デング熱とは?原因、症状、治療、予防について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
デング熱は、デングウイルスを持つ蚊に刺されることでうつる感染症です。急な熱、頭痛、関節や筋肉の痛みなどが出ますが、多くの人は適切な休養と水分補給により回復します。まれに重症化することがあるため、注意が必要です。
重要な事実
- デング熱は蚊が運ぶウイルスによる感染症で、人から人へ直接うつることはありません。
- 主な症状は、高熱、強い頭痛、目の奥の痛み、関節や筋肉の痛み、発疹などです。
- 多くの人は1週間から2週間ほどで回復しますが、まれに出血や血圧低下などの重症化が見られます。
- 日本では、海外の流行地域から帰国した後に発症することが多いです。
日本では、ほとんどが海外で感染する輸入例です。しかし、東南アジアや中南米などの熱帯・亜熱帯地域では広く見られ、毎年多くの人が感染しています。
デング熱は、熱帯や亜熱帯の地域に住む人や、そうした地域へ旅行する人がかかりやすいです。年齢や性別に関係なく誰でもかかる可能性があります。特に、過去にデング熱に感染したことがある人が2回目に感染すると、重症化しやすいとされています。
症状
- すぐに119番に電話してください。次の症状がある場合は、ためらわずに救急車を呼びましょう。
- 意識がもうろうとする、呼びかけても反応がにぶい
- けいれんが止まらない
- 息苦しい、呼吸が速い
- 手足が冷たく、顔色が青白い
- 血を吐く、または黒い便や血便が出る
- ⚠高熱が続き、水分がほとんどとれない
- ⚠おう吐が続き、尿の回数や量が減っている
- ⚠おなかの激しい痛みがある
- ⚠皮膚に赤い斑点やあざが急に増える
- ⚠歯ぐきや鼻から出血しやすい
一般的な症状
- 38度以上の急な高熱
- 強い頭痛
- 目の奥の痛み
- 関節や筋肉の痛み
- 吐き気やおう吐
- 皮膚に赤い発疹(発しん)が出る
- 強いだるさ(倦怠感)
子供の症状
- 乳幼児や子どもでは、症状が軽いこともあります。
- 発熱、発疹、機嫌が悪い、食欲がない、ぐったりするなどの症状が見られます。
- 水分がとれるか、ぐったりしていないかを注意深く観察することが大切です。
高齢者の症状
- 高齢者では、熱が高くなりすぎたり、だるさや体力の低下が強く出たりすることがあります。
- 脱水になりやすいため、こまめな水分補給が重要です。
- 心臓病や糖尿病などの持病があると、重症化のリスクが高まることがあります。
原因
主な原因
- デングウイルス(1型から4型まであります)
- デングウイルスを持つ蚊(主にネッタイシマカやヒトスジシマカ)に刺されること
- 人から人へ直接うつることはありません
リスク要因
- 熱帯・亜熱帯地域への旅行や滞在
- 雨季で蚊が多い時期・場所
- 屋外で肌を出す時間が長い
- 水たまりや草木の多い場所で過ごす
- 過去にデング熱に感染したことがある
- 乳幼児、高齢者、妊娠中の方
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 38度以上の熱があり、頭痛や体の痛みが強くつらい
- おう吐や下痢で水分がとれない
- 発疹と一緒に、歯ぐきや鼻からの出血が見られる
- 流行地域から帰国後に熱や痛みなどの症状が出た
定期受診を予約すべき場合:
- 海外のデング熱流行地域から帰国後、体調がすぐれない
- 蚊に刺された後に熱が出た場合
- 海外旅行前の予防方法について相談したい場合
診断
医師が症状と渡航歴(どこへ行ったか)を確認し、血液検査でデングウイルスやそれに対する抗体を調べます。デング熱が疑われる場合、最近の海外渡航の有無はとても重要な情報です。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(デングウイルス抗原や抗体を調べる)
- 血液中の血小板数や水分の状態を確認する検査
- 発症から日数がたっている場合は、抗体検査が追加されることがあります
診察で予想されること
診察では、いつから熱が出たか、どの地域に行ったか、蚊に刺されたかどうかなどが聞かれます。必要に応じて血液検査が行われ、結果をもとに経過観察や入院の必要性が判断されます。
治療
デング熱には、ウイルスそのものをやっつける特別な治療法はありません。そのため、熱や痛みなどの症状をやわらげ、水分を補い、安静にして回復を待つことが治療の中心になります。
自宅でのセルフケア
- 安静にして十分に休む
- こまめに水分をとり、脱水を防ぐ
- 発熱や痛みがつらいときは、医師や薬剤師に相談する
- 熱が下がった後も、ぶり返すことがあるため、無理をしない
医療治療
医療機関では、水分や電解質(体の水分バランスに必要な成分)の補給、症状に合わせた点滴などが行われます。重症化の兆候がある場合は、入院して出血や血圧の変化を慎重に観察します。痛み止めや解熱薬などの薬を使うときは、自己判断せずに医師の指示に従ってください。一部の痛み止めは出血のリスクを高めることがあるため、デング熱が疑われる場合は特に注意が必要です。
手術が検討される場合
デング熱に対して手術が行われることはありません。
この病気と共に生きる
デング熱から回復するまでには、時間がかかることがあります。熱が下がった後も、だるさや疲れが数週間続くことがあるため、無理をせず、体調に合わせて生活しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 流行地域では、長袖・長ズボンや虫よけを使って蚊に刺されないようにしましょう。
- 家の周りの水たまりなど、蚊の発生源を減らしましょう。
- 蚊は朝夕に活動が活発なため、屋外では特に注意しましょう。
食事と運動
水分補給をこまめに行い、消化のよい食事を少しずつとりましょう。回復後は、軽い散歩などから始め、運動を再開するタイミングは医師に相談すると安心です。
精神的健康と心の健康
だるさや不安が続き、気分が落ち込むこともあります。家族や友人に話したり、医療機関に相談したりしてください。もし強い不安やつらい気持ちが続く場合は、一人で抱え込まず、こころの健康相談窓口やお近くの医療機関に連絡しましょう。
予防
デング熱は、蚊に刺されないことが最も大切な予防法です。流行地域では、虫よけを使う、長袖・長ズボンを着る、肌の露出を少なくするなどで予防できます。
ワクチン
デング熱のワクチンは、一部の国で使用されていますが、日本では一般的な予防接種としてはまだ広く行われていません。渡航先での感染状況や予防方法については、渡航前の健康相談で医師に確認しましょう。
検診プログラム
デング熱の流行地域から帰国後に症状が出た場合は、医療機関で血液検査を受けることができます。妊娠中や持病がある人、高齢者は、早めに相談してください。
合併症
治療しない場合
- 重症デング熱(デング出血熱)になることがあります
- 血管から水分が漏れて出血しやすくなることがあります
- 血小板が減り、内出血や鼻血、歯ぐきの出血などが起こることがあります
- 血圧が下がり、ショック状態になることがあります
- 肝臓や心臓などの臓器に影響が出ることがあります
長期的な見通し
多くの人は、デング熱から完全に回復します。熱が下がってから数日間が重症化しやすい時期ですが、医療機関で適切に観察・治療を受ければ、重症例でも回復の可能性は高くなります。回復後もしばらくだるさが続くことがありますが、時間とともに少しずつ元に戻っていきます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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