子宮内避妊具(IUD)と避妊
概要
IUD(子宮内避妊具)は、子宮の中に小さな器具を入れて妊娠を防ぐ避妊法です。器具の種類によって、銅の働きを利用するものと、ホルモンを少しずつ放出するものがあります。医師が挿入し、不要になれば取り出すことができます。
重要な事実
- 避妊効果が高く、一度入れると数年使えるタイプがあります。
- 種類によって月経の量や痛み、出血の様子が変わることがあります。
- 性感染症は防げないため、必要に応じてコンドームを併用します。
日本では、避妊法としてIUDを選ぶ人はピルなどに比べると多くありませんが、世界では広く使われています。最近は避妊の選択肢として相談する人も増えています。
症状
- 突然の強い下腹部痛、発熱、悪寒、ふらつきがある(119番へ)
- 大量の腟出血があり、めまいや意識がもうろうとする(119番へ)
- 妊娠の可能性があり、強い腹痛や肩の痛みを伴う(119番へ)
- 症状が急に悪化し、意識が遠のく(119番へ)
- ⚠発熱や下腹部痛が続く
- ⚠膿のようなおりものや、強い悪臭がある
- ⚠出血が止まらない、または月経ではない出血が続く
- ⚠IUDの糸が触れない、長さが変わった、器具が出てきた感じがする
- ⚠月経が来ない、または妊娠検査が陽性
一般的な症状
- IUDが入っていても、痛みや症状がないことが多いです。
- 挿入後数日は、軽い下腹部痛や腟からの少量の出血があることがあります。
- 月経痛が強くなったり、月経量が増えたり減ったりすることがあります。
- おりものが増えたように感じたり、不正出血が続いたりすることがあります。
子供の症状
- 小児には通常使用しません。思春期で避妊について悩む場合は、信頼できる大人や医療者に相談してください。
高齢者の症状
- 閉経前後の方も、閉経が確定するまでは妊娠の可能性があります。年齢だけで判断せず、体の状態に合わせて医師と相談します。
原因
主な原因
- IUDは避妊のための方法であり、病気のように「原因がある」ものではありません。
- 銅付加型は銅の作用で精子の動きを弱め、ホルモン放出型は子宮内膜を変化させて受精しにくくします。
- 主な目的は妊娠予防ですが、月経困難症や月経量が多い症状の管理に使われることもあります。
リスク要因
- 性感染症にかかったことがある、または現在の感染が疑われる
- コンドームを使わない性行為が多い
- 子宮の形に異常がある
- 過去に骨盤内の炎症を起こしたことがある
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある
- 銅付加型で銅アレルギーがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発熱、悪寒、強い下腹部痛がある
- 膿のようなおりものや悪臭がある
- 大量の出血、めまい、ふらつきがある
- IUDの糸が見えない、長さが変わった、器具が見える
- 月経が来ない、妊娠検査が陽性
定期受診を予約すべき場合:
- IUDの装着を考えている
- 装着後の確認や糸のチェックを受けたい
- 月経の変化や痛みで困っている
- 交換時期が近づいている
- IUDを取り出したい、避妊法を見直したい
診断
IUDは病気の診断ではなく、避妊法として適しているかを確認します。問診で妊娠の可能性、性感染症のリスク、子宮の状態、希望する避妊期間などを話し合い、必要に応じて検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 妊娠検査
- 性感染症の検査(必要に応じて)
- 骨盤内の診察
- 超音波検査で子宮の形や位置を確認
- 子宮頸がん検診の受診状況の確認(該当する場合)
診察で予想されること
相談と検査を受けたあと、挿入日を決めます。挿入は数分から十数分程度で、痛みに備えて相談できます。挿入後は糸の確認方法を教わり、必要に応じてfollow-up(経過確認)を受けます。
治療
IUDは避妊法の一つで、医師が子宮内に留置します。種類により使用できる期間は異なります。いつでも取り出すことができ、取り出したあとは妊娠能力が戻りやすいとされています。挿入前に性感染症の検査や適応の確認を行います。
自宅でのセルフケア
- 挿入後は医師の指示に従い、発熱、強い痛み、大量の出血があれば早めに連絡する
- 糸の確認方法を教わり、月に一度など決めた方法で確認する
- 性感染症予防のため、必要に応じてコンドームを併用する
- 月経の量や痛み、出血の変化を記録しておく
- 定期的な検診や確認を受ける
医療治療
避妊目的では、ホルモン放出型または銅付加型のIUDを医師が子宮内に留置します。挿入時の痛みに備えて相談でき、感染が疑われる場合は検査と治療を行います。位置の異常や不要になった場合は、医師が除去します。
手術が検討される場合
通常は手術不要です。まれに子宮穿孔や位置異常などの合併症で、腹腔鏡などの処置が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
装着後は、多くの人が普段どおりの生活を続けられます。挿入直後は無理をせず、医師の指示に従ってください。月経の変化や痛みがあれば、記録して相談すると話が進めやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 性感染症予防にコンドームを適切に使う
- 月経の記録をつけ、変化に気づけるようにする
- 教わった方法で糸の確認を行う
- 挿入直後の運動や性交について、医師の指示を確認する
- 気になる症状を一人で抱えず、医療機関に相談する
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスのよい食事と適度な運動を心がけましょう。月経量が多く貧血が気になる場合は、医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
避妊の不安、挿入時の痛み、月経の変化などで悩むことがあります。パートナーや医療者と話すだけでも気持ちが楽になることがあります。つらい気持ちが続くときは、地域の相談窓口やかかりつけ医に相談してください。自分や他人を傷つける恐れがあるときは、ためらわず119番へ連絡してください。
予防
IUDは妊娠を防ぐための避妊法です。IUDによるトラブルは、装着前の相談、性感染症の検査、装着後の確認でリスクを下げられます。性感染症はコンドームで予防します。
ワクチン
性感染症の一部には、ワクチンで予防できるものがあります。対象や時期については、医師や自治体の案内を確認してください。
検診プログラム
子宮頸がん検診を、年齢や自治体の案内に沿って受けることが大切です。性感染症の検査も、必要に応じて医療機関で相談してください。
合併症
治療しない場合
- IUDの位置異常や脱落に気づかないと、避妊効果が下がることがあります。
- 骨盤内の感染症が悪化すると、強い痛みや発熱につながることがあります。
- 子宮に穴が開く穿孔はまれですが、起こった場合は処置が必要です。
- IUD装着中の妊娠はまれですが、起こった場合は異所性妊娠の可能性を早めに確認する必要があります。
- 月経量が増えて貧血が進むことがあります。
長期的な見通し
多くの人はIUDを安全に使え、不要になれば取り出せます。取り出したあとは妊娠能力が戻りやすいとされています。気になる症状があれば早めに相談し、自分に合わないと感じたら他の避妊法も含めて医師と話し合いましょう。
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最終更新: 2026年10月22日
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