Critical limb ischaemia awareness
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
重症下肢虚血(じゅうしょうかしきょけつ)とは、足の血管が詰まったり狭くなったりして、血液が十分に届かなくなる状態です。血液は酸素や栄養を運ぶため、それが不足すると足の組織が傷み、最悪の場合、切断しなければならなくなることもあります。早期発見と治療が大切です。
重要な事実
- 重症下肢虚血は、末梢動脈疾患(血管が細くなる病気)が進行した状態です。
- 足の痛みや傷が治りにくい、皮膚の色が変わるなどの症状があります。
- 適切な治療を行えば、多くの場合、足を切断せずに済む可能性があります。
日本では約20万人の患者さんがいると推定されています。高血圧や糖尿病、喫煙などの生活習慣病を持つ方に多く見られます。
主に50歳以上の中高年に多く、特に糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙習慣のある方に発症しやすいです。また、動脈硬化(血管が硬くなったり詰まったりする病気)が全身に及んでいる方に起こりやすいです。
症状
- 急に足が激しく痛み出し、動かせなくなった
- 足の色が著しく白くなったり、黒くなったりした(壊疽:えそ)
- 足が急に冷たくなり、脈が触れない
- 足の傷から出血が止まらない
- ⚠足の傷が化膿して、悪臭がする
- ⚠足の痛みが強く、夜も眠れない
- ⚠足の動きや感覚が徐々に悪くなっている
一般的な症状
- 歩くと足が痛くなり、休むと治まる(間欠性跛行:かんけつせいはこう)
- 足の指やかかとに治りにくい傷や潰瘍ができる
- 足の皮膚が青白い、または紫色になる
- 足が冷たく感じる
- 足の爪が厚くなる、毛が抜ける
- 足の感覚が鈍くなる、またはしびれがある
子供の症状
- 子供には非常にまれな病気です。もし症状があれば、他の血管の病気や先天的な異常が原因の場合があります。早めに小児科専門医に相談してください。
高齢者の症状
- 高齢者では、痛みを感じにくくなる場合があります(糖尿病による神経障害など)。
- 傷が治りにくく、少しのケガでも感染しやすいです。
- 足全体の機能低下や歩行困難が進むことがあります。
- 認知機能の低下により、症状を正しく伝えられない場合があります。
原因
主な原因
- 動脈硬化(血管の内側にコレステロールなどがたまり、血管が狭くなる病気)
- 血栓(血液の塊)が血管を詰まらせる
- 糖尿病による血管の障害
- 炎症性の血管疾患(血管の壁に炎症が起こる病気)
リスク要因
- 糖尿病(血糖値が高い状態が続く病気)
- 高血圧(血圧が高い状態)
- 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が多い状態)
- 高齢(特に65歳以上)
- 運動不足
- 家族に同じ病気の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 足に治らない傷や潰瘍ができた
- 足の痛みが安静にしても続く
- 足の色が変わった(白い、青い、黒い)
定期受診を予約すべき場合:
- 歩くと足が痛くなり、休むと治まる症状が続く
- 足が冷たい、しびれる、感覚が鈍い
- 糖尿病や高血圧などの生活習慣病の治療を受けている方で、定期的な足のチェックが必要
診断
医師が問診(症状の聞き取り)と診察を行い、足の血圧や脈を調べます。さらに画像検査で血管の状態を詳しく調べ、重症度を評価します。
行われる可能性のある検査
- 足関節上腕血圧比(ABI:手首と足首の血圧を比べる検査)
- ドップラー超音波検査(血管の中の血流を超音波で見る検査)
- CT血管造影(造影剤を使って血管をCTで詳しく撮影する検査)
- MRI(磁気を使って血管の状態を画像化する検査)
- 血管造影(カテーテルを血管に入れて直接造影する検査)
診察で予想されること
診断には数日から数週間かかることがあります。最初は血液検査や血圧測定などの簡単な検査から始まり、必要に応じて画像検査が追加されます。結果に基づいて、最適な治療計画が立てられます。痛みを伴う検査もありますが、医師や看護師が丁寧に説明しますので、安心してください。
治療
治療の目的は、血流を改善し、症状を和らげ、足を切断しないようにすることです。生活習慣の改善と薬物療法、場合によっては手術やカテーテル治療を組み合わせて行います。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する(喫煙は血管をさらに傷つけます)
- 毎日足を清潔に保ち、傷がないか確認する
- 足に合った靴を履き、ケガを防ぐ
- 適度な運動(医師の指示に従ってウォーキングなどを行う)
- 糖尿病や高血圧があれば、治療をきちんと続ける
医療治療
血管を広げる薬や血を固まりにくくする薬が使われることがあります。また、コレステロールを下げる薬や血圧を下げる薬も重要な役割を果たします。これらは医師の処方に基づいて使用します。自己判断で薬を増やしたり、やめたりしないでください。
手術が検討される場合
薬や生活改善だけでは血流が十分に改善しない場合、手術やカテーテル治療(血管内治療)が検討されます。例えば、バルーンで血管を広げる、ステントを入れる、詰まった部分をバイパスするなどの方法があります。最終的に組織が壊死してしまった場合、切断が必要になることもありますが、それは最後の手段です。
この病気と共に生きる
日常生活では、足のケアを最優先に考えましょう。毎日足を観察し、傷や感染の兆候がないかチェックします。歩行時の痛みには、休みながら無理のない範囲で歩くようにします。寒い季節は足を冷やさないように注意してください。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を徹底する
- 適度な運動を習慣にする(医師の許可を得て)
- バランスの良い食事を心がける(減塩、野菜中心)
- 体重を適正に保つ
- ストレスをためないようにする
食事と運動
食事は、塩分や脂肪を控え、野菜や果物、魚を多く摂るようにしましょう。運動は、ウォーキングが推奨されますが、痛みを感じたら無理せず休んでください。週に3~5回、1回20~30分程度を目標に、医師と相談しながら始めましょう。
精神的健康と心の健康
痛みや足を失う不安から、うつ状態や強いストレスを感じることがあります。悩みを一人で抱え込まず、家族や医療スタッフに相談してください。精神的なサポートも治療の一部です。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、リスクを減らすことは可能です。特に生活習慣の改善(禁煙、健康的な食事、適度な運動)が重要です。糖尿病や高血圧の方は、治療をきちんと続けることで進行を抑えられます。
検診プログラム
定期的な健康診断で血圧、血糖、コレステロールをチェックすることが推奨されます。また、血管の状態を調べる簡易検査(ABIなど)が行われることもあります。リスクの高い方は医師に相談し、定期的な検査を受けてください。
合併症
治療しない場合
- 足の組織が壊死する(壊疽:えそ)
- 足の切断が必要になる
- 全身の血管が詰まって脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクが高まる
- 感染が全身に広がる(敗血症)
- 慢性的な痛みによる生活の質の低下
長期的な見通し
早期に診断・治療を始めれば、多くの場合、症状の改善や進行を遅らせることができます。たとえ治療が必要になっても、医療技術の進歩により、以前より良い結果が期待できます。足を大切にしながら、前向きに治療に取り組むことが大切です。医師としっかり相談し、自分に合った治療を続けていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月16日
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