありませんが、お母さんのおなかの張りや不快感の原因になります。
- 水分や食物繊維をしっかりとり、適度に体を動かすことで、改善できることが多いです。
はい、とてもよくあります。妊娠中に便秘を経験する人は多く、特に妊娠後半になると子宮が大きくなって腸を圧迫するため、便秘が起こりやすくなります。
妊娠中の女性に影響します。特に、鉄分のサプリメントを飲んでいる方、妊娠前から便秘になりやすい方、水分をあまりとらない方、運動量が減った方は、便秘になりやすい傾向があります。
症状
- 突然の強いおなかの痛みがあり、動けない場合は、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。
- おなかから出血がある場合は、すぐに119番に電話してください。
- 激しい嘔吐が続き、水分もとれない場合は、すぐに119番に電話してください。
- 高熱があり、おなかの痛みを伴う場合は、すぐに119番に電話してください。
- 便もおならも全く出ず、おなかがパンパンに張って痛い場合は、すぐに119番に電話してください。
- ⚠便秘が一週間以上続いていて、おなかの痛みが強くなっている場合は、当日中に医療機関に相談してください。
- ⚠便に血が混ざる、または痔からの出血が続く場合は、当日中に医療機関に相談してください。
- ⚠トイレに行っても便が出ない、または下痢と便秘を繰り返す場合は、当日中に医療機関に相談してください。
- ⚠便秘について強い不安がある場合は、我慢せずに、当日のうちに医師や助産師に電話で相談してください。
一般的な症状
- お通じが週に3回未満になる
- 便が硬くて出しにくい
- おなかが張る、痛む
- 排便のときに強くいきむ必要がある
- 出し切った感じがしない
- 便に血が混じる(切れ痔やいぼ痔が原因のこともある)
子供の症状
- この記事は妊婦さん向けの情報です。お子さまの便秘については、小児科医にご相談ください。
高齢者の症状
- この記事は妊婦さん向けの情報です。高齢者の便秘には別の原因や対応が必要なことがあるため、医療者にご相談ください。
原因
主な原因
- 妊娠中に増える女性ホルモン(プロゲステロン)が腸の動きをゆっくりにする
- 大きくなった子宮が腸を圧迫して、便が通りにくくなる
- 鉄分のサプリメント(貧血の治療や予防で飲むもの)が便秘の原因になることがある
- つわりや体調の変化で、水分や食物繊維が不足しがちになる
- おなかが大きくなって運動量が減る
リスク要因
- 妊娠前から便秘がちだった
- 野菜や果物、豆類などの食物繊維が少ない食事をしている
- 水分をあまり飲まない
- 鉄剤や鉄分サプリメントを服用している
- 双子や三つ子などの多胎妊娠をしている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- おなかの痛みがだんだん強くなっている
- 出血がある
- 一週間以上お通じがない
- 嘔吐や発熱がある
定期受診を予約すべき場合:
- 生活習慣を見直しても、便秘が数日以上続く
- 便秘のことで心配になったとき
- 市販の薬やサプリメントを使う前に、必ず医師、助産師、または薬剤師に相談する
診断
妊娠中の便秘は、問診(症状や生活習慣を聞くこと)と、必要に応じて軽い身体診察で診断されることが多いです。特別な検査をしないこともあります。
行われる可能性のある検査
- 腹部の触診:おなかをやさしく押して、痛みや張りがないか確認します。
- 超音波検査(エコー):赤ちゃんの状態やおなかの中の様子を確認するために行うことがあります。
- 血液検査:脱水や電解質のバランス、貧血の有無を確認するために行うことがあります。
診察で予想されること
診察では、お通じの回数や便の硬さ、飲んでいる薬やサプリメント、食事・水分のとり方、運動の習慣などについて聞かれます。症状がひどい場合やほかの病気が疑われる場合にだけ、必要に応じて追加の検査が行われます。
治療
治療の第一歩は、食事や運動などの生活習慣の改善です。それでも改善しない場合は、医師や助産師に相談して、妊娠中に使える安全な薬や市販品についてのアドバイスをもらいましょう。
自宅でのセルフケア
- 水分を多めに飲みましょう。医師から水分制限を言われていない場合は、1日1.5〜2リットルを目安にするとよいとされています。
- 食物繊維の多い食品(野菜、果物、海藻、玄米、豆類など)を積極的にとりましょう。
- 医師に確認したうえで、ウォーキングなどの軽い運動を続けましょう。
- 便意を感じたら我慢せずにトイレに行きましょう。
- トイレではむやみに長く座らず、いきみすぎないようにしましょう。
- 鉄分サプリメントが便秘の原因になっていることもあるので、医師に相談しましょう。飲み方の工夫や変更について、プロのアドバイスを受けてください。
医療治療
医師や薬剤師は、妊娠中に比較的安全に使える下剤(便を柔らかくする薬、腸の動きを助ける薬など)を、種類や使い方を説明したうえで勧めることがあります。妊娠中は薬の作用が母親と赤ちゃんの両方に及ぶため、自分で選ばずに、必ず医師や薬剤師に相談してください。この記事では、特定の薬の名前や用量は記載しません。
この病気と共に生きる
妊娠中の便秘は、毎日の小さな習慣の積み重ねで改善しやすくなります。朝起きたら水を飲む、食後に軽く歩く、規則正しい時間に食事をするなど、無理のない範囲で続けることが大切です。便秘が続く場合は、相談することをためらわないでください。
生活習慣のアドバイス
- 朝起きたらコップ1杯の水を飲む
- 食後にゆっくり歩く
- お風呂でリラックスする時間をつくる
- 食事は規則正しい時間にとる
- 便秘のことを考えすぎず、ストレスをためないようにする
食事と運動
食事は、野菜や果物、海藻、豆類など食物繊維の多いものを意識してとりましょう。水分はこまめに飲み、カフェインのとりすぎには注意します。運動は、ウォーキングやマタニティヨガなど、担当医師から許可をもらった範囲で行いましょう。
精神的健康と心の健康
便秘が続くと、おなかの張りや痛みで気分が落ち込んだり、イライラしたりすることがあります。妊娠中は心も体も変化しやすい時期です。つらいときは、パートナーや家族、医療者に気持ちを伝えることが大切です。
予防
妊娠中の便秘は、ある程度予防できることがあります。妊娠中はホルモンの影響を完全に避けることはできませんが、水分や食物繊維をしっかりとり、適度に体を動かし、便意を我慢しないことで、症状をやわらげたり、便秘が起こりにくくなったりすることが期待できます。
合併症
治療しない場合
- 痔(いぼ痔)や切れ痔ができやすくなる
- 硬い便が直腸に詰まって、自分では出せなくなることがある(宿便)
- おなかの痛みや張りが強くなることがある
- 便やおならが全く出なくなるほどになると、まれに腸閉塞(腸が詰まる状態)を起こすことがある
長期的な見通し
妊娠中の便秘は、多くの場合、生活習慣の改善と安全な治療で良くなります。赤ちゃんへの影響はほとんどなく、出産後には自然に改善することも多いです。つらいときは我慢せずに、必ず医療者に相談してください。あなたと赤ちゃんの健康を一緒に考えるパートナーとして、医療者はいつでも力になってくれます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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