COPDの急性増悪(フレアアップ)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、たばこの煙などを長く吸い込むことで肺が傷み、空気の通り道が狭くなって息苦しさやせき、たんが続く病気です。COPDの急性増悪(フレアアップ)は、そうした症状が急に悪化することです。
重要な事実
- 急性増悪は、かぜや呼吸器の感染症がきっかけで起こることが多い
- 早めに医療機関で受診し、適切な治療を受けると回復しやすい
- 日ごろの体調管理と予防接種で、増悪を減らせる
- 喫煙を続けると増悪のリスクが高まります
COPDの患者さんでは、年に1~2回以上の急性増悪を経験する方も少なくありません。
主に長年たばこを吸ってきた中高年以上の人が多く、男性に多いですが、女性や非喫煙者の場合もあります。
症状
- 息をしようとしてもできないほど苦しい
- 話すことができないほど息切れが強い
- 唇や爪の色が青っぽい
- 家の中を歩くこともできない
- 意識がもうろうとしている
- ⚠普段より息苦しい日が続く
- ⚠たんの色が黄色や緑色に変わった
- ⚠熱が続いている
- ⚠使っている吸入薬が効いている感じがない
一般的な症状
- 息苦しさがいつもより強くなる
- せきがひどくなる
- たんの量が増える、たんの色が黄色や緑に変わる
- ヒューヒューという音がする(ぜんめい)
- 熱が出る
- 体がだるい
子供の症状
- COPDは主に大人の病気です。子どもで息苦しい場合は、ぜんそくなど別の病気の可能性があるため、早めに小児科を受診してください。
高齢者の症状
- 高齢者では、息苦しさのほかに、意識がぼんやりする、元気がなくなる、食欲が落ちるなどの症状が現れることもあります。
原因
主な原因
- かぜやインフルエンザなどのウイルス感染
- 細菌による気管支炎や肺炎
- 大気汚染やたばこの煙の吸入
- 治療を自己判断で中断すること
リスク要因
- 喫煙歴が長い
- 高齢である
- COPDの重症度が高い
- インフルエンザや肺炎の予防接種を受けていない
- 体力や免疫力が低下している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 息苦しさが急に悪化した
- たんに血が混じった
- 眠気や意識の混濁がある
- 在宅酸素療法を受けている方で、酸素濃度が下がった
定期受診を予約すべき場合:
- 受診の間隔があいている場合
- 今後の治療方針について相談したい場合
- 日常生活での息苦しさやせきが続いている
診断
医師が症状の聞き取りと身体診察を行い、呼吸の状態や酸素の値などを確認して診断します。
行われる可能性のある検査
- 肺機能検査(スパイロメトリー)
- 胸部X線検査
- 血液中の酸素濃度を測る(酸素飽和度)
- 血液検査、たんの検査
診察で予想されること
診察では、いつもとの違いや、たんの色、服薬状況などを聞かれます。痛みを伴う検査はほとんどありません。
治療
急性増悪の治療は、気道を広げて呼吸を楽にすることと、炎症や感染症の原因を取り除くことを目的とします。軽症では外来で、重症では入院治療が必要な場合があります。
自宅でのセルフケア
- 休養を十分にとる
- 水分をこまめに摂る
- たばこを吸わない
- 医師から指示された吸入薬をきちんと使う
- 室温や湿度を快適に保つ
- 症状の変化を記録する
医療治療
治療では、吸入薬や内服薬、酸素吸入、炎症を抑える薬などが用いられます。いずれも医師が症状や重症度に合わせて選びます。特定の薬の名前や用量はここでは示しません。細菌感染が疑われる場合には抗生物質が検討されることもあります。
手術が検討される場合
急性増悪に対して大きな手術が行われることはありません。COPDそのものの重症例では、ごく一部の患者さんに肺の手術などが検討されることがありますが、増悪の治療ではありません。
この病気と共に生きる
日ごろから、脈や息苦しさ、たんの様子を観察し、いつもの状態を把握しておくことが大切です。具合が悪くなりそうな時の連絡先を、家族と共有しておきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を確実に行う
- インフルエンザや肺炎の予防接種を受ける
- 風邪をひかないように手洗い・うがいを心がける
- 人混みを避ける、マスクを着用する
- 医師の指導のもとで、無理のない運動を続ける
食事と運動
バランスのよい食事をとり、体力を維持することが回復を早めます。呼吸リハビリテーション(呼吸を楽にするための運動や呼吸法の練習)は、増悪の予防にも役立ちます。
精神的健康と心の健康
息苦しさが続くと不安やストレスを感じやすくなります。つらい時は一人で抱え込まず、家族や友人、かかりつけ医に相談しましょう。
予防
COPDの急性増悪は、日々の管理と予防で減らすことができます。禁煙、予防接種、薬の継続が重要です。
ワクチン
インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンは、増悪のきっかけとなる感染症を防ぐため、厚生労働省も接種を推奨しています。かかりつけ医に相談しましょう。
検診プログラム
COPDの患者さんは、定期的に肺機能検査や胸部画像検査を受けて、呼吸の状態を確認しましょう。
合併症
治療しない場合
- 呼吸不全が進む
- 肺炎などの重い感染症を起こす
- 心臓に負担がかかる(心不全の悪化)
- 入院や集中治療が必要になることがある
長期的な見通し
急性増悪は、早く適切に治療すれば多くの場合改善します。日ごろの予防と管理、医師との連携を続けることで、増悪の頻度を減らし、穏やかな日常を送ることができます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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