新型コロナが医療と研究に与えた影響
概要
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、暮らしだけでなく、医療の受け方と医学の研究の進め方も大きく変えました。このページでは、流行の間に起きた「受診控え(感染を心配して病院に行くのを控えること)」「健康診断や検診の延期」「研究の遅れと新しい進歩」といった変化を、わかりやすく整理してお伝えします。感染症そのものの説明ではなく、医療と研究への影響についての内容です。
重要な事実
- 流行中、感染を心配して受診を控える「受診控え」が世界中で起きました。
- 健康診断やがん検診を受けられない、延期になる人が増えました。
- 一方で、オンライン診療の広がりや、ワクチン・治療法の研究開発など、新しい動きも急速に進みました。
こうした変化は、日本だけでなく世界中で起きたことです。誰にとっても身近な出来事といえます。
すべての人が何らかの影響を受けましたが、特に、高齢の方、糖尿病や心臓病など長く通院が必要な病気を持つ方、子どもとその家族、妊娠中の方、医療機関が少ない地域に住む方などは影響が大きかったと考えられています。
症状
- 胸が強く痛む、締めつけられる(心臓や血管の病気の可能性があります)
- 息苦しくて話せない、横になれない
- 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が弱い
- 突然、体の片側が動かない、口が曲がる、言葉が出にくい(脳卒中のサイン)
- 大量の出血、突然の激しい頭痛、けいれん
- ⚠高い熱が続く、または急に具合が悪くなった
- ⚠持病の薬が切れた、または切れそう
- ⚠強い痛み、嘔吐が続く、水分がとれない
- ⚠気分の落ち込みが強く、日常生活が難しい
- ⚠傷が化膿している、急に腫れた
一般的な症状
- 体の不調があっても「今は病院に行かないほうがいい」と受診を先延ばしにした
- 健康診断・がん検診・歯科健診の予約を延期した、または受けられなかった
- 定期通院が中断し、薬が切れてしまった
- オンライン診療や電話相談を初めて利用した
- 人と会う機会が減り、気分の落ち込みや不安が続いた
子供の症状
- 乳幼児健診や予防接種の時期が遅れた
- 休校や行事の中止で生活のリズムが乱れ、体調や気分の変化が出た
- かかりたいときに小児科にかかりにくい時期があった
高齢者の症状
- 通院やリハビリが中断し、体力や筋力が落ちた(フレイル)
- 人と会う機会が減って、孤立感が強まった
- 持病の悪化に気づくのが遅れた
- スマートフォンでの予約やオンライン診療が難しかった
原因
主な原因
- 感染を広げないための外出自粛や、病院への受診控え
- 医療機関が感染症対応に追われ、通常の診療や検査の枠が減った
- 健康診断・がん検診の中止や延期
- 大学や研究機関で、実験や臨床研究(人を対象にした研究)が一時中止になった
- 診療や研究のオンライン化が急速に進んだ
リスク要因
- 糖尿病・心臓病・腎臓病・がんなど、継続的な通院が必要な病気がある
- 健康診断やがん検診の対象年齢である
- ひとり暮らし、または身近に相談できる人が少ない
- スマートフォンやパソコンの操作が難しい
- 経済的に余裕がない、仕事が忙しくて受診の時間が取れない
- 言葉や文化の壁があり、医療につながりにくい
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の痛み、息苦しさ、意識がぼんやりするなど、いつもと明らかに違う症状がある(119番、または救急受診)
- 持病の薬が切れた、または切れそう
- 健康診断で「要再検査」と言われたまま、そのままになっている
- 気分の落ち込みや不安が強く、生活に支障が出ている
- 急な体重減少、長引く痛み、出血など気になる症状がある
定期受診を予約すべき場合:
- しばらく健康診断を受けていない
- 通院を中断したままになっている
- 予防接種の予定を確認したい
- 食事・運動・睡眠などの生活習慣を見直したい
診断
このテーマは特定の病気の診断ではありません。流行の影響で自分の健康にどんな変化があったかを知るには、かかりつけ医に今の体調とこれまでの受診の経緯を話し、必要に応じて検査を受けることが助けになります。
行われる可能性のある検査
- 問診(これまでの通院、健康診断の受診状況、気になっている症状の確認)
- 血圧・体重・血液検査などの基本的な検査
- 健康診断やがん検診の受診
- 症状に応じた画像検査や、専門医への紹介
- こころの状態を確認する質問票
診察で予想されること
「流行中は受診を控えていました」と伝えるのは恥ずかしいことではありません。医師はそうした状況をよく知っています。気になることをメモして持っていくと、話がスムーズに進みます。
治療
流行の影響で遅れていた診療を、無理のない範囲で取り戻していくことが中心になります。必要な検査や治療を再開し、生活のリズムを整え、こころのケアも合わせて考えていきます。
自宅でのセルフケア
- 症状や体調の変化をメモしておく
- 飲み忘れや中断があった薬は、自己判断で再開せず医師・薬剤師に相談する
- 健康診断・検診の予約状況を確認し、受けられるものから受ける
- 睡眠・食事・軽い運動のリズムを整える
- オンライン診療や電話相談も選択肢として知っておく
医療治療
医療機関では、まず今の状態を確認し、中断していた検査や治療をどう再開するかを一緒に考えます。持病がある方は、治療の優先順位を見直すこともあります。くすりの種類や量は、必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。この記事では特定の薬の名前や量はお伝えしません。
手術が検討される場合
手術が必要かどうかは、病気の種類や状態によって一人ひとり異なります。流行中に手術が延期になった方は、今の状態を確認したうえで、必要性と時期を主治医と相談しましょう。
この病気と共に生きる
流行の時期にできなかったことを、一度に全部取り戻す必要はありません。通院の予約、健康診断、人との交流など、できることから一つずつ再開していくのがおすすめです。
生活習慣のアドバイス
- かかりつけ医を決めておく
- 通院日をカレンダーやスマートフォンに記録する
- 家族や友人と、体調のことを話せる関係を保つ
- 体調が悪いときの連絡先を決めておく
- 必要ならオンライン診療の使い方を練習しておく
食事と運動
特別な食事や運動が必要なわけではありません。主食・野菜・たんぱく質をバランスよくとり、歩くなど無理のない運動を続けることが、体力を取り戻す助けになります。持病がある方は、運動の強さについて主治医に相談してください。
精神的健康と心の健康
流行は、不安、孤立感、気分の落ち込みなど、こころにも大きな影響を与えました。これは弱さではなく、誰にでも起こることです。つらい気持ちが続くときは、一人で抱えずに医療機関や相談窓口に話してください。気持ちがとてもつらいとき、自分を傷つけたい気持ちがあるときは、すぐに地域の相談窓口や医療機関、救急に連絡してください。
予防
感染症の流行そのものを完全に防ぐことは難しいですが、流行の間に起きる「受診の遅れ」による悪化は、ある程度防げます。健康診断の予約を入れておく、かかりつけ医を持っておく、体調の変化を記録しておくことが助けになります。
ワクチン
ワクチンについては、年齢や持病、地域によって案内が異なります。自分が対象かどうかは、かかりつけ医や自治体の案内で確認しましょう。
検診プログラム
健康診断やがん検診は、自治体や勤務先から案内があります。受けそびれているものがないか、確認してみてください。
合併症
治療しない場合
- 病気の発見が遅れ、治療が難しくなる
- 持病が悪化する
- 体力や筋力が落ちる(フレイル)
- 不安や孤立が長引き、こころの不調につながる
- 健康診断を受けない期間が長くなる
長期的な見通し
流行の影響は大きくありましたが、医療も研究も、そこから学んで変わってきました。オンライン診療の広がりや研究のスピードアップなど、良い変化もあります。今からできることはまだたくさんあり、遅すぎるということはありません。
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最終更新: 2026年10月22日
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