新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の基本
概要
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)というウイルスが体に入り、主に鼻やのど、肺の気道に炎症を起こす感染症です。かぜに近い軽い症状で済む方が多い一方、肺炎などで重くなることがあります。ウイルスは、感染した人のせきや会話で出る飛まつ(しぶき)や、空気中にただようとても小さな粒子を吸い込むことで広がります。
重要な事実
- 感染しても症状が出ない方や、ごく軽い方も多くいます。
- ウイルスが体に入ってから症状が出るまで、通常2〜7日ほど(最大で10日ほど)かかるとされています。
- 多くの方は1〜2週間ほどで回復しますが、重症化する方もいます。
- 重症化のリスクが高い方には、早めの受診と治療が大切です。
はい、とても一般的な感染症です。世界中に広がり、日本でも流行を繰り返してきました。今では多くの方がワクチン接種や感染によって免疫を持っていますが、時期によって流行の波があります。
年齢を問わず、どなたでもかかります。ただ、65歳以上の高齢の方、糖尿病・心臓病・呼吸器の病気・腎臓病などの持病がある方、免疫が下がる治療を受けている方、妊娠中の方、肥満の方、喫煙する方は重症化しやすいとされています。子どもは軽いことが多いですが、まれに重くなることがあります。
症状
- 息が苦しい、呼吸が速い・浅い、息をするたびに肩や胸が大きく動く
- 唇や顔色が青白い、灰色に見える
- 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が弱い、会話がかみ合わない
- 胸に強い痛みや締めつけられる感じがある
- けいれん(ひきつけ)が起きた
- お子さんがぐったりして反応が弱い、水分がまったく飲めない、半日以上おしっこが出ない
- ⚠38℃以上の熱が3日以上続く、または一度下がった熱がぶり返して悪化する
- ⚠水分がとれず、おしっこの回数が減るなど脱水が心配される
- ⚠持病(糖尿病・心臓病・呼吸器の病気など)の調子が悪くなっている
- ⚠症状が急に重くなってきた、横になっても息苦しさが楽にならない
- ⚠高齢の方、妊娠中の方、免疫が下がる治疗を受けている方で症状が出た
一般的な症状
- 発熱(37.5℃以上が目安)
- せき、のどの痛み、鼻水・鼻づまり
- だるさ、強い疲労感
- 頭痛、筋肉痛・関節痛
- 味やにおいを感じにくくなる
- 下痢、おう吐、おなかの痛み
- 息苦しさ(軽いものから強いものまで)
子供の症状
- 熱、せき、鼻水などかぜに似た症状が多い
- おなかの痛み、下痢、おう吐など胃腸の症状が出ることもある
- 元気がない、食欲が落ちる、ぐずりが強い
- 多くは数日で良くなりますが、ごくまれに炎症が全身に広がる病気(MIS-C:数週間後に高熱や発疹などが出る状態)が報告されています。気になる症状があれば小児科に相談してください。
高齢者の症状
- 熱が出ない、または微熱だけのことがある
- せきよりも、なんとなく元気がない、食欲がない、ぼんやりする
- 脱水(体の水分が足りなくなること)でふらつく、転ぶ
- 持病の調子が急に悪くなる
- 息苦しさを感じにくく、気づいたときには重症化していることがあるため、様子の変化に注意が必要です。
原因
主な原因
- 感染した人のせき・くしゃみ・会話で出る飛まつ(しぶき)を吸い込む(飛まつ感染)
- 換気の悪い部屋で、空気中にただよう細かい粒子を吸い込む(空気感染・エアロゾル感染)
- ウイルスがついた手で目・鼻・口を触る(接触感染)
- 密閉(換気が悪い)・密集(人が多い)・密接(近い距離での会話)の場にいること
リスク要因
- 65歳以上の高齢であること
- 糖尿病、心臓病、肺の病気、腎臓病、肝臓病などの持病
- がん治療中、臓器移植後など、免疫(体を守る力)が下がる治療を受けている
- 肥満、喫煙
- 介護施設など、多くの人が集まる場所での生活
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上の「緊急のサイン」に当てはまる症状がある(ためらわず119番へ)
- 高齢の方、妊娠中の方、持病のある方、免疫が下がる治療中の方で症状が出た
- 息苦しさが強くなってきた、横になると息が苦しい
- 水分がとれない、ぐったりしている
定期受診を予約すべき場合:
- 症状が軽いけれど検査を受けたい、あるいは療養の方法を相談したい
- 症状が2週間以上続く、または良くなったり悪くなったりを繰り返す
- 回復したあとも、強い疲労感、息切れ、集中力の低下などが続く(罹患後症状)
- 味覚・嗅覚の変化が長引いている
診断
医師が症状や周りの流行状況を聞き、必要に応じて検査を行います。検査は医療機関で受けられます。国が承認した「体外診断用医薬品」の抗原検査キットを使えば、自宅で自分で調べることもできます。研究用として売られているものは診断には使えません。
行われる可能性のある検査
- 抗原定性検査(鼻やのどのぬぐい液を使い、15分ほどで結果が出る)
- 抗原定量検査
- PCR検査、LAMP法などの遺伝子検査(数時間から翌日ほどで結果が出る)
- パルスオキシメーターによる血中の酸素の量の測定
- 必要に応じて血液検査、胸部レントゲン、CT検査
診察で予想されること
検査は鼻の奥やのどを棉棒で軽くぬぐうだけで、数秒で終わります。少ししみることがあります。結果が出たら、医師から療養の方法や、重症化のリスクに応じた治療の相談があります。陽性でも症状が軽ければ自宅で過ごすことが多いです。
治療
治療の中心は、安静と水分補給です。多くの方はご自宅で過ごすうちに良くなります。重症化のリスクが高い方には、医師が年齢や持病、症状の重さをもとに、ウイルスの増殖を抑える治療などを検討します。酸素が足りない場合には入院して酸素投与などを行うことがあります。
自宅でのセルフケア
- とにかく休むこと。睡眠を十分にとる
- こまめに水分をとる(お茶、スープ、経口補水液など)
- 食べやすいものを少量ずつ。食欲がなければ無理せず、水分と少しの栄養補給を優先する
- 熱やのどの痛みには、かかりつけ医や薬剤師に相談したうえで解熱鎮痛薬を使う
- 部屋の換気と加湿を心がける
- 家族と部屋を分け、タオルや食器の共用を避ける
- パルスオキシメーターがあれば測っておき、値が下がってきたら医療機関に相談する
- 症状の変化をメモしておくと、受診のときに役立つ
医療治療
医師は、症状の重さや重症化のリスクに応じて治療方針を決めます。リスクが高い方には、ウイルスの増殖を抑える飲み薬や点滴、重症化を防ぐための治療が検討されることがあります。息苦しさが強い場合には、入院して酸素を送る治療や、体の向きを工夫するケアなどが行われます。どの治療が適しているかは医師の判断が必要です。自分で判断して薬を買ったり、人から譲り受けたりするのは危険なので、必ず医療機関に相談してください。
この病気と共に生きる
厚生労働省は、症状が出た日を0日目として5日間は外出を控えること、その後も10日目まではマスクの着用や、高齢の方・重症化リスクの高い方との接触を控えることを目安として示しています。症状が続く場合や、免疫が下がる治療を受けている場合は、医師の指示に従ってください。療養中は、家族と連絡を取りながら、無理のない範囲で過ごしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 日頃から換気を心がけ、人の多い場所では場面に応じてマスクを使う
- 手洗い・手指の消毒をこまめに行う
- 十分な睡眠と休息をとる
- 体調がすぐれないときは無理をせず、周りに伝える
- 療養中は、食品や日用品の買い物を家族や配達サービスに頼るなど、人との接触を減らす工夫をする
食事と運動
療養中は、水分と食べやすいものをこまめにとることが基本です。おかゆ、スープ、ヨーグルト、果物など、のどごしのよいものを少量ずつで構いません。回復してきたら、散歩など軽い運動から少しずつ再開しましょう。ただし、息切れや強い疲労感が出たら無理をせず、医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
疗养中は人と会えず、孤独や不安を感じやすいものです。家族にうつしてしまわないかという心配、仕事や学校のことが気になる方も多いでしょう。回復したあとに気分が落ち込んだり、疲れやすさが続いたりすることもあります。つらい気持ちが続くときは、一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域のこころの相談窓口、電話相談サービスを利用してください。命に関わるほどつらいときは、ためらわず119番に連絡してください。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、リスクを下げる方法はあります。換気、手洗い、場面に応じたマスクの着用、人混みを避けること、そしてワクチン接種が代表的です。できることを無理なく続けることが大切です。
ワクチン
日本では、重症化のリスクが高い方を中心に、定期接種の枠組みでワクチンが提供されています(対象や時期は年度によって変わります)。希望すれば任意で接種を受けることもできます。ワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、重症化や入院のリスクを下げることが報告されています。接種するかどうかは、かかりつけ医や自治体の案内を参考に、ご自身の体調や状況に合わせて決めてください。
検診プログラム
症状がない方への定期的な検査は、一般的には行われていません。症状があるときや、感染した方と近い距離で過ごしたときなどに検査を考えます。自宅で調べる場合は、国が承認した体外診断用医薬品の検査キットを使いましょう。
合併症
治療しない場合
- 肺炎(肺に炎症が広がり、息苦しくなる状態)
- 血液中の酸素が足りなくなる状態
- 入院や集中治療が必要になること
- 血栓(血液の塊)ができ、心臓や脳の病気につながること
- 罹患後症状(倦怠感、息切れ、集中力の低下、味覚・嗅覚の変化などが長く続く)
- 子どもではごくまれに、数週間後に全身の炎症を起こす状態が報告されています
長期的な見通し
多くの方は数日から2週間ほどで回復し、日常生活に戻っています。長引く症状がある方も、時間とともに少しずつ良くなることが多いと報告されています。医療機関や地域の支援につながることで、不安を減らしながら療養を進められます。心配なことがあれば、早めに相談してください。
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最終更新: 2026年10月22日
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