開頭術(かいとうじゅつ)
概要
開頭術(かいとうじゅつ)は、頭蓋骨(ずがいこつ=頭の骨)の一部を一時的に取り外し、脳を直接見ながら治療する手術です。手術の最後に骨を戻します。脳腫瘍、脳出血、頭部外傷など、脳の病気を治療するために行われます。開頭術そのものに症状はありません。手術が必要になる病気によって症状が異なります。
重要な事実
- 全身麻酔(手術中に眠った状態にすること)で行われることが多い手術です。
- 手術の目的や方法は、病気の場所や大きさによって変わります。
- 手術後は疲れやすく、回復には時間がかかることがあります。
開頭術は日常的に行われる手術ではありません。脳の病気に対して必要に応じて行われる専門的な手術です。
赤ちゃんから高齢者まで、必要に応じて行われます。原因となる病気は年齢によって異なります。
症状
- 意識がない、または呼びかけに反応が弱い
- けいれんが5分以上続く、または繰り返す
- 突然の激しい頭痛、何度も吐く
- 急に片方の手足が動かない、話せない、顔がゆがむ
- 手術後に意識が急にぼんやりする、呼吸が苦しい
- 傷口から大量の出血がある
- ⚠手術後に38℃以上の発熱
- ⚠傷口の赤み・腫れ・膿
- ⚠頭痛がどんどん強くなる
- ⚠吐き気が続いて水分がとれない
- ⚠手足の動かしにくさや言葉の出にくさが新しく出る
- ⚠けいれんが一度起きた
一般的な症状
- 吐き気や嘔吐
- けいれん
- 手足の力が入りにくい、または動かしにくい
- 手足のしびれ
- 話しにくい、言葉が出ない
- 見えにくい、視野が欠ける
- ふらつき、歩きにくさ
- 性格の変化、物忘れ、混乱
子供の症状
- 機嫌が悪い、泣き止まない
- 繰り返す嘔吐
- 眠りすぎる、起こしにくい
- けいれん
- 手足の動きの左右差
- 赤ちゃんでは頭が大きくなる、大泉門(ひよめき)が膨らむ
高齢者の症状
- 物忘れや混乱
- 転びやすい、歩きにくい
- 手足の麻痺
- 言葉が出にくい
- 強い眠気
原因
主な原因
- 脳腫瘍(のうしゅよう)
- 脳出血(のうしゅっけつ=脳の中の出血)やくも膜下出血(脳の表面の出血)
- 脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう=脳の血管にできるこぶ)
- 頭部外傷(頭を強く打つ)
- 脳膿瘍(のうのうよう=脳にできる膿のたまり)や感染
- てんかんの原因となる病巣
- 水頭症(すいとうしょう=脳に水がたまる病気)の治療の一部
リスク要因
- 頭部外傷の既往
- 脳卒中の家族歴
- 抗凝固薬(血を固まりにくくする薬)を使っている
- 転倒しやすい環境
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 意識がない、または呼びかけに反応が弱い
- けいれんが5分以上続く、または繰り返す
- 突然の激しい頭痛、何度も吐く
- 急に片方の手足が動かない、話せない、顔がゆがむ
- 手術後に38℃以上の発熱、傷口の赤み・腫れ・膿
- 傷口から大量の出血がある
定期受診を予約すべき場合:
- 手術前の説明を聞きたい
- 手術後の回復について相談したい
- 頭痛や物忘れが続く
- リハビリや復職について相談したい
診断
開頭術が必要かどうかは、症状、神経の診察、画像検査などを組み合わせて判断します。かかりつけ医から脳神経外科医に紹介されることが多いです。
行われる可能性のある検査
- 神経診察(手足の動き、感覚、言葉、目の動きなどを確認)
- CT検査(頭の断面を撮る画像検査)
- MRI検査(脳の詳しい画像を撮る検査)
- 血管造影(脳の血管を写す検査)
- 脳波検査(脳の電気の活動を調べる検査)
- 血液検査、心電図、胸部X線(手術前の全身チェック)
診察で予想されること
手術の目的、方法、リスク、代替の治療法について説明があります。納得してから決められるように、質問をメモしておくとよいでしょう。手術前には麻酔科の診察や検査があります。
治療
開頭術は、全身麻酔で行うことが多い手術です。頭の皮膚を切って頭蓋骨の一部を外し、脳を治療してから骨を戻します。手術の時間や入院期間は、病気の内容によって変わります。手術には出血、感染、脳の腫れなどのリスクがあり、事前に医師から説明があります。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示に従って傷口を清潔に保つ
- 処方された薬は自己判断でやめない
- 飲酒・喫煙は医師の許可が出るまで控える
- 重い物を持ち上げる、激しい運動は許可が出るまで避ける
- 運転は医師の許可が出るまでしない
- 発熱、傷口の変化、強い頭痛があれば早めに連絡する
- 無理に活動を増やさず、疲れたら休む
医療治療
手術前後の全身管理、画像検査、リハビリテーション、必要に応じた薬物療法、感染予防、痛みの管理などを行います。手術後は定期的な通院で回復を確認します。
手術が検討される場合
脳腫瘍、脳出血、脳動脈瘤、頭部外傷、脳膿瘍などで、脳を直接治療する必要があるときに検討されます。手術をするかどうかは、病気の場所、大きさ、症状、全身の状態を考えて医師と相談して決めます。
この病気と共に生きる
手術後は疲れやすく、集中しにくいことがあります。回復の速さは人によって大きく異なります。無理をせず、少しずつ日常に戻ることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休養
- 医師の許可を得てから段階的に活動を増やす
- 転倒を防ぐ(家の中の整理、手すり)
- 感染予防(手洗い、人混みを避ける)
- 定期的な通院とリハビリ
- 飲酒・喫煙を控える
食事と運動
バランスのよい食事と水分をとり、医師の許可が出たら散歩などの軽い運動から始めます。激しい運動や頭を強く打つ可能性のあるスポーツは、医師の許可が出るまで避けます。
精神的健康と心の健康
手術の前後は不安や気分の落ち込み、いらいら、物忘れ、集中しにくさが起こることがあります。これは珍しいことではありません。つらい気持ちが続くときは、医療者や家族に話してください。自分を傷つけたい気持ちがわいたときは、すぐに医療機関や救急窓口に連絡してください。日本では119番で救急要請ができます。
予防
開頭術そのものを防ぐ方法はありません。ただし、頭部外傷や脳卒中のリスクを減らすことは大切です。ヘルメットやシートベルトの使用、血圧の管理、禁煙、節酒、転倒予防などが役立ちます。
ワクチン
開頭術を防ぐワクチンはありません。感染が原因の病気の中には、ワクチンで防げるものもあります。かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
開頭術そのものを事前に見つけるスクリーニングはありません。気になる神経症状があれば、早めに医療機関に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 原因の病気が進行する
- 頭の中の圧が高くなり、意識障害や命に関わることがある
- けいれんや麻痺、言葉の障害が悪化する
- 感染や出血が広がる
長期的な見通し
開頭術は大きな手術ですが、多くの人はリハビリと周囲の支援を受けながら回復していきます。回復の速さや程度は、病気の種類、手術前の状態、年齢などによって異なります。不安なことは医師に質問しながら、一歩ずつ進みましょう。
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最終更新: 2026年10月22日
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