ふけと頭皮のかゆみ
概要
ふけ(フケ)は、頭皮の皮膚のいちばん外側の層がはがれ落ちたものです。皮膚はふだん、古い細胞が少しずつはがれて新しい細胞に入れ替わっています。ところが、頭皮が乾燥したり、頭皮の皮脂と皮膚にふつうにいるカビ(真菌)の一種が関わったりして、この入れ替わりが速くなると、白っぽいかすが目立つようになります。これが「ふけ」です。同じような原因で頭皮がかゆくなることも多く、ふけとかゆみは一緒に起きることがよくあります。ふけはとてもよくあることで、恥ずかしいことではありません。
重要な事実
- ふけと頭皮のかゆみは、多くの人が経験する、とてもよくある悩みです。
- 原因はひとつではなく、乾燥、洗い方、皮脂、カビ(真菌)、刺激の強い製品など、いくつかが重なっていることが多いです。
- 多くの場合は、洗髪の見直しやスキンケア、医療機関での治療で改善します。
とてもよくある症状です。日本人を含め、多くの人が一度は経験すると言われています。冬など乾燥する季節に悪くなり、良くなったり悪くなったりを繰り返すのも特徴です。
赤ちゃんから高齢者まで、どの年代でも起こります。皮脂の多い思春期以降の世代では特に多く、高齢になると頭皮の乾燥が原因でふけが出やすくなることもあります。性別による大きな差はありません。
症状
- ヘアカラーやシャンプーなどを使ったあと、顔やまぶた、唇、喉のはれ、息苦しさ、じんましんが急に出た(重いアレルギー反応の可能性。すぐに119番に連絡してください)
- 頭を強く打ったあと、はげしい頭痛、呕吐、意識がぼんやりする、けいれんがある
- ⚠頭皮が急に赤くはれ、強い痛みがある
- ⚠膿(うみ)が出る、強いにおいがする、発熱がある
- ⚠髪が円形に抜ける、急に抜ける量が増えた
- ⚠かゆみが非常に強く、眠れない、日常生活に支障がある
一般的な症状
- 肩や衣服に、白っぽい粉のようなものが落ちる
- 頭皮がかゆい。かくと白いかすが爪の間や髪に付く
- 頭皮が乾燥して、つっぱる感じやきしむ感じがある
- 頭皮に赤みや小さなぶつぶつが出ることがある
- 頭皮を触ると、ざらざらした部分や小さなかさぶたがある
- 季節の変わり目や冬に悪くなりやすい
- 黒い服を着るのが気になるなど、見た目のことが悩みになる
子供の症状
- 乳児では、頭皮に黄色っぽくあぶらっぽいかさぶたのようなものが付くことがある(乳児脂漏性皮膚炎と呼ばれることがあります)
- 子どもでは、シャンプーのすすぎ残しや汗でかゆみが出ることがある
- かきむしって頭皮に傷ができ、赤みやかさぶたになることがある
- 学校などで肩に付いた白い粉を気にする子もいる
高齢者の症状
- 加齢とともに頭皮が乾燥し、ふけが出やすくなることがある
- 洗いすぎや熱いお湯、強いシャンプーで乾燥が進むことがある
- かゆみで夜眠りにくくなることがある
- 肩や腕の動きが悪く、洗髪が十分にできないことがある
- かゆみを我慢して、無意識に頭をかいて傷を作ってしまうことがある
原因
主な原因
- 頭皮の皮脂と、皮膚にふつうにいるカビ(真菌)の一種の働きで、皮膚の入れ替わりが速くなり、はがれ落ちる
- 頭皮の乾燥(洗いすぎ、熱いお湯、空気の乾燥など)
- シャンプー、整髪料、ヘアカラーなどによる刺激やアレルギー
- 洗い残しやすすぎ不足
- 脂漏性皮膚炎、乾癬(かんせん)、頭部の白癬(しらくも)など、別の皮膚の病気
- ストレス、睡眠不足、食生活の乱れ、疲れ
リスク要因
- 皮脂が多い思春期以降の時期
- 空気が乾燥する季節や環境
- 洗髪の回数が少なすぎる、または多すぎる、すすぎが不十分
- 整髪料、ヘアカラー、香りの強い製品をよく使う
- ストレスや睡眠不足が続いている
- 皮膚の病気(乾癬など)の家族歴がある
- 免疫の力が弱まる病気や治療を受けている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 頭皮が急に赤くはれて痛む、膿が出る、発熱がある
- 顔や喉のはれ、息苦しさなど、アレルギーを疑う症状が急に出た(その場合は119番へ)
- 髪が円形に抜ける、急に抜ける量が増えた
- かゆみが強く、眠れない、仕事や勉強に支障が出ている
定期受診を予約すべき場合:
- ふけ用のシャンプーを2〜4週間ほど使ってもよくならない
- 赤みやかゆみを繰り返している
- ふけが増え続ける、範囲が広がっている
- 頭皮にできものや、治りにくい傷がある
- 見た目のことが気になって、生活に支障が出ている
診断
多くの場合、医師が症状の話を聞き、頭皮を明るい光でよく見て診断します。赤み、かさつき、はがれ方、髪の状態などを確認します。ふけの原因が別の皮膚の病気ではないかどうかを見分けるために、検査が行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- 頭皮の観察(視診)
- 頭皮を軽くこすって採取したものを、顕微鏡で調べる検査(真菌の有無を確認します)
- 必要に応じて、皮膚の一部を採って詳しく調べる検査(皮膚生検)
- アレルギーが疑われる場合の皮膚の検査(パッチテスト)
診察で予想されること
診察は数分で終わることが多く、痛みはほとんどありません。検査をする場合も、頭皮の表面を軽くこする程度です。検査の前日から頭を洗わないように指示されることがあるので、事前に確認しましょう。いま使っているシャンプーや整髪料の名前、症状が始まった時期、悪くなるきっかけをメモしておくと役立ちます。
治療
ふけと頭皮のかゆみの多くは、毎日の洗髪とスキンケアの見直しで改善します。それでもよくならないとき、赤みやかゆみが強いときは、医療機関で原因に合わせた治療を行います。
自宅でのセルフケア
- 熱すぎない、ぬるま湯で洗う
- シャンプーは頭皮にやさしいものを選び、よく泡立てて、指の腹でやさしく洗う
- すすぎはていねいに。洗い残しがないようにする
- 爪でかかない。かゆいときは冷たいタオルで冷やす、髪をまとめるなど工夫する
- タオルで強くこすらず、押さえて水分を取る
- ドライヤーは頭皮から離して使い、最後に冷風で乾かす
- 枕カバーやタオルをこまめに洗濯する
- 整髪料やヘアカラーは、しばらく休むか、刺激の少ないものにする
- 乾燥する季節は、部屋の湿度を保つ
医療治療
医療機関では、症状と原因に合わせて、頭皮の皮膚の入れ替わりやカビ(真菌)の増えすぎを抑える塗り薬、炎症をしずめる塗り薬、乾燥を補う保湿剤などが使われることがあります。範囲が広い場合や繰り返す場合には、飲み薬が使われることもあります。どの治療が合うかは人によって違うため、医師の指示に従い、自己判断で薬を長期間使い続けたり、量や強さを変えたりしないようにしましょう。改善には数週間かかることがあります。
手術が検討される場合
ふけや頭皮のかゆみそのもののために手術が必要になることは、ほとんどありません。ただし、別の皮膚の病気が見つかった場合には、その病気に応じた対応が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
ふけは目に見えるぶん、気になりやすいものです。毎日の洗髪と保湿を「いつもの習慣」にしてしまうと、悩む時間が減ります。黒い服を避ける、肩を払う習慣をつけるなど、気にしすぎない工夫も大切です。良くなったり悪くなったりを繰り返すことも多いので、あせらず続けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠をとり、疲れをためない
- リラックスする時間をつくり、ストレスをためない
- 汗をかいたら、そのままにせずやさしく洗い流す
- 乾燥する季節は加湿器などで湿度を保つ
- かゆみや赤みが出た製品をメモして、避ける
- 帽子や日よけで、紫外線や乾燥から頭皮を守る
食事と運動
特定の食べ物がふけの原因と決まっているわけではありませんが、バランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠は、頭皮の健康にも役立ちます。激しい運動のあとは汗をそのままにせず、やさしく洗い流しましょう。飲酒や脂っこい食事のとりすぎは皮脂が増えることがあるので、ほどほどにするとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
見た目やかゆみが続くと、人と会うのが気になる、集中できない、眠れないなど、心の負担になることがあります。それは大したことではない、と我慢する必要はありません。つらさが続くときは、かかりつけ医や地域の保健・相談窓口に話してみてください。気持ちがとてもつらいとき、自分を傷つけたい気持ちが出てきたときは、すぐに119番、またはお住まいの地域の救急相談窓口や医療機関に連絡してください。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、洗い方や保湿、刺激の少ない製品選びを心がけることで、出にくくしたり、悪化を防いだりすることはできます。
検診プログラム
ふけや頭皮のかゆみのための決まった検診はありません。気になる症状が続くときは、皮膚科などの医療機関に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- かきむしることで頭皮に傷ができ、細菌の感染を起こすことがある
- かゆみや赤みが続き、睡眠不足や集中力の低下など、生活の質が下がることがある
- 見た目が気になって、人と会うのがおっくうになることがある
- ふけだと思っていたら、別の皮膚の病気だったということがある
長期的な見通し
ふけと頭皮のかゆみは、とてもよくある悩みで、多くはケアの見直しや適切な治療で落ち着きます。良くなったり悪くなったりを繰り返すこともありますが、あせらず続けることが大切です。よくならないとき、症状が強いときは、皮膚科に相談してみてください。
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最終更新: 2026年10月22日
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