子どものCOPD(慢性閉塞性肺疾患)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、肺や気道に長い間つづく炎症が起こり、空気の通り道がせまくなる病気です。子どもではとてもまれで、大人のCOPDとは原因が異なる場合が多いです。生まれつきの肺の問題や、赤ちゃんのときの重い感染症などがきっかけで、COPDに似た状態が起こることがあります。
重要な事実
- 子どものCOPDは非常にまれで、多くの場合は大人になってから診断されます。
- 早産や低出生体重、親の喫煙などが原因になることがあります。
- 治療は症状をやわらげ、肺を健康に保つことが中心です。
子どものCOPDはとてもまれです。一般的なCOPDは成人、特に長くたばこを吸ってきた人に多い病気で、子どもではほとんど見られません。ただし、早産などが原因で肺の機能が弱いお子さんは、成長してからCOPDのような症状が出ることがあります。
かかりやすいのは、早産で生まれた子、重い気管支炎や肺炎にかかったことがある子、おうちの人にたばこを吸う人がいて、副流煙を吸わせられている子、まれに遺伝性の肺の病気がある子です。
症状
- 以下の症状が見られたら、ためらわずに119番に電話してください。
- 呼吸が止まりそうで息ができない
- 唇や爪が青紫色になっている
- 言葉がうまく話せない・返事ができない
- ぐったりして、意識がもうろうとしている
- ⚠以下の場合は、当日中に医療機関を受診してください。
- ⚠呼吸がとくに速い、または苦しそうでゼーゼーという音が強い
- ⚠せきがひどくなり、水分がとれない
- ⚠発熱があって呼吸がしんどそう
- ⚠いつもよりぐったりしている
一般的な症状
- 長つづきのせき(特に朝や運動後に出ることが多い)
- たんがからむ
- ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸
- 運動したときの息切れ
- かぜや気管支炎をくり返す
原因
主な原因
- 早産や低出生体重による肺の未成熟、または人工呼吸器を使ったことによる肺の傷
- 赤ちゃんのときの重い気道感染症(RSウイルス、肺炎など)
- 遺伝性の病気(α1-アンチトリプシン欠乏症など)が原因の肺の病気
- 重い喘息がきっかけで、気道の変化が続くこと
リスク要因
- 周囲のたばこの煙(副流煙)を吸ってしまう環境
- 大気の汚染・排気ガスなどの刺激物
- 未熟児の呼吸窮迫症候群などの新生児期の肺の病気
- 両親に肺の病気がある、または家族に遺伝性の肺の病気がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 息を吸うとき、首の下やあばらが引き込まれて息苦しく見える
- 呼吸が速くて肩で息をしている
- いつものせきよりもひどく、日常生活に支障がある
- 意識がもうろうとしている、または反応が乏しい
定期受診を予約すべき場合:
- せきが3週間以上続く
- たんの色が黄色~緑色で、熱が続く
- 体重が増えない、身長が伸びない、食欲がない
- 風邪をひくと咳や呼吸の症状が重くなることが繰り返す
診断
まず、小児科の医師がお子さんの状態を診て、話をよく聞きます。問診と聴診(聴診器で胸の音を聞く)を行い、必要な検査を受けながら、COPDの診断を確定していきます。子どもでは、肺に十分に空気を入れる検査がうまくできない場合もあるため、何度か受診して確認することがあります。
行われる可能性のある検査
- 胸部X線(レントゲン)検査
- 肺機能検査(スパイロメトリー)— 年齢が大きい子だけ実施
- パルスオキシメーター(指にはさむセンサー)で血中酸素濃度を測る
- 血液検査(炎症の程度や遺伝子疾患の有無)
- アレルギー検査(喘息の合併がないか)
診察で予想されること
痛みを伴う検査はほとんどありません。肺機能検査は息を強く吐き出すだけです。医師からは、何度か受診して経過を確認しながら、お子さんに合った治療計画や生活の工夫について説明があります。もし専門的な評価が必要なら、小児呼吸器専門の医師を紹介されます。
治療
目標は、症状を和らげ、呼吸の状態を安定させて、将来の肺を守ることです。原因となる病気があれば、それに対する治療も行います。治療は医師と相談しながら、吸入薬、酸素療法、感染予防、生活環境の整備などを組み合わせて進めます。
自宅でのセルフケア
- 家の中の禁煙を徹底し、外から帰ったら換気をする
- 手洗い・うがいを習慣にして、感染症を予防する
- ペットの毛やホコリ、カビなど、呼吸を刺激するものを減らす
- 処方された器具や薬の使い方を必ず守る
医療治療
薬の治療は気道を広げて呼吸を楽にする吸入薬を中心に行います。症状に合わせて、炎症を抑える薬や、感染症の予防薬を追加することがあります。また酸素が十分とれていない場合には医療機関での酸素吸入を使うことがあります。どの薬を使うかは、年齢や重症度によって専門医が判断しますので、自己判断で減らしたり増やしたりしないでください。具体的な薬の名前はこの記事ではお伝えしません、医師にご相談ください。
手術が検討される場合
手術が必要になることはほとんどありません。もし肺の先天的な奇形や重度の肺の病気がある場合は、専門の外科医と相談する場合がありますが、ごくまれです。
この病気と共に生きる
普段はふつうの生活ができます。ただし、たばこや花粉・工場の煙など、呼吸の状態を悪くするものにはなるべくふれさせないようにします。家族も咳や息切れの様子に注目し、調子が悪いときは早めに休ませます。幼稚園・学校には、お子さんの状態や運動の注意点を先生に伝えておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活リズムで十分な睡眠を取る
- 天気のいい日は外で遊び、体力をつける(急に強く動きすぎない)
- 暖かくして、急な温度変化で咳や息切れが出ないようにする
- かぜを予防するため予防接種の計画を医師と話し合う
食事と運動
バランスのよい食事と、自分に合った軽い運動・遊びを無理なく続けることが大切です。運動するときはあらかじめ医師に相談して、どれくらいの運動が安全かを確認してください。呼吸が苦しくなったら休憩をとるきまりにします。
精神的健康と心の健康
呼吸の症状が続くと、本人も家族も不安になることがあります。子どもは「みんなと違う」と感じて苦しい思いをすることもあり、その気持ちに寄り添うことが大切です。不安が強い場合は、小児科や専門の心理支援も活用しましょう。
予防
全てのCOPDを防ぐことはできませんが、リスクを大きく下げることはできます。妊娠中の禁煙、生まれたあとの家族の禁煙、感染症の予防接種、早産児のフォローアップが特に大切です。
ワクチン
肺炎やインフルエンザ、百日咳などの予防接種は、肺の感染を防ぎ、症状の悪化を抑える効果があります。お子さんの年齢と体調に合わせて、かかりつけ医と接種の計画を立ててください。
検診プログラム
早産で生まれた子どもや、重い肺の病気にかかったことがある子どもには、成長に合わせて定期的な胸部の診察や呼吸機能のチェックが推奨されます。症状がなくても、かかりつけ医で心配なことを話してみましょう。
合併症
治療しない場合
- 気管支炎や肺炎など、重症の呼吸器感染症をくり返す
- 慢性的な酸素不足で体の成長・発達に影響が出る
- 肺の組織が硬くなり、将来の肺機能に影響が残る
- 日常生活の活動範囲が狭くなり、運動や遊びが制限される
長期的な見通し
適切な治療を受けながら、生活環境を整えることで、多くの子どもは活発に生活できます。肺は成長するにつれて新しい組織が育つため、子どものうちに見つけて治療を始めれば、大人になってからの生活の質も大きく変わります。たとえ症状があっても、医療の助けを借りながら、毎日を笑顔で過ごせる可能性が高いです。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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